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ガリアーノといえば、まず思い浮かぶのが独特のボトルデザイン。これはイタリア・ローマ建築における柱(column)のデザインをモチーフにしている。「味わい」という建築を長きに渡りしっかりと支える、という意味が込められている。
そんなガリアーノが誕生したのは1896年。リキュールの輸入業を営む家に生まれ、自ら蒸留会社を経営していたアルトゥーロ・ヴァッカリが42歳の時に世に送り出した。ガリアーノという名前は、イタリア・エチオピア戦争などで活躍したマッジョーレ・ガリアーノ将軍に因んでいる。
30種類のハーブ&スパイスを使用し、健康にすこぶる良いとされたガリアーノは、時のイタリア国王やローマ法王レオ13世などにも献上され、イタリア国内で次第に評判を高めていく。
時を同じくして、ゴールドラッシュに沸くアメリカ中西部には、多くのイタリア移民が流れ込んだ。そのイタリア移民の健康を支え、強壮酒としてもてはやされたのが、ガリアーノであった。ガリアーノの美しいゴールデンカラーは、アメリカのゴールドラッシュを称えて造られたという説もあるほどだ。
ガリアーノはヴァニラやアニス、 ジュニパーベリー、 シナモンをメインフレーバーに30種の ハーブ&スパイスを原料としている。 現在はイタリアで蒸留され、 オランダでボトリングされている。
ガリアーノの生みの親、 アルトゥーロ・ヴァッカリ。
さて、ガリアーノ・カクテルの代表格として知られるのが、「ゴールデン・キャデラック」と「ハーヴェイ・ウォールバンガー」。ともにガリアーノが人気のアメリカ・カリフォルニアで生まれたカクテルだ。
「ゴールデン・キャデラック」は、1951年、カリフォルニア州エル・ドラドにある「Poor Red Bar」のフランク・クラインによってつくられた。エル・ドラドはスペイン語で「黄金郷」の意味で、まさにゴールドラッシュの中心地。キャデラックという名前には、車のキャデラックにひっかけて、「最上級」という意味が込められている。
一方「ハーヴェイ・ウォールバンガー」は、1952年、ロサンジェルス「Blackwatch Bar」のドナート・デューク・アントンによってつくられた。諸説あるものの、マンハッタンビーチのサーファーであるハーヴェイという男が、スクリュードライバーにガリアーノをフロートさせたカクテルを頼み、酔っぱらって壁に頭を思いっきり打ちつけた(=wallbanger)ことから、この名がついたとされている。
このような歴史的背景も手伝って、ガリアーノはイタリアン・リキュールの代名詞的存在として、現在もアメリカ西海岸を中心に不動の人気を博しているのだ。
ゴールデン・キャデラック
ハーヴェイ・ウォールバンガー