*Firefox最新版をご利用のお客様へ* ページの背景画像が正しく表示されない場合、こちらをクリックお願いします。
ミラノで最もおいしいカクテルを飲ませる店として知られるバー「リタ」では、若いながらもミラノ随一のバーテンダーとして知られるファビオ・スピネッリ氏がガリアーノに関する興味深い蘊蓄を語ってくれた。
「ガリアーノはトスカーナにあるリヴォルノという港町で生まれたといわれています。港町出身のリキュールゆえにそこから出る外国船に乗って、世界各地に出荷されて広まっていったのではないでしょうか。現在でもガリアーノが世界的に有名なのはそのせいだと思います」
「ガリアーノはイタリアで生まれたにもかかわらず、決してイタリアっぽいとはいえない“ティキ・カクテル”(ポリネシアンテイストのカクテルカテゴリー)などに多く使われるのもそれが理由だと想像します。ミラノで代表的とされているのは“ハリケーン”と“ハーヴェイ・ウォールバンガー”ですが、これらのカクテルは世界的にもよく知られています。実際、当店でガリアーノベースのカクテルをオーダーされる方は、世界中を旅している方が多いようです」
おいしいカクテルを出さない店は続かないといわれ、意外にもカクテル通の多い街・ミラノ。そんな街でオープンして以来、人気店として知られる「リタ」だけに、この店には多くのカクテル通も通うが、ガリアーノはまさに“通”こそが飲みたがるリキュールだという。
「甘みが強いので、シロップの代わりとして使うことが多いですね。また香りがよくてアルコール度数がしっかりとあるので、バーテンダーにとっては非常におもしろい材料といえます。カクテル通や業界人といったプロが好んでオーダーするのも納得できますね」
ここミラノでは、ガリアーノはストレートやオンザロックで楽しむのが一般的だが、“通”はカクテルでオーダーする、ということのようだ。
●データ RITA リタ Via Fumagalli 1, Milano,Italy +39-02-8372865
ファビオ・スピネッリ氏
ハリケーン
ウオッカ、グアバジュース、 ガリアーノでつくった「イグアヴァ」。
バニラやアニスをベースにしたリキュールということもあってしばしばドルチェの材料として使われているガリアーノ。そのせいかイタリアではバールやパスティッチェリア(お菓子屋さん)に併設されたカフェなどでもよく見られる。当然のごとく、ミラノで最も有名なパスティッチェリアのひとつで、1847年創業の老舗「パスティッチェリア・ビッフィ」にもガリアーノは置かれていた。
「甘いリキュールなので、スイートワインのような感じで、ドルチェと一緒に楽しんだり、食後酒としてオーダーする人も多いですね。約30種のハーブが入っているので、消化を助けるために特に食後酒としてはぴったりかもしれません。甘くて薬草が効いているという特徴があるせいか、女性や年配の人に好まれる傾向があるようです」とはこの道一筋40年で、同店でチーフバールマンを務めるパオロ・トゥッラ氏。
「パスティッチェリア・ビッフィ」は165年近い歴史を持つ老舗で、特にイタリアの代表的なクリスマスのお菓子・パネトーネでその名を知られており、そのパネトーネをローマ法王に献上したこともあるという由緒ある店。現在はパスティッチェリアとしてだけでなく、シックなカフェ・レストランとしても名を馳せており、ここに集う顧客たちもエレガントな上級階級な人々が多い。そんな洗練された人たちが飲むお酒がガリアーノだというわけだ。
パオロ氏曰く、「ガリアーノはカクテルに使ってもいいし、ストレートやオンザロックでも楽しんでいただけます。カクテルの場合、イタリアでは“ハーベイ・ウォールバンガー”がガリアーノの代表カクテルとみなされているので、当店ではやはりこのカクテルのオーダーが最も多いですね。ストレートはドルチェと一緒にスイートワインのノリで、オンザロックならカナッペなどの軽いおつまみと一緒に飲むのもよいのではないでしょうか」
創業当時そのままのシックな店内で、ミラノ随一といわれる極上のドルチェと一緒に、老練のバールマンがサーブしてくれるガリアーノを飲むのは最高の粋だといえそうだ。
●データ PASTICCERIA BIFFI パスティッチェリア・ビッフィ Corso Magenta 87, Milano, Italy +39-02-48006072 http://www.biffipasticceria.it
ガリアーノにドルチェを合わせて しまうのが、本場イタリア流。
ハーヴェイ・ウォールバンガー