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2022/12/23
ビール注ぎ名人のお店でいただく「マルエフめし」
今回、“マルエフめし” を求めて訪れたのは、
東京・新橋にある「ビアライゼ '98」。
これまでこの「マルエフ横丁 ONLINE」で
取材させていただいたお店でも
「ビアライゼさんで注ぎ方を教わって……」
という方が何人もいたくらい、
マルエフのおいしさを熟知した名人がいるお店だ。
マルエフを語る上で、欠かせないお店のひとつが、注ぎの名人・松尾光平さんがバーカウンターに立つ「ビアライゼ '98」だ。
今は亡き昭和の名人、灘コロンビアの新井徳司さんを師に持ち、“とりあえず” ではない、価値あるビールを提供し続けている。
「生ビールってどこのお店にもあるんだけど、ちゃんとおいしいものを提供するお店って意外と少ないでしょう。先代は、当時珍しかった “注ぎ” の文化を日本に根付かせたひとりなんですけど、今は私がその文化を守りながら引き継いでいるんです」
そんな「ビアライゼ '98」は、松尾さんが注ぐビールはもちろん、その料理を目当てに足繁く通う常連さんも多い。
とくにオススメなのが、先代のレシピを受け継いだというブラウンソースの「メンチカツ」だ。見た目のボリュームにも目を奪われるが、ひと口いただいてみて、そのおいしさに驚く。カラッと上がった衣の食感が抜群で、中からジューシーな肉汁が溢れてくる。もちろんたっぷりかかったブラウンソースの相性も抜群だ。
「先代もすごく料理が好きで、こだわる人でしたね。私も若い頃は修行に出て覚えましたし、うちの料理が好きだって言っていただけるのもありがたいことですよ」
ランチを目当てにくるお客さんも多く、「ビアライゼ '98」が、一部のビールファンだけに愛されるようなお店ではなく、まさに海外のパブのように誰もが立ち寄れて交流できる場であることが、あくまでも大衆に愛される味わいのメンチカツからじんわりと感じることができる。
あぁ、おいしい。
ここにグイっと流し込むマルエフが、たまらない。
「ビアライゼ '98」では、おそらく現存するビールサーバーのなかで日本最古のものを使っていて、1949年(昭和24年)から70年以上、ビール好きたちの笑顔を支えてきた。
氷冷式と言われる、氷を使った自然な冷やし方で、ビール本来の適温で、まろやかな味わいに仕上げている。
「メーカーさんがこのビールの生みの親だとしたら、私たち注ぐ人間は育ての親だと思っているんです。お預かりした娘さんを、ぞんざいには扱えないですから。そしてこの氷冷式は、注ぐほうからすると手間もかかるし手入れも必要だし、大変なんです。でも、ビールにとっては最高の環境です。どうぞ、喉で感じるようにグイッと飲んでみてください」
うまい……!
しっかり冷えているのにカドがなく丸みがあり、まろやかな旨み。ちゃんと、カラダの内側から「うまい」と感じられる一杯だ。
「それが、ビール本来のおいしさです。このマルエフはアルコール度数も4.5%で、ビールにとって自然なおいしさを追求したつくり方になっているんです。だからお腹も変なふくれ方をしないし、自然と次の一杯が欲しくなる理想的なビールです。私はこのおいしさをもっと多くの人に知ってほしくて、何十年も言い続けてるんですけどね(笑)」
肝心の “注ぎ” にも触れないわけにはいかない。夏の暑い日には1日で800杯以上もサーブするという松尾さんの技術は、目でも楽しめる。
「基本は二度注ぎ、と呼ばれるものです。最初に勢いよく注いで炭酸を抜きつつ整えて、そのあとにゆっくり2度目を注ぎます。そうすることで、丸みのある味わいになって、ほど良い苦味がやさしく広がる。そうすると、何杯でもいけてしまう本来のビールになる」
これは「松尾注ぎ」とも呼ばれ、今ではマルエフを扱う全国のお店から「教えてほしい」と尋ねてくる人が絶えない。
“注ぎ” の文化を継承し、今なお多くの飲食店に影響を与え続けるレジェンドの一杯。ぜひご自身で体験してみてほしい。
ビアライゼ '98
住所:東京都港区新橋2丁目3-4 新橋パークビル1F
TEL:03-5512-5858
営業時間:ランチ[月〜金]11:30〜14:00、ディナー[月〜金]16:00〜22:30(L.O 22:00)、[第1第3第5土曜]16:00〜21:00(L.O 20:30)
定休日:第2第4土曜、日曜、祝日