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オープニングイベントにて行われた「マスターディスティラー スペシャルテイスティング」には、多くのジャック ダニエルファンが集結。ジャック ダニエルの7代目マスターディスティラー、ジェフ・アーネット氏とともにテイスティングを楽しみました。 まずは、ジャック ダニエルのこだわりの製造法を聞きながら、チャコール・メローイングをする前と、した後の原酒をテイスティング。ジャック ダニエルが誕生以来こだわり続ける、サトウカエデの木炭で原酒をろ過する「チャコール・メローイング」製法の驚くべき効果を実感。 「チャコール・メローイングをしていない原酒は、フレーバーの大半が喉の裏の方で感じられると思います。人間の舌は、甘味は先端で感じ、酸味は側面、苦みは奥の方で感じます。苦みを感じるから舌の奥の方が反応しているのです。チャコール・メローイングをしたものは、最初舌の上でピリリッと感じると思いますが、それが先端に動いていくのが分かると思います。苦みがなくなり甘味を感じている証拠です」とジェフ・アーネット氏。口に含むと、なるほどアーネット氏の言う通り。チャコール・メローイングのビフォーアフターで、まったく味も香りも違っています。ビフォーは香りも味も、とがったくせのある味。アフターは、雑味が抜け、まろやかな甘味を感じる。ジャック ダニエルが100年以上愛され続けている理由がよくわかります。
次に、「ジャック ダニエル ブラック」「ジェントルマンジャック」「ジャック ダニエル シングルバレル」の3種をテイスティング。同じ原料、同じ水からつくられているのに、これまた味と香りが全く違います。 「ジャック ダニエルは、熟成の年数を決めていません。テイスティングで味をみて判断します。樽ごとに熟成のスピードが違うからです。ウイスキーは温度が上がるほど、熟成は加速します。貯蔵庫においても、熱は上にあがる性質がありますから、積み上げた樽の上層部の方が熟成はすすみます。この上層部の樽から選んでボトリングしているのが『ジャック ダニエル シングルバレル』。ですから味が凝縮されていて、深くて、強い。『ジェントルマンジャック』は、熟成させた「ジャック ダニエル ブラックを、もう一度チャコール・メローイングして完成させます。つまり、世界で唯一、2回のチャコールメローイングをしたウイスキーなのです。ですから、とてもソフトで軽やかな味わいになります。 まずは、この『ジェントルマンジャック』から飲んでみてください。舌の真ん中から先端にかけて味を感じると思います。雑味がなく軽やかな甘味があります。次は『ジャック ダニエル シングルバレル』。香りがしっかりしています。口に含むと、舌の真ん中で感じてそれが奥の方に伝わっていく。複雑な味わいがありますが、そのバランスがいいのが特徴。クリーミーで大胆な味わいです。最後がおなじみの『ジャック ダニエル ブラック』。味は、大体舌の真ん中におさまるのではないでしょうか。天井というか、上側の方にピリピリとした余韻が残るかもしれません。舌の先と奥でバランスを取ろうとしているからです。つまり、バランスのとれたウイスキーということです。皆様は、どれが一番お好きですか? ウイスキーの好みは一人ひとり違います。誰もが同じ味を求めているわけではありません。ですから、さまざまなジャック ダニエルを提供しているのです」
実は、最後の「どれが一番お好きですか?」というアーネット氏の質問、3つのウイスキーそれぞれに票が分かれると思っていたのですが、参加者の多くが『ジャック ダニエル シングルバレル』に挙手されました。この店のためにアーネット氏が選んだ樽の完成度が、それだけ高かったということでしょう。 しかし、実際にテイスティングしてみると、3種のウイスキーの違いがよくわかります。すべてが同じ水、同じ原料、同じ樽からできているはずなのに、ろ過の回数や熟成の度合いで、これだけ味と香りが変わることに驚くとともに、ウイスキーづくりがいかに繊細な仕事であるかが感じられます。 「ジャック ダニエル リンチバーグ バレルハウス」で3種のテイスティングセットを頼めば、同じ体験ができます。まずは色合いを見て香りの違いを楽しみます。それから口に含みます。アーネット氏の言葉を思い出しながら、じっくりと味わえば、ブラインドテイスティング成功の確率も高くなるかもしれませんよ。