「ニッカ・パーフェクト・サーヴ」とは
ヨーロッパを舞台に、2010年から続くニッカウヰスキー主催のバーテンダー・コンテスト。毎年、厳しい予選を勝ち上がった各国・各エリアの代表が頂点を目指して決勝を戦う。競い合うのは、大会スローガンである『Ichi-go Ichi-e - 一期一会』の心、そしてその心を実践するためのバーテンディング。ヨーロッパで日本のニッカウヰスキーが主催し、本物のサービスを追求するという、実にオリジナルなコンペティションである。
バチカンにほど近い会場にファイナリストが集結。
2016年11月28日、ローマのレストラン&バー『CHORUS café コーラス・カフェ』で、第7回「ニッカ・パーフェクト・サーヴ」のファイナルが開催された。会場となった店はバチカンと目と鼻の先。観光客で賑わうサン・ピエトロ寺院の参道沿いにある。スタイリッシュなレストラン&バーで、広々としたカウンターが印象的だ。
ファイナルには欧州各国を代表するトップバーテンダー10名が集結した。欧州を10ブロックに分けて予選を行い、厳しい審査を勝ち抜いた面々。開催地となるイタリアをはじめ、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、デンマーク、ポーランド、チェコと、バーテンダーの国籍は多岐にわたる。「World's 50 Best Bars」にランクインしているバーのヘッドバーテンダーなども含む錚々たる顔ぶれだ。
ジャッジは、チャールズ・シューマン氏、ピノ・ペローネ氏、ニッカウヰスキー海外担当のアサヒビール国際部、楫恵美子の3名。ミュンヘンに自身のバーを構えるシューマン氏は、過去のファイナルでも審査員を務め、「ニッカ・パーフェクト・サーヴ」ではお馴染みのひとり。圧倒的な存在感を誇る70歳を超えてなお現役のバーテンダーだ。ペローネ氏は、イタリア最大級のウイスキー展示会のひとつ「ローマ・ウイスキー・フェスティバル」の主催者。ローマでスピリッツ専門店も経営するウイスキーのスペシャリストである。
ファイナルは、課題のカクテルを作る「テクニカルテスト」、臨機応変な接客対応も試される「Omakaseコンテスト」の2ラウンド。どちらも、対象商品として「フロム・ザ・バレル」、「ニッカ カフェグレーン」、「ニッカ カフェモルト」、「シングルモルト余市」、「シングルモルト宮城峡」の5アイテムがピックアップされた。
ファイナル史上初の課題「スイーツとのマリアージュ」。
テクニカルテストの課題は、毎年変わり、いつも直前に明かされる。過去には、「マンハッタン」、「オールドファッション」、「ウイスキーサワー」といった基本的なウイスキーカクテルの完成度を問われるテストが多く、昨年は、ニッカウヰスキーに関する基本的な知識を問う筆記試験だった。
そして、今年発表されたのは、「ローマを代表するスイーツ“Maritozzo(マリトッツォ)” にあわせたカクテルの創作」。フードと合わせる初めての試みである。マリトッツォとは、コッペパンのような柔らかいパンにたっぷりの生クリームをはさんだもので、ローマでは朝食の定番として親しまれている。ファイナリストたちは、5種のウイスキーとテーブルに用意された副材料を使って、制限時間20分でカクテルを創作しなければならない。
まずはマリトッツォの試食からスタート。生クリームのなめらかな舌ざわりを楽しみながらも、頭の中でいくつかのレシピを思い描く表情は真剣そのものだ。限られた時間の中で試作を繰り返し、各々のベストの1杯が提出された。
ジャッジが判断するのは、カクテル自体の味わいだけでなく、マリトッツォと合わせたときに生まれる”第3の味わい”。 用意された副材料は、複数の甘味料、スパイス類、ビターズ、シトラスが中心で、 出来上がるカクテルは必然的にオールドファッションのアレンジというべきスタイルになる。しかし、ベースとなるウイスキー、甘みの種類、そこに何をプラスするかで仕上がりは千差万別だ。3人のジャッジにとっても、マリトッツォとカクテルを交互に口にしながら判断を下すという難しいテストとなった。
※商品のデザインは撮影当時のものです