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ぶどう畑通信

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20239

〜余市のぶどう畑から〜

写真1. ピノ・ノワールが色づき始めました。着色は房の上部から順に進行していくのではなく、アトランダムに進んでいきます。
写真2. ケルナーもベレゾーンを迎え、実が柔らかくなり、果粒も透き通ってきました

先月号では今年の気温は近年で最も気温の高かった2021年に比べ7月24日時点で積算気温が10℃上回ったと記載しましたが、今月もその勢いは変わりません。というよりもさらに勢いを増しているようです。例えば8月24日までで最高気温が30℃を超えた日は2021年では11日でしたが、今年は17日もあります。2021年には7月下旬から気温の高い日が3週間ほど続きましたが、お盆前後からは気温が下がり最高気温が25℃に達しない日もたくさんあり、秋の気配を感じる事ができました。ところが今年はお盆を過ぎてもまだ30℃を超える日が続き、8月24日には今年最高となる34.0℃を記録しました。ここまでに気温の高い日がすでに4週間も継続しています。その結果2023年の有効積算気温は既に1,144℃となりました。なお2021年の有効積算気温は同時期で1,032℃です。
一方、7月までは最低気温が20℃を超える日は少なかったのですが、8月に入ると8月1日の最低気温が18.7℃を記録しましたが、それ以降8月24日まで連日最低気温が20℃を超えています。気温の日較差が大きい方がぶどうの糖度が上昇し、黒ぶどうの着色が進むのですが、最近は夜温が下がらず、気になる最近の気温です。
降水量は2021年より多めではありますが、極端に多いわけではなく、また干ばつ気味になることもないちょうど良い量で進んでいます。さらに防除もタイミングよくできているため病害の発生は少なくなっていますが、あまりにも気温が高く、また陽射しが強いので、ぶどうの実に委縮が見られるといった悪影響が出始めています。除葉をどうしようか、日々悩みながら作業をしています。
この先、気温が平年並みになってくれることを期待するばかりです。このような暑い中ぶどうは順調に生育しています。いままでのところ満開期やベレゾーンの時期は数日早くなっています。特に黒色ぶどうのピノ・ノワールは着色が始まっています。
このような気象条件ですので、今年の収穫は早くなるかもしれません。まだ暑く、体感的には“収穫”という感じはしませんが、そろそろ収穫の準備や仕込みの計画を立てる時期がやってきました。

(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)

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