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2022/12/23
2度づけ禁止の「マルエフめし」
今回、“マルエフめし” を求めて訪れたのは、
大阪・梅田の地下街・ホワイティうめだにある
「串かつ 鳥の巣」。
難波や京橋にも姉妹店がある老舗の串かつ屋さんで、
ここに来ると出張組や観光で訪れた人は
「大阪に来たなぁ」と実感するし、
地元の人は「昔、オヤジに連れてこられたのは
こんな串かつ屋だったなぁ」と思い出す、
昭和34年の創業から半世紀以上
この地で愛されるレトロな酒場だ。
ホワイティうめだ内にあることもあり、早い時間からビールと串かつで一杯やっている方たちもいれば、プレゼン帰りでスーツのネクタイを緩めた3〜4人組のビジネスマンから、観光ついで立ち寄った若いカップルまで、カウンター中心の店内で楽しそうに飲んでいる。
自分自身に原体験はなくても「なんか懐かしいな」とほっこりした気持ちにさせてくれる。ところで、一見「焼き鳥屋さんなのか」と勘違いしてしまいそうな「鳥の巣」という店名。
「ここの会長が和歌山の出身でね。鳥の巣っていう地名から来ているんですよ。鳥の巣海岸っていうのがあってね。それが屋号になったんですよ」
と教えてくれた、店長の森本さん。そんな「鳥の巣」に来たら、ちょっと他の串かつ屋さんではなかなかお目にかかれないような串を頼んでほしい。
1本100円〜180円が基準で、高いものでも210円という安心価格で楽しめる「鳥の巣」の串かつ。
どれにしようか考える時間も楽しいし思う存分好みで選んでほしいものの、メニュー表に書いてある “定番のヒット” の欄はぜひチェックしてほしい。
ここには「鳥の巣」らしさが詰まった、味付けの高野どうふやこんにゃく、関西風紅しょうが、香りちくわ、などなかなか珍しいラインナップが揃っている。
「オランダの高級ラードでカラッと揚げてるんやけどね。高野どうふやこんにゃくなんかはね、炊き上げて味付けしてるからおいしいと思いますよ。あんまり他では見ないでしょうしね」
なんとなく豚カツや海鮮、れんこんのような定番の串を想像していただけに、古き良き日本のソウルフードが並んだことに驚いたけど、いざ揚げたてを食べてみると、さらなる驚きが待っている。
うまい……。
高野どうふもこんにゃくも、サクッとした食感のあとにじんわりやさしい味わいが広がって、つい次のひと口が止まらなくなる。低カロリーでヘルシーだから選びたいとかそんな野暮な理由ではなく、普通にもう1回頼みたくなるくらいおいしさが凝縮されていて、改めて串かつのポテンシャルに驚かされる。
そして、創業以来守り続けられているソースについても触れないわけにはいかない。コロナの影響で “2度づけ禁止” の大皿は今はなく、ディスペンサータイプで直接かける方式になっているけど、その中身は長く愛されてきた味わいだ。
「もちろんソースも既製品やなくてね、自家製でブレンドしてます。ガラスープを3時間くらい炊き込んで、ソースと半々くらいでオリジナルブレンドした味やね」
そんな鳥の巣のカウンターでサクッと飲むマルエフは、説明も不要なくらい最高のマッチングだ。
「うちは串かつメインですから、ちゃんと冷えたジョッキで、冷たいマルエフを飲んでもらいたいですね。揚げたての串と、冷たいビールがやっぱりお客さんにも好かれますから」
創業以来、ずっとアサヒビールと一緒に大阪のソウルフードを守ってきたこだわりがある。とはいえ、さまざまなお客さんが出入りするという立地柄、選択肢もちゃんと揃えている。
ジョッキのサイズも小からジャンボまであり、ノンアルや微アル、瓶ビールもあり、たくさん飲みたい人も、ほどほどにしたい人も、一緒に楽しめる空間なのがいい。
他にも、関西風味付けの紅しょうがや、香りちくわ、パイナップルなど、口にするたびに発見や驚きを感じながら、心地いい時間が過ごせる。
また鳥の巣では、カウンターの中でテキパキと世話をしてくれるおばちゃん(?)やお姉さんとのやりとりも痛快で楽しい。それを楽しみにやってくる常連さんも多いという。
そのメニューでも接客でも「THE大阪」を感じさせてくれる老舗の串かつ。
もちろんマルエフが進まないわけはなく、おいしくリーズナブルに、信じられないくらい満足度の高い時間を過ごすことができる。
大阪梅田でちょっと早い時間から一杯やりたくなったら、自分の巣へ帰るような気持ちで、地下街へ足を運ぶのが定番ルートになりそうだ。
鳥の巣 ホワイティうめだ
住所:大阪府大阪市北区角田町 ホワイティうめだ ノースモール1
TEL:06-6312-0817
営業時間:10:00〜22:00(LO21:30)
定休日:無休