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ぶどう畑通信

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202310

〜余市のぶどう畑から〜

写真1. みんなで収穫。多くの方々の助けて頂きながら収穫を行っていきます。収穫は全て手摘みで、丁寧に行い、収穫時に腐敗果や未熟果があればこの段階で除去していきます。
写真2. 収穫したピノ・ノワールぶどう。ニッカ余市ヴィンヤード(NYV)と名入れしたコンテナに納めています。

他の多くの地域でも同様だったと思いますが、余市は9月に入ってもなお暑い日々が続きました。有効積算温度を見ると今年は秋分の日の時点で、すでに1,500℃を超えてしまいました。今まで、北海道は10月末までの有効積算気温が1,388℃以下のリージョンTに属していましたが、今年の天候は有効積算気温が高くて、ボルドーと同じリージョンUになりました。
今までも気温は年々上昇しているような印象はあったのですが、今年の猛暑は今までの傾向を打ち砕き、大きく突出した気候になりました。この高い気温がこのまま続くと当然ですが、ぶどうだけでなく、他の植物の栽培や動物の育成に大きな影響を与える恐れが出てきます。サスティナブルなワインぶどう造りのためにも、地球温暖化を防ぐために我々ができる対応を続けていかないといけないと切に感じています。
ところで今年のぶどうの成熟ですが、気温が高かったせいで、滴定酸度の低下スピードが速くなっています。一方、気温が高すぎたせいか糖度の上昇は比較的ゆっくりとしています。
今までとは異なるぶどうの生育ステージを見ながら、どの程度の糖度や酸度で収穫を行うか、悩む日々となっています。
さて、ニッカ余市ヴィンヤードの2023年の収穫は9月14日から9月17日にかけてスパークリングワイン用のピノ・ノワールの収穫から始めました。当日は快晴で、気温は高く収穫にはやや暑い気候でしたが、海に向かって吹き抜ける風が爽やかで、北海道らしい秋を感じました。
これからケルナー、ピノ・グリ、シャルドネ、スティルワイン用のピノ・ノワールと次々に収穫を行っていきます。今までと異なるこのような気候でもこれらのぶどうは順調に生育・成熟しています。先日、ケルナーの垣根の間を歩いていると、ダージリン紅茶のような華やかで甘いライチの香りが漂っていました。これで仕込むワインが楽しみです。

(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)

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