平成16年1月5日 |
中国最大手の食品事業グループ・ 康師傅(カンシーフー)控股有限公司と、飲料事業の合弁設立 中国で有数の清涼飲料会社に、経営参加 |
アサヒビール株式会社 伊藤忠商事株式会社 |
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 池田弘一)と伊藤忠商事株式会社(本社 東京、社長 丹羽宇一郎)は、中国最大手の食品事業グループである康師傅控股有限公司 [本部 中国・天津市、董事長 魏應州、英文名称:TINGYI (CAYMAN ISLANDS) HOLDING CORPORATION]と中国における清涼飲料事業合弁会社を設立することで合意し、12月27日、契約を締結しました。 アサヒビール(株)では、アジア、北米、欧州でビール・飲料を中心とした海外事業を展開しています。 2001年からは、中国を中心としたアジアを重点地域として、海外事業を将来の収益の柱のひとつとして育成するため、積極的な事業展開を行っています。すでに5つのビール会社に出資・経営参加する中国でのビール事業においては、2004年にそのひとつである北京?酒朝日有限公司の新工場が竣工・稼動を開始する予定です。今回の「康師傅飲品控股有限公司」への経営参加は、こうしたビール事業に加え、中国での清涼飲料事業を劇的に拡大・強化して、アサヒビール(株)の中国事業を新たなステージに押し上げるととともに、アサヒビール(株)の海外事業の事業基盤を大きく発展させるものとなります。 伊藤忠商事(株)は、中期経営計画「 Super A&P-2004」において「生活消費関連分野」を中心として中国ビジネスを強化していきます。重点施策の一環として、康師傅控股有限公司の親会社である頂新国際集団とは包括提携契約を交わし、コンビニエンスストア事業、外食事業においてはすでに共同の取り組みを行っています。加えて、今回の「康師傅飲品控股有限公司」への経営参加は、重点施策をさらに具体化した取り組みとなります。清涼飲料事業への参加は、飲料原料、包装資材の供給、物流、康師傅の販売チャネルを利用した小売分野での提携など、様々な分野への大きな波及効果をもたらし、中国におけるSIS戦略(垂直統合戦略)をさらに加速させることになります。 康師傅控股有限公司は、香港上場の中国有数の食品事業グループです。中国でシェア 1位である即席めんをはじめ、清涼飲料、菓子などの事業を行っており、2002年12月期の総売上高は11億米ドル(約1,200億円)です。今回、本体から切り離され合弁事業に移行する清涼飲料部門は、2002年の売上高が3億58百万米ドル(約400億円)、中国飲料市場でのシェアが4位、さらに茶系飲料ではカテゴリー・シェア1位 、 果汁飲料ではシェア 2位 (※2) を誇っています。飲料部門の生産拠点は 13工場、営業拠点は30支社・147営業所と中国全土にわたる生産・販売網を有し、「康師傅」ブランドを主力とするその商品群は、全土1,200以上の都市で販売されています。 中国の清涼飲料市場は、国内の経済発展・生活水準の向上にともない、高い成長を続けており、 2002年の市場規模は消費量で2,000万キロリットル弱、販売金額で約1,170億元(約1兆7,550億円)にまで拡大しました。消費量は、90年代後半から年平均で前年比15%以上の成長を続け、2002年には6年前の1997年と比べて2倍以上の規模となっており、総市場は今後も高成長が続くものとみられています。カテゴリー別では、市場の約3割を占めるボトルウォーター、25%程度の炭酸飲料に続き、近年急成長している茶系飲料が2002年には2割弱を占めるまでになりました。中国においても、健康志向の高まり等から茶系飲料、果汁飲料などの非炭酸飲料カテゴリーは今後も高い成長が見込まれています。さらに、市場の拡大にあわせ清涼飲料の多様化が進み、現在のボトルウォーター、炭酸飲料、茶系飲料、果汁飲料という4大カテゴリーに加え、今後は機能性飲料、コーヒー飲料が成長するとされています。 今回の合意は、中国の清涼飲料市場が急成長する一方、競争の拡大も予想される中で、いっそうの事業拡大を目指すため、特に生産技術や研究開発、マーケティング面で協力を得られる戦略的パートナーを求めた康師傅控股有限公司と、中国市場を海外事業展開の最重点市場とし、清涼飲料事業においても中国での事業基盤の拡大を検討していたアサヒビール(株)、すでに中国 SIS戦略を推進し川上・川中・川下の各分野に幅広いネットワークを持ち、中国の消費市場へ一層の深耕を求める伊藤忠商事(株)の3社の考えが一致したものです。 より具体的には、 3社は、康師傅控股有限公司の中国全土にわたる強力な生産・販売体制、拡大する中国加工食品市場で業容を急成長させた優れた経営体制に加え、アサヒビール・グループの有する飲料事業のノウハウ、伊藤忠商事(株)の商流全般にわたる幅広いネットワークを結集し、中国の飲料市場で圧倒的な競争力を発揮することを目指します。商品面では、新会社は、高いシェアを有する茶系飲料や果汁飲料、ボトルウォーターなどの既存商品に加え、機能性飲料やコーヒー類など今後拡大の予想されるカテゴリーに積極的な商品開発を進めることで、総合清涼飲料メーカーとして、市場の成長を上回る販売拡大を目指します。新たに商品投入する分野では、アサヒブランドを導入することも検討します。 (※ 1) Euromonitor社調べ、'The Market for Soft Drinks in China 2003'より |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|