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ぶどう畑通信
20236
〜余市のぶどう畑から〜
垣根の架線をもとに戻す作業も順調に終え、5月には寝かせていたぶどうの樹を所定の位置に復帰した架線に固定する作業を始めました。この時期にはカッコウの鳴き声が聞こえ始めます。ただ、今年は今までと違い初鳴きの後、しばらくカッコウの声が聞こえなくなりました。どうしたのでしょうね。しばらく気温が低かったせいでしょうか。
さて5月になると虫も発生してきます。この時期のぶどうに大きなダメージを与えるのがツマグロアオカスミカメです。この虫は新芽が開く前に芽の中に潜り込み、樹液を吸引します。樹液を吸引するためにこのカメムシは葉に穴を開け、その結果新芽が広がったときには葉には既に小さな穴がたくさん開いてしまい、ぶどうの生育に大きなダメージを与えます。それを防ぐために、ぶどうの葉が開く少し前と開いたすぐあとに殺虫剤を散布します。今月はこの作業を行いました。必要最小限の農薬を効率よく散布するための機械はいろいろありますが、当社では写真のような機械を使って農薬を撒いています。これは機械本体に農薬タンクが設置されていて、後部のファンが回転し、望む場所に農薬を届くように散布する優れものです。
枝の固定、農薬散布と並行して欠木した箇所の補植も行っています。雪のせいで折れたりして枯死した樹がどうしても出てきます。その箇所に新しい苗木を植え、期待通りの量のぶどうが毎年収穫できるように畑を維持していきます。
いよいよ5月も中旬になるとぶどうの芽が膨らんで(萌芽)きて、しばらくすると葉が開きます(展葉)。非常に柔らかく、見た目も弱々しく、実際少し触れただけでも芽がポロリと取れてしまいます。このような芽ですが夏には力強い枝となり、収穫期には大きなぶどうの実をたわわにつけてもそれに耐える力を持つようになります。それまで数か月の間、期待通りにぶどうが育つようにしっかりとぶどうと向き合っていきます。
(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)