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パリジャン&パリジェンヌといえば、老いも若きもナイトライフを愛するもの。世代やライフスタイルもさまざまな人たちが、自分にふさわしい贔屓のアドレスリストを持っている。そんななかで、30代のヤングエグゼクティヴ層に好まれているのが、Speakeasyスタイルのバー。Speakeasyとは、禁酒法時代のアメリカで流行った、いわゆる「もぐり酒場」のこと。現代に蘇ったSpeakeasyは、「知る人ぞ知る」隠れ家的雰囲気がありながら、サービスはいたってフレンドリーなのが特徴といえる。
ここ「キュリオ・パーラー」もそんな1軒。表には目に付く看板もなく、飛び込みのゲストが来るようなことはまずない。店内はキャンドルのやわらかな光に包まれ、壁のところどころにキツネや孔雀の剥製が飾られている。まるで知人の書斎にでも招かれたような、くつろぎの空間がゲストを出迎える。オリジナルカクテルで人気の「キュリオ・パーラー」だが、もうひとつ「パリではここだけ!」という大きな売りがある。それはジャパニーズウイスキーのニッカを集めた特別なスペースを地下に備えていること。狭い階段を下りてゆくと(これも隠れ家的要素!)、眼下に穴蔵のようなバーが出現する。その名も「ル・ニッカ・バー」だ。
「オープン前に日本を旅行し、東京のバーを何軒も視察しました。そこで気づいたのは、東京のバーは地下にあることが多いということ。せっかく日本のウイスキーのバーを開くのですから、雰囲気も東京風に徹したい。そんな思いから、現在のスタイルを採用しました」と語るのは、オーナーのロメ・ドゥ・ゴリエノフ氏。同店では「フロム・ザ・バレル」「宮城峡」「余市」「竹鶴」など、ニッカ商品45種類をラインアップ。人気の「フロム・ザ・バレル」をベースにしたカクテルもリスティングし、そのレシピは15種類以上におよぶ。