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世界のバーへの招待【アムステルダム編】 オランダで唯一のSpeakeasy。ボルス・アラウンド・ザ・ワールドチャンピオンのバーへ。カクテルカルチャーが未成熟なオランダ・アムステルダムで、ゲストの95%以上がカクテルをオーダーするというバーがある。ボルス・アラウンド・ザ・ワールド優勝者も在籍する、知る人ぞ知る名物バーを訪れた。Door 74 in Amsterdam

アムステルダムの中心、ムント広場のすぐそば。 バーやレストランが密集するエリアに、完全予約制のバーがある。 看板もネオンサインもない、オランダ唯一のSpeakeasyバーへ。

オランダ唯一のSpeakeasyバー「Door 74」
MONTHLY SPECIAL ISSUE 1
● あるのは、黒いドアのみ。

オランダ・アムステルダムの有名バー「Door 74」のウェブサイトにアクセスすると、黒バックの画面に電話番号だけが表示される。店名も、住所も、もちろんメニューもない。ゲストは、必ず電話で予約をしてから、バーに出向くことになる。

教えられた住所を頼りに「Door 74」に向かっても、今度は看板もネオンサインもない。店名が示す74番地には、黒いドアがあるだけ。住所は間違いない。でもこのドアの向こうに、バーがあるとはとても思えない。恐る恐るドアベルを鳴らすと、黒いベルベットカーテンの奥に、これまた黒いシックなカウンターバーが待ち構えていた。

はじめてのゲストには少々気後れしてしまいそうなシチュエーションだが、「Door 74」のサービスは至ってフレンドリーだ。チャージ料金もなく、一見さんお断りの気取った感じもない。ゲストに求められるのは「紳士淑女として振る舞うこと」のみ。なにやら、おいしいカクテルにありつけそうな雰囲気がぷんぷん漂っている。

冒頭で「有名バー」と紹介したが、正確にはそれほど有名ではない。有名なのは、あくまでカクテル好きにとっての話。聞けば、ゲストの95%以上はカクテルをオーダーするという。これはビール大国のオランダでは驚くべき数字。オランダには真っ当なカクテルを出すバーが少ないからこそ、カクテル好きは噂を聞きつけて「Door 74」に集まってくるのだ。

オープンは2008年。アムステルダムの人気バー「Feijoa」の姉妹店として開業した。「Feijoa」がフルーツカクテルというスタイルを確立したため、「Door 74」ではSpeakeasy、いわゆる「もぐり酒場」スタイルを採用した。世界的に流行っているSpeakeasyのバーだが、オランダでは「Door 74」が初めてにして唯一とのことだ。

ボルス・アラウンド・ザ・ワールドの優勝者ティヴォ氏

ボルス・アラウンド・ザ・ワールドの
優勝者ティヴォ氏

黒いシックなカウンターバー
カクテル好きは噂を聞きつけて「Door 74」に集まってくる
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