続いては、お待ちかねの、五感をフルに使って楽しむコーナーへ。
「味は舌で感じるように思われがちですが、実はその90%以上は香りによって決まるんです」とは、先ほどの女性スタッフの弁。「SMELL」のコーナーでは、36種類のアロマが香水ボトルにセットされている。
それぞれの香りを嗅ぎながら、その香りがなにかを当てていく。「これはバナナ」と思ったらピーチだったり、「イチゴ」と思ったらアプリコットだったり、自分の嗅覚がいかに不確かなものかを思い知らされる。女性スタッフ曰く「プロのバーテンダーや料理人も、そんなに当たらない」とのことだ。
そのほか、ボルスリキュールに使用する数十種類の原料を実際に触ってみたり、匂いを嗅いでみたり……。はたまた、エレクトロ・ハウスが鳴り響く部屋で、オリジナルのビデオクリップ映像に包まれてみたり、「フレア・ブース」で自らのフレアバーテンディングのビデオ撮影をしてみたり……。とにかく、五感をフルに稼働させる知的なアトラクションが続いていく。
最後は、周囲を鏡に囲まれた通称「ミラーバー」へ。バーに入る前に、コンピュータに自分の好みを入力し、オーダーメイド・レシピをプリントアウト。このレシピを持ってカウンターに行けば、バーマンがオーダーメイドカクテルをつくってくれる。そのカクテルを、改めて「見て、匂いを嗅いで、味わって」みる。ここで味に作用する感覚のあり方を再認識するのだ。
といっても、難しく考える必要はない。まずは感じて、最終的にはエンジョイすること。それが、ボルスがもたらす最高のエクスペリエンス(体験)なのだから……。
ちなみに、House of Bols内には、ショップも併設されている。ボルスオリジナルのバーテンディングキットはもちろん、ロゴ入りアイテム、レシピブック、CD、日本未発売の商品などが販売されている。なかには、ダイヤモンドをあしらった400万円相当のボストンシェイカーなんてモノも! とにかくカクテルフリークにはたまらない空間だ。
五感で体感する世界初のカクテルミュージアム、House of Bols。
その斬新なコンセプトとスタイリッシュな空間が評価され、同施設は有名なダッチデザインアワードの「the Best Exhibition& Experience賞」を受賞している。House of Bolsはバーテンダーやカクテル好きはもちろん、一般のツーリストにとっても人気のアトラクション。アムステルダムを訪れたなら、House of Bolsにぜひ足を運んでほしい。そして自らの五感でボルスワールドを体感してほしい。