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MONTHLY SPECIAL ISSUE
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Kenji Otsuki talks about Gin & Tonic
それぞれのバーテンダーの個性が集約されるジントニック。大槻氏が試行錯誤の末にたどり着いたジントニックを、本人の解説を交えて、実際につくっていただいた。
MONTHLY SPECIAL ISSUE 2

 ジントニックは「スターター」あるいは「とりあえずの1杯」と捉えられがちですが、私は1杯で完結するカクテルだと考えています。スターターとしてはもちろんですが、食後に飲んでも構わないし、ある意味ジントニック1杯で満足して帰っていただいても構いません。ですからウチの場合は、量も多いですし、飲み飽きることがないようバランスに重点を置いています。
 1杯でも満足していただけるように、グラスは15オンスの大ぶりなタンブラーグラスを使用しています。氷も大ぶりなものを4〜5個選びます。お客さまの鼻の下でジントニックの爽快な香りがふわっと弾けるように、氷選びには細心の注意を払っています。ジンもおそらくは他の店よりも多い45mlをきっちりと入れます。もちろんジンは冷凍庫で冷やしたものです。

バーテンダー 大槻健二氏

 次に絞ったライムジュース(果汁)を注ぎます。ライムの量に関しては、その日のライムの状態や天気などによって変えています。ライムで酸味を出すのではなく、ジンとトニックウォーターの甘さを適度に中和するようなバランスを心がけています。それからウチでは、ライムの皮は入れません。ライムの皮を入れると、最後のほうに皮の脂やエグ味が出てくるからです。ジントニックは1杯で満足していただけるロングスタイルドリンクですから、時間をかけてゆっくりと楽しんでいただきたい。ですから味の変質を招くような材料を入れたくはないんです。
 ジンとライムジュースを入れた時点でしっかりとステアし、両者を完全に馴染ませておきます。最後にトニックウォーターでグラスを満たし、もう一度4〜5回しっかりとステアします。軽くステアするだけのスタイルもありますが、きっちりと混ぜることで氷が早く溶けることを防げますし、それでいて炭酸を飛ばさないようにするのがプロのテクニックです。
 先ほども申し上げましたが、これはウチのスタイルで、ジントニックの正解というわけではありません。シンプルなカクテルだからこそ、微妙なレシピの違いやそれぞれのバーのこだわりが、ジントニックの味わいに大きな影響をもたらします。そういったバーごとの味わいの違いを楽しむのも、ジントニックの楽しみ方のひとつだと思います。

※商品のデザインは撮影当時のものです

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