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ぶどう畑通信

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20241

〜余市のぶどう畑から〜

写真1. 剪定を終えたケルナー。積雪は20p程度でまだぶどうは隠れていませんが、この後積雪が増えると雪の中に隠れ、ぶどう樹は雪というふとんにくるまれて眠りにつきます。
写真2. 剪定を終えた区画です。

新年あけましておめでとうございます。皆様には、健やかに新春を迎えられたことと、お慶び申し上げます。
2023年は我々がニッカ余市ヴィンヤードのぶどうを使って醸造したワインを、初めて市場にリリースした記念すべき年となりました。さらにこのワイン「エヌ・ワイ・ブイ余市ケルナー2022」はジャパン・ワイン・チャレンジというコンクールでシルバー賞を頂くことができました。これも畑の取得から開場、植栽から始まり、栽培管理、醸造、充填、運送、販売、さらには当社やこのワインを応援して下さった多くの方々の力が結集された結果だと思っています。本当にありがとうございました。今後はこのケルナーに引き続き他の品種のワインも発売していく予定です。是非こちらもよろしくお願いいたします。
これを書いているのは12月下旬ですが、畑では冬越しのための剪定作業に取り組んでいます。ぶどうは収穫を終えた後、葉がなくなってから剪定を始めます。その理由は翌年の生育を順調にスタートさせるため、貯蔵養分が葉から根の方にしっかり移動してから剪定を始める必要があるからです。そのシグナルが落葉です。余市では11月に落葉しますので、その時期から剪定を開始します。そして剪定作業は積雪が多くなる前にその剪定を終えないといけません。積雪が多くなる時期は例年12月末頃なのでそれまでの期間に14,000本あまりのぶどう樹の剪定を終える必要があります。ぶどう樹1本1本と向き合い翌年の樹形をイメージしながら、またきちんと収穫量を確保できる状況を想像しながら剪定していきます。雪が降る中での作業となることもありますが、意外と夢中になり没頭する作業です。
剪定作業を終えるとぶどうの樹を架線から外します。架線に固定したままですと雪の重みで架線が引っ張られ杭が倒れるためです。雪が多いことにより作業が増えますが、雪が重要な働きもします。積雪が多くなってくるとこのぶどうの樹は雪の中にすっぽりと隠れてしまいます。厳寒期には-15℃を下回る気温となることもあり、ぶどう樹に凍害が発生する恐れがありますが、雪の中の温度は最低でも-2〜3℃程度までしか下がりませんので、ぶどう樹は凍害のリスクもなく翌春と迎えることができます。雪深い余市ならではのユニークな冬越し方法です。
このぶどう樹と同じようにぶどう畑通信も春までお休みをいただきます。また4月に再開いたしますので、是非よろしくお願いいたします。

(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)

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