アルコールの化学式と分解
日本では、アルコールを1%以上含む飲料のことを「お酒」といいます。
アルコールにはエタノール(エチルアルコール)、メタノール(メチルアルコール)、プロパノール(プロピルアルコール)などがありますが、一般的にお酒として飲まれるのはエタノール(日本語の名称では、「酒精」ともいいます)です。
エタノールは体内に入ると、酵素の働きにより、最終的に水と二酸化炭素に分解されて、汗や尿、呼気から排出されます。
お酒がひき起こす作用は「アルコール」が原因
お酒は体に対してさまざまな作用をひき起こしますが、これらはお酒の成分である「アルコール」が原因です。アルコールは主に、胃や肝臓などの消化器、脳、血管などに影響を及ぼします。飲酒の量が適量であれば効用がありますが、過量になると、身体的にも、心理的にも、社会的にも悪影響をおよぼします。
酔いの程度は脳細胞へのアルコール浸透度によって決まる
アルコールは麻酔作用によって脳をマヒさせ、「酔った」状態を作ります。
酔いの程度は、脳内のアルコール濃度によって決まりますが、脳細胞のアルコール浸透度を測ることは不可能なので、かわりに血中のアルコール濃度を測って「酔い」の程度を判定します。(脳細胞のアルコール浸透度と血中アルコール濃度の数値はほぼ同程度を示すのでこの方法が可能です)。
血中アルコール濃度の計算式
酔いの程度を知るためには、体内(血液中)に吸収されたアルコールを表す「最高血中アルコール濃度」が有効です。体内における水分の割合は体重の3分の2なので、「最高血中アルコール濃度」は、次の計算式で算出することができます。
(ただし、体内のアルコールは一定速度で分解されていくため、この式が使えるのは一定量のお酒を空腹かまたはそれに近い状態で、しかも短時間(30分間)で飲んだ場合です)
最高血中アルコール濃度(%)=アルコールの摂取量÷体重の2/3×100
[アルコールの摂取量(g)=飲んだ分量(ml)×アルコール度数/100×0.8(アルコールの比重)]
お酒の適量を知る
お酒はその種類によって含まれるアルコール濃度が異なります。飲酒した量とアルコール度数を基に摂取したアルコール量に換算すると、飲酒量のコントロールに役立ちます。
個人差や環境によっても異なりますが、純アルコール量20g〜25g程度が「爽快期〜ほろ酔い」の目安であり「適量」であると覚えておくといいでしょう。
「爽快期〜ほろ酔い」に相当する酒量(純アルコール20g〜25g)
お酒の種類 | お酒の量 | アルコール度数 | 純アルコール量(約) |
---|---|---|---|
ビール | 500ml |
5% | 20g |
日本酒 | 1合 180ml |
15% | 21.6g |
ウイスキー | ダブル1杯 60ml |
43% | 20.6g |
ワイン | 小グラス1杯 200ml |
12% | 19.2g |
チューハイ | 350ml |
7% | 19.6g |
焼酎 | グラス半分 100ml |
25% | 20g |