アサヒビール

2010年 アサヒビール 決算説明会

長期ビジョンのマイルストーンとしての「中期経営計画2012」では、既存事業の収益性の向上を最優先課題として 取り組んでいます。

 

初年度の成果としては先ず、利益目標の達成につながった収益構造改革を着実に実行したということが挙げら れます。特に酒類事業では、製造原価や固定費の効率化などにより、計画を上回る増益を達成し、更に、スー パードライ発売以降初めて、ビール工場の統合を意思決定し、一層の生産性の向上にも着手致しました。 2つ目は、既存グループ事業の成長基盤の拡大です。飲料事業では、ハウス食品(株)から「六甲のおいしい水」 ブランドを譲り受け、ミネラルウォーターの成長基盤を強化致しました。更に12月には、カゴメ(株)から「六条麦茶」 のブランドを譲り受け、今年からは更に商品ラインナップを拡大いたします。
また、食品事業では、既存ブランドの成長に加えて、各社の製造能力の増強にも着手し、天然調味料事業などの 展開も含めて、次世代の成長基盤の整備を進めました。
3つ目は国際事業の収益基盤の強化です。一昨年に出資した青島ビールとの提携強化により、既存中国ビール 事業の黒字化に目処をつけ、同じく赤字事業であった韓国のヘテ飲料社を売却いたしました。
また、国際事業を赤字解消というレベルから“攻め”に転ずるべく、豪州での「P&Nビバレッジ」の買収や中国の 「頂新グループ」への資本参加などを進め、各事業で国際ネットワークの拡大に取り組みました。

 

課題としては、業績計画は達成できたものの、当社最大の強みである酒類事業において、広義のイノベーション が未だ不十分であると感じています。昨年は、スーパードライの新たな飲み方提案など、既存ブランドの育成で 一定の成果を挙げることができました。
しかしながら、新価値、新需要を創造するマーケティング、さらに、マーケティングだけではなく、開発から販売に 到るSCM全般にわたり、今後さらなる改革を進めていく必要があると認識しています。
課題の2つ目は、グループの事業基盤をさらに整備、拡大していく必要があるということです。国内飲料事業では、 継続して業界平均を上回る成長を果たしておりますが、業界としては依然として過当競争が続いており、適正な 利潤確保を目指した収益構造改革や将来の業界を見通した提携や再編が急務となっております。
また、事業展開が多岐にわたる食品事業では、各社が中核ブランドの育成で成果をあげておりますが、今後は グループ全体の事業規模を俯瞰しながら、将来の成長を牽引するような事業の選択と集中を進めていく必要が あります。
更に国際事業でも、赤字解消には目処が立った一方で、同じく将来の成長を支える基盤をさらに強化、拡大して いかなければなりません。

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