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瓶詰めのパテや缶詰のサーディン、ソーセージ、チーズ、そして香り高い焼きたてのパン。厳選された食材をそのまま提供する店のスタイルを、ずばり店名にしてしまったバーが「ラ・コンセルヴリー」だ。
実はこういったコンセプトの店は、ここ数年パリに増え続けている。食事は厳選された良いものを軽く食べるにとどめ、逆にカクテルと会話に重点をおいた夜の過ごし方が、現代のパリジャンたちのナイトライフには欠かせない選択肢となっている。
「良いものを良い状態で出す、という点では、ガストロノミー(美食レストラン)と同じです」と説明するのは、チーフバーマンのジョセフ・アカヴァン氏。先日行われた「ニッカ・パーフェクト・サーヴ2011」で、見事優勝した人物だ。
「ガストロノミーに求めるクオリティはそのままに、食のボリュームを軽くし、カジュアルに楽しめる店にしています。本格的な料理こそ出しませんが、そのかわり、すべての食材を徹底的に吟味しなくてはなりません。ドリンクもしかり。その証拠に、ここではモヒートを出していません」
モヒートは、まず間違いなく、パリで一番人気のカクテルだ。その稼ぎ頭を出さないバーが存在することに、はじめて訪れたゲストは面食らうかもしれない。
「でもまったく問題はありません。私がこの店のチーフバーマンを務めてから、つまりかれこれ2年間、ずっとこの方針で続けています。せっかくここに来てくれたお客さまには、他の店では注文しないカクテルを味わい、他の店では得られないひとときを楽しんでもらいたいのです」
なんと同じ理由から、コーラや流行りの強壮ドリンク、パリのカフェで定番の薬草酒のたぐいも置いていない。そのかわり、アカヴァン氏が惚れ込んだニッカのウイスキーが3種類、バックバーに並んでいる。シンプルに見えて、実はかなり個性的なバーなのだ。
ニッカ・パーフェクト・サーヴ2011 優勝者、ジョセフ・アカヴァン氏