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キット・カクテルの1種「PACIFIC SOUVENIR」。 カミュVSOP、パイナップルジュース、ピニャコラー ダ・シロップなどを使用。
「カフェ・リュミエール」のメニューを見てみると、キット・カクテルだけで9種類ものメニューがリスティングされていた。 「キット・カクテルというのは、カクテルの名前ではなく、カクテルのコンセプトのことです」と語るのは、シェフ・バーマンのクリストフ・シモン氏。では、そのコンセプトとは何なのかを尋ねると、シモン氏はおもむろにカクテルをつくり始めた。目の前に出されたトレーの上には、白い煙がもくもくとわき出すガラスボウル。そこに立て掛けられるのは怪しげな3本の試験管グラス、そして奥にはシェイカーも用意されている。白い煙からはほのかに甘い香りも漂ってくる。 「どうです? 面白いでしょう?」と得意げなシモン氏。聞けば、試験管グラスには予め計量されたアルコールや材料類が入っていて、それをゲスト自らがシェイカーに移しシェイクするのだという。もちろん詳しいつくり方はバーマンが懇切丁寧にフォロー。このゲストとのやりとりこそが、キット・カクテルの醍醐味とのことだ。 「バーマンはゲストに完成したカクテルを提供するのが仕事です。ただし、それですと関係性が一方通行になってしまいます。もっとインタラクティブに、コミュニケイティブに、ゲストとバーマンとの関係性自体も提供したい、と思い立ってキット・カクテルを開発しました」 まずは白い煙でサプライズ。次にそれぞれのカクテルに合わせたシロップやリキュールを煙に忍ばせることで、香りのプレゼンテーション。さらにゲストのカクテルづくりをフォローすることで、必然的にコミュニケーションが生まれる。 「おいしいカクテルをクリエイトすることもバーマンの仕事ですが、驚きや楽しさ、リラックスした雰囲気をクリエイトするのもバーマンの仕事です。キット・カクテルにはそういう想いを込めています」 キット・カクテルをオーダーしたゲストは皆、驚き、少し困惑し、最後には必ず笑顔になるという。高級ホテルのバーらしからぬ、チャーミングなアプローチ法。近い将来、日本のバーでも流行るかもしれない。
キット・カクテルの1種 「OCEANE GINGER」。 ウオッカをベースに、ボルスブルー、 ジンジャーエール、生のショウガなど を使用。
エディブル・フラワーでデコレート したシャンパーニュ・カクテル 「Kir au Fleur」。
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