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2023/8/17
女将の心とこだわりで癒される「マルエフめし」
今回、“マルエフめし” を求めて訪れたのは、
旨いものが集う町・福岡でも人気店として名高い「ぽん太」。
「ただいま」──。
うっかりそんな台詞が口を突きそうになる
人情居酒屋で味わう、絶品・母の味。
「私が28歳のときだから……何年になるんだろう、もう45年ですかね、お店をやって」
もともと親族が経営していたお店を引き継ぐ格好で女将となった大村美千代さん。食事処が少なかったエリアで、もともと料理好きだったこともあり、ご夫婦で「ぽん太」を立ち上げた。そのときは居酒屋ではなく食堂という営業スタイル。
生姜焼き、焼き魚、コロッケにホルモンと、当時は珍しかった日替わり定食を提供し、地元で評判に。時流もあり、今から25年ほどまえに居酒屋へ。
「うちは流行りの創作居酒屋とかじゃないから、出している料理は創業当時からお客さんに喜んで食べてもらってた家庭料理がほとんどではあるけど、コロナを機に子どもたちにお店を任せて、料理もお客さんの層も少し若返ったかもしれないですね。え? 店名の由来? ……それは話せば長いし、あんまり大っぴらにしたくないから、今度きてくれたときにでも、ゆっくり」
……女将さん、料理の腕前だけじゃなく、お客さんとの粋なキャッチボールも抜群にウマい。
営業時は常時8品ほどが並ぶ「おばんざい」が名物。
「長いことカウンター越しでお客さんと接していると、“今日はちょっと元気ないかも?”とか“何かいいことあったのかな”ってお客さんの様子が伝わってくるような気になるんです。だから、お客さんの気持ちに合った料理を勧めてみたり」
大皿に盛られた料理から小皿に取り分けて「はい、どうぞ」。かの日の懐かしい食卓のシーンのようで、心が緩む。
おばんざいをはじめとした、女将さんの真心がこもった“母の手料理”の数々はもちろん、創業当時からの定番「さがりのステーキ」も人気。素材の肉はもちろん、かつて単品での販売を検討したというジャポネソースが自慢だ。
「大きなレストランでシェフをやっていた友だちが地元の幼馴染のよしみで教えてくれたレシピで40年以上作り続けています。焼きそばにしても生姜焼きにしても、うちはソース類は全部お店で作るんだけど、このジャポネソースへのこだわりは他の比じゃないかな」
さまざまな野菜の旨みエキスが濃縮されたジャポネソースで味わうステーキは、その絶妙な焼き加減もさることながら、女将さんのこだわりとお店の歴史が伝わる深い味わい。そこに合わせるのは、当然、マルエフだ。
「うちのお客さんは家での晩酌のような感覚できてくれる方が多いんで、マルエフはほっとするような、何杯も飲みたくなるような定番の味が料理とも合うなと感じます」とは、現在、お店を切り盛りする息子さんの談。
サーバーの管理、注ぎ方は「基本にとにかく忠実に」を心がけているといい、奇をてらわないお店のスタイルや料理と、その味わいだけでなく在り方も共通点が多い。
「この町は、そこまで飲食店が多い場所ではないから、誰もが気軽に帰ってこられるこのお店をできる限り続けていきたいと思います」
女将さんのこの言葉を聞いて、お店に入ったときに「ただいま」と言いかけたことが間違っていなかったと実感できた。
あらためて──「ただいま」。
ぽん太
住所:福岡県福岡市南区野間1-5-3
TEL:092-541-1081
営業時間:18:00〜23:00
定休日:日曜 ※気まぐれ定休あり