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ぶどう畑通信

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20245

〜余市のぶどう畑から〜

写真1. 畑の周囲にはカタクリの花がきれいに咲きだしました。
写真2. 枝上げ作業の様子です。枝上げに限らず多くの作業がこのように人手でぶどう樹一本ずつ行っていきます。

4月になり畑の雪もほぼ解け、畑に入って作業ができるようになりました。ニッカ余市ヴィンヤード社の畑では今年最初の作業となる枝上げの作業を行っています。ぶどうの樹は冬の間、雪の重さや厳しい冬の寒さに負けないように、架線に固定していた樹を架線から外して地面に降ろし、雪に埋もれるようにしています。枝上げとは春になって雪解けした地面からぶどうの樹を起こして、架線に固定する作業の事です。これからいよいよぶどうの1年のサイクルがスタートします。今年はどのようなお天気になるのか、期待と不安が入り交じった気持ちで枝上げの作業を進めています。
そのような余市の気象ですが、4月の中旬には最高気温が20℃を超える日が4日も続きました。4月に最高気温が20℃を超えた日は2023年はゼロでした。また2022年には3日間ありましたが、連続したのは2日間だけでした。今年のように畑で作業をしていて暑いと感じる日はこれほどなかったような気がします。今年も昨年のような猛暑のシーズンになるのかと身構えましたが、その後は一転し、肌寒い日が続いています。このように天候が日々変わりながら夏に向かっていきます。
春になると畑の周りにも変化が訪れます。まずキツツキのドラミングが聞こえだし、そのあと初音が聞こえました。昨年は4月27日に初めてウグイスの声が聞こえましたが、今年は昨年より8日早い4月19日でした。当社の畑で私が確認しただけのデータなので、正式なところではありませんが、猛暑だった去年より早く暑くなったのだろうか、という気持ちです。
いまは枝上げを行っていますが、もうすぐ萌芽が始まり、あっという間に展葉へと続いていきます。この時期はカスミカメに対する防除が重要になってきます。この虫の幼虫は展葉初期の蕾の中に入り込み、組織に孔をあけ、汁を吸い取ります。その後は穴だらけのボロボロの新しい葉が出てくるのみで、十分な養分を作ることができないばかりか花蕾がなくなってしまう場合もあります。この虫による食害を防ぎ、良質なぶどうの実を得るために5月初旬頃までには枝上げを終え、その後の防除の効果が上がるような垣根を造り上げていきます。

(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)

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