※商品のデザインは撮影当時のものです。
勝負を分ける「Omakaseコンテスト」!
「Omakase コンテスト」が繰り広げられた「ビューフォートバー」はアールデコ調のシックなラウンジバー。カウンターは、ソファ席のフロアよりも一段高いレイアウト。まるでステージのような“最高の舞台”が用意された。ファイナリストたちは普段の実力を最大限発揮できるよう、バーステーションの中を入念にチェックした。
使用できるウイスキーは「フロム・ザ・バレル」「カフェグレーン」「カフェモルト」「ピュアモルト・ブラック」「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城峡」「竹鶴ピュアモルト」の7種類。これらを使って、バーのゲストに扮する3名のジャッジに対し、15分で3種類のドリンクを提供しなければならない。
大会も6回目ともなれば、皆、自国の過去のファイナリストからアドバイスをもらい、さまざまなリクエスト(無理難題)が来ることは想定済み。しかし、ローリンツ氏とリドリー氏の強者2人がそれを上回る見事な役者ぶりでファイナリストを翻弄した。世界最高峰のバーテンダーであるローリンツ氏が、見習い中のバーテンダーを演じ、カクテルの技術についてアドバイスを求めてメモをとるシーンもあったほどだ。
「フロム・ザ・バレル」を使ったカクテルは10人10色。欧州のバーテンダーからも相性がいいと評判の卵白を使ったシェイクタイプから、フレッシュジュースを使ったさっぱりとしたロングカクテルまで、そのバリエーションは実に幅広いものだった。
なかには、ビターのごとく醤油を1滴加えて味に深みをだすカクテルも登場した。料理における“隠し味”といも言うべきか。いずれにせよ、2015年で発売30周年を迎えたロングセラー「フロム・ザ・バレル」のオールマイティーさが際立った。
優勝はフランス代表、ウイリアム・ヘッツエル氏!
そんななか総合優勝を果たしたのは、フランス代表のウイリアム・ヘッツエル氏。ゲストに扮するジャッジから次々と難しい注文が入るなか、終始平常心を保ち、落ち着いてサービスを行った。特にエレガントなグラスによく似合う、繊細でバランスのよいカクテルが印象的だった。
準優勝は、ハンガリー代表のクリスチャン・チゴ氏。「日本のバーのような“丸氷”でウイスキーを飲みたい」というリクエストに、見事な手さばきで対応した。おそらくは日頃から、ヨーロッパではまだ馴染みの薄い“丸氷”などについても勉強し、しっかりと鍛錬を積み重ねてきた結果なのだろう。
優勝、準優勝の2人には、来春、ニッカウヰスキーの故郷である日本への研修ツアーに招待される。余市と宮城峡、2つのニッカウヰスキー蒸溜所を訪れ、同時に日本の有名バーにも何軒か足を運ぶ予定だ。
ジャッジからの温かいメッセージ。そして未来へ。
以下に、今回ジャッジを務めてくれたローリンツ氏とリドリー氏のそれぞれの総評も記載しておこう。
★エリック・ローリンツ氏コメント
「まず最初に、私は俳優ではありません(笑)。が、バーテンダーとしての対応力を見るために、個性的なゲストを演じあえて厳しい質問もした。バーテンダーの役割は、その空間を上手にコントロールすること。バーにはいろいろな人が来てさまざまなことが起こるが、そこにいる全てのゲストに目を配り、皆に快適なサービスを提供しなければならない。今回それができていた人も入れば、若干不十分な人もいた。今度皆さんのバーを訪れた際には、もう演じたりしないので、さらに素晴らしいサービスで迎えてください。」
★ニール・リドリー氏コメント
「私の大根役者ぶりはこの場をお借りしてお詫びするとして(笑)、今日はとても楽しんで審査をすることができました。ニッカ・パーフェクト・サーヴは今まで経験したどのコンペティションとも違って大変ユニークなものだった。ただ単にカクテルのフレーバーやクリエイティヴィティ、パフォーマンスを競うのではなく、すばらしいドリンクと共に快適な時間や空間を提供することが重要視されている。それはバーテンディングの本質だと思う。みなさんの心のこもったサービスに敬意を表します。」
今回は格調高い名門ホテル「ザ サヴォイ」でのコンテストとあって、例年以上の緊張感に包まれていた。
ジャッジによると、各ファイナリストの実力差は僅かで、誰が優勝してもまったく不思議ではない大会だったという。それだけに、準優勝のチゴ氏は自分の名前が呼ばれた瞬間に感極まり、一方総合優勝のヘッツエル氏は自分の名前が呼ばれてもしばらく気づかなかったほどだった。
年々ニッカウヰスキーや、コンテストのテーマである”一期一会”への理解も深まり、確実にレベルが上がっている「ニッカ・パーフェクト・サーヴ」。今後もさらなる高みを目指して、バーテンダーたちの精進は続いていく。