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平成16年1月7日

アサヒビール 2004年酒類事業方針
“総合酒類トップ企業としての更なる成長”を追求
各カテゴリーにおいてトップもしくはそれに次ぐ存在感を醸成
アサヒビール株式会社

 アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 池田弘一)は、2004年を総合酒類事業の新ステージと位置づけ、“総合酒類トップ企業としての更なる成長”を追求してきます。
 「成長と効率」、「お客様からの信頼」、「社会からの信頼」を柱とした事業経営を進め、お客様の信頼に最もお応えすることができる企業ブランドを築いていきます。

2003年の総括

■業界全体の状況
 2003年の酒類マーケット全体は、長引く景気低迷や増税の影響などにより、総需要は厳しい状況が続き、数量ベースでは2年連続の減少となった模様です。
 酒類マーケットの中核となるビール・発泡酒市場においては、増税や冷夏の影響で発泡酒市場が初の減少となり、ビール・発泡酒総市場も2年連続の減少となった模様です。
 酒類マーケットの成長市場としては、低アルコール飲料市場と焼酎市場がお客様の嗜好の多様化に伴い、着実に市場拡大を果たしました。

■アサヒビールの状況
 アサヒビール(株)は、2002年に基盤を整えた総合酒類体制をもとに、“魅力づくり”の年とすることを目標に臨み、各カテゴリーにおいて、中核ブランドと位置づけたブランドで成果を着実に上げることができました。
 ビール・発泡酒市場においては、業界全体のビール・発泡酒の年間販売数量が2年連続の減少となる中、アサヒビール(株)の販売数量は、ビールが1億4980万箱(前年比92.2%)、発泡酒が5420万箱(前年比115.3%)、ビール・発泡酒合計で2億400万箱(前年比前年比97.4%)となりました。
 中核ブランドである『アサヒスーパードライ』は、販売数量が減少となったものの、低迷が続くビール市場において、前年比で業界平均を上回り、着実にブランドの存在感を高めることができました。
 発泡酒市場においては、本生ブランドの育成・強化戦略を進め、7月に発売した『アサヒ本生アクアブルー』が牽引役となり、発泡酒の販売数量は業界最大の2ケタ増を達成することができました。
 成長市場(低アルコール飲料、焼酎)における存在感の拡大という課題に対しては、2002年に販売権を取得し、中核ブランドとして位置づけた商品の育成が進みました。
 特に低アルコール市場については、協和発酵工業(株)から引き継いだ『アサヒカクテルパートナー』が前年実績の3倍強の成長を果たし、低アルコール飲料の上位ブランドに躍進することができました。また、旭化成(株)からの『アサヒ旬果搾り』も前年比で約1.8倍の成長を果たすことができました。
 焼酎についても中核ブランド『大五郎』、『かのか』はともに前年比で2ケタの増加を果たし、そば焼酎『玄庵』などの本格焼酎のラインアップの拡充も進めることができました。

2004年 アサヒビールの酒類事業方針

 酒類マーケット全体で見ても総需要が飛躍的な成長を期待できない中、ビール・発泡酒市場は、冷夏の裏返しで多少プラスの要因は期待できるものの、微減となることを想定しています。ビール市場は減少幅が縮小し6%程度の減少、発泡酒市場は6%程度の増加を見込んでいます。低アルコール飲料および焼酎市場は、お客様の嗜好の多様化などを反映し、引き続き安定的な成長を確保し、ワイン市場は前年並み、洋酒市場については減少幅が縮小すると想定しています。
 一方で、お客様の嗜好の多様化によるカテゴリー間、ブランド間の競争の激化や酒類小売免許の規制緩和に伴う売場の変化により、ブランド力、販売力の重要性がますます高まっていくと考えています。

 このような市場環境の中で、アサヒビール(株)は、総合酒類事業の基盤づくりを果たした2002年、M&Aで取得したブランドを引継ぎ、育成することを主眼に取り組んできた 2003年、これらの成果を踏まえ、2004年を総合酒類事業の新ステージと位置づけ、“総合酒類トップ企業としての更なる成長”を追求していきます。
 売上規模では業界最大となる総合酒類事業を進めていく上で、各カテゴリーにおいて、トップもしくはそれに次ぐ存在感を醸成していきます。中核ブランドの高付加価値化を通じた強化・拡大を図ると同時に、ニッカウヰスキー(株)や旭化成(株)、協和発酵工業(株)からのノウハウやアサヒ飲料(株)を含めたアサヒビールグループの総合力を結集して、お客様に感動いただける革新的な商品・サービスを提供していきます。アサヒビール(株)は、お客様の感動を追求していくために、単に品質面の物理的満足だけではなく、飲用シーンや商品イメージなどから由来する心理的満足もあわせてお客様満足を徹底追求していきます。
 総合酒類トップ企業としての更なる成長を追求していく一方で、各カテゴリー・ブランドにおいて、継続的な成長および競争力を支える利益を創出する構造改革を図っていきます。  

2004年 カテゴリー・ブランド戦略

■ビール
 市場定番ブランドである『アサヒスーパードライ』をフラッグシップとして、お客様にとって魅力溢れる新提案を展開し、ビール市場の活性化を目指していきます。
 『アサヒスーパードライ』については、ブランドポテンシャルを最大限に発揮させることを目指し、家庭用・業務用それぞれの市場に対して、きめ細かい業態別の商品販促施策を展開していきます。
 ビールの新提案については、従来型のマスマーケティング発想だけではなく、ビールの魅力を発見・再認識いただけるような新発想のマーケティングを展開していきます。消費者参加型の開発手法で生まれた飲食店向けの戦略新商品『アサヒプレミアム生ビール 熟撰』はその第一弾の商品となります。

■発泡酒
 
市場全体の成長が一服し、ブランド淘汰が加速する中で、市場定番ブランドに育った本生ブランドのさらなる強化とともに、発泡酒ならではの革新的な新商品を続々ご提案していきます。
 『アサヒ本生』と『アサヒ本生アクアブルー』を発泡酒の最重点ブランドと位置づけ、これに続き本生エクステンション戦略の第二弾となる新発想の新商品を最盛期までに発売します。

 ビール、発泡酒ともに鮮度施策を徹底し、市場品質のさらなる向上を目指していきます。中核ブランド『アサヒスーパードライ』、『アサヒ本生』、『アサヒ本生アクアブルー』の製造から出荷までの日数短縮などを通じて鮮度品質における優位性確立を目指します。

【 2004年ビール・発泡酒市場の目標 】
単位:千箱
 
2004年目標
前年比(%)
2003年実績
前年比(%)
ビール
141,500
94.5
149,800
92.2
 スーパードライ
138,500
94.5
146,600
91.9
 熟撰
500
-
-
-
発泡酒
63,500
117.2
54,200
115.3
 本生
33,500
89.1
37,600
80
 アクアブルー
25,000
218.3
11,450
-
合 計
205,000
100.5
204,000
97.4
 ビール・発泡酒以外のカテゴリーにおいて、アサヒビール(株)はグループ力を結集して革新的な新提案を実践し、カテゴリーで合計売上高1500億円、売上高前年比で2割強の増加を目指していきます。

■低アルコール飲料
 
『アサヒカクテルパートナー』と『アサヒ旬果搾り』を市場定番に育成・強化し、低アルコール飲料市場の新ジャンル確立を目標に、2ブランドの個性をさらに明確化していきます。フレーバー品種拡大をはじめとして、お客様にとって新しい価値観を持ったエクステンション商品も最盛期までに展開します。
 M&Aなどで強化拡充してきた新商品開発体制やグループ力を活かし、現在の低アルコール飲料市場の嗜好の中心に向けたアサヒブランドでの戦略新商品を最盛期までに発売します。
 こうした取り組みを通じて、低アルコール飲料販売では、金額ベースで前年比5割強の増加を目指します。

■焼 酎
 一般的には東日本は甲類焼酎市場、西日本は乙類焼酎市場と言われてきましたが、乙類焼酎が首都圏などの都心部で伸長するなどの変化が顕在化しています。このような消費の変化を見据えながら、エリア毎、業態毎に重点拡販商品を設定のうえ、柔軟なマーケティング戦略を展開していきます。
 甲類焼酎については、市場定番ブランドである『大五郎』のさらなる育成を進めながら、業務用市場向けにアサヒビール(株)、ニッカウヰスキー(株)の開発技術に加え、旭化成(株)、協和発酵工業(株)の酒類部門から受け継いだ技術を結集した新発想のご提案を展開していきます。
 乙類焼酎については、『かのか』、『一番札』をはじめとする既存ブランドに加え、新商品などの新しい提案も含め、乙類焼酎でのブランド確立を図っていきます。
 2003年のそば焼酎『玄庵』に続き、芋焼酎をはじめとした本格焼酎のアサヒブランドのラインアップを強化し、多様化する飲食店のニーズにお応えしていきます。
 こうした取り組みを通じて、焼酎販売では、金額ベースで前年比1割強の増加を目指します。

■洋 酒
 2004年は、ニッカウヰスキー(株)の創立70周年という記念すべき年であり、日本でニッカウヰスキー(株)が長年培ってきたウイスキー文化などを伝え、ウイスキーとお客様の接点の拡大や“品質のニッカ”イメージの更なる強化を果たしていきます。
 『ブラックニッカ・クリアブレンド』、『竹鶴』、『ジム・ビーム』、『レミーマルタン』を中核ブランドと位置づけ、家庭用市場と業務用市場のセグメントを明確化した商品・営業戦略を継続展開していきます。また、本年から販売権を取得した世界的な有力リキュールブランド『ボルス』を中核として、拡大するカクテル市場にオリジナリティー溢れるご提案を展開していきます。
 こうした取り組みを通じて、洋酒販売では、金額ベースで前年比約8%の増加を目指します。

■ワイン
 サントネージュブランド、マキシアムブランド、ロバート・モンダヴィとの『カリテラ』、『キララ』ブランドなど国産から輸入まで業界でトップクラスとなる品揃えを活かし、総合ワイン商としての確固たる地位を確立していきます。
  家庭用量販市場に向けて、低価格輸入ワインの大型新商品を発売し、量販店市場を中心にアサヒビールのワインブランドの認知を高めていきます。
 こうした取り組みを通じて、ワイン販売では、金額ベースで前年比約2割の増加を目指します。

■営業戦略
<量販業態への提案力強化>

 2003年12月に店頭フォロー専門会社であるスマイルサポート(株)をアサヒフィールドマーケティング(株)へ社名変更しました。社名変更とともに業界最大規模のマーケットスタッフ1500名体制に、アサヒビール(株)の全国のフィールドスタッフ200名と首都圏本部、近畿圏本部、中部地区本部の量販店の店舗営業担当者100名を新たに加え、店頭営業人員を総勢1800名体制と大幅拡充しました。また、店頭における企画立案機能も強化するためにアサヒフィールドマーケティング(株)の企画部門の人員も拡充しました。
 今後ますます重要となってくる量販業態に対し、アサヒビール(株)の本部商談機能とアサヒフィールドマーケティング(株)の店舗商談を含む店頭構築機能との役割の明確化とそれぞれの強化を図り、スピード化・多様化・複雑化する市場の変化に柔軟に対応していきます。

<業務用市場への提案力強化>
 総合酒類事業推進にあたり、量販業態についで今後も重要となる業務用市場における提案力強化を図っていきます。2003年9月の組織改定において、営業推進本部に外食・法人向け販促企画立案機能などを加え、組織を再編強化し市場開発本部を新設しました。
 ビール新商品『アサヒプレミアム生ビール 熟撰』などの飲食店向け戦略商品の投入や、世界有力リキュール『ボルス』の販売開始など商品面での飲食店施策を拡充しながら、市場開発本部を中心とした飲食店向け販促施策を積極展開していきます。



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