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ぶどう畑通信

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20247

〜余市のぶどう畑から〜

写真1. ピノ・ノワールの花芽。蕾がかなり膨らんできました。もうすぐ開花です。
写真2. ピノ・ノワールの新梢。燦燦とした陽の光を浴び、ぶどうの新芽が上に伸びていきます。

2024年6月22日までの気象データでは今年のニッカ余市ヴィンヤードの畑の有効積算気温は、異常というほど暑かった2023年よりも高くなっています。昨年はかなり糖度も上がり、果実が十分熟成した年でしたが、今年はさらにそれ以上になるかもしれないという期待があります。しかし、生育時の気温が高ければ良いという訳ではありませんし、これからどういった気象状況になるのかも不明で不安です。
気温が高いと言うと、北海道の海水温も高くなりました。海水温が高くなると、海藻の生育が悪くなる、そうなると海藻のコンブを食べておいしくなるエゾバフンウニの生育も悪くなってきます。漁業関係の方はウニを育てるための施策を取っていますが、今年の収穫量は少なくなるかもしれないという危惧をお持ちのようです。温暖化は、こういった変化にもつながっています。
ぶどう栽培もこのような気温の変化に対してどこまで対応できるのかわかりませんが、我々は温暖化に対し、それに対応したぶどうの栽培方法を試みるだけでなく、自分たちが温暖化を防ぐような対応を進めていかなければならないと肝に銘じています。継続的なぶどう栽培に対して我々としてできることを進めていきます。
先月号ではぶどう畑で芽かき作業を行っているとお伝えしましたが、今月もまだ芽かき作業中です。多すぎる芽を除去し、これから開花・結実するぶどうの実が十分に生育するための作業です。そのような作業の中、ぶどうの花芽はだんだん膨らんできて、もうすぐに開花を迎えます。まもなく迎える開花の頃にはぶどうの枝もだんだん伸びてきています。その伸びを抑え、養分をぶどうの実の充実に向ける摘芯という作業の季節です。
そういえば、今までは芽かき、摘芯の時期にはニセアカシアの甘い香りが漂っていたのですが、今年はその香りが今までより弱いような気がします。これも杞憂であることを願います。

(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)

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