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特集記事
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アサヒビールのDNAと呼び声高い「ブラザーシスター制度」。新入社員育成にあたり、指導役の先輩社員を「ブラザー/シスター」と呼び、事業場全体を巻き込みながら、計画的に新人を育成する制度です。ブラザーシスターは強制ではなく公募により募集を行っています。
今回は、かつてブラザーやパートナーとして共に仕事に励んだ事務系の3人に集まってもらい、お話を聞かせていただきました。インタビュー時はみなさんの笑い声が絶えず、お互いに対する信頼の深さがすごく感じられました。当時のエピソードも濃い内容が盛りだくさんで、必見です!
<プロフィール>
山中一平(写真左)
2008年入社。業務用営業として経験を積む中、2013年に平田のブラザーに。現在は首都圏統括第三支社 首都圏第二支店に所属し、大手酒販店様をメインに担当。
坂本英一(写真右)
2006年入社。業務用営業と量販営業の2つの営業担当を経て、現在はワイン・スピリッツマーケティング部に所属し、国産ウイスキーのマーケティングに携わる。2013年当時はパートナーという立場で、山中と共に平田の成長を支援。
平田直也(写真中央)
2013年入社。新卒時代に洋酒ワイン部に配属となり、山中とブラザーの関係に。現在は外食営業本部 外食営業第二部に所属し、全国チェーンの外食企業様を担当。
----まず、山中さんが平田さんのブラザーになった経緯を教えてください。
山中:
私も新人時代にブラザーがいたんですが、その先輩とは現在でも深い信頼でつながっています。私もそんな「お兄ちゃん」になりたいと常に思っていたので、あまり難しく考えずに立候補しましたね。
当時の運用で、ブラザーがパートナーを指名するんですけど、迷わず英一さんにオファーしたら、実は一回断られたんですよね(笑)。
坂本:
あ、そういえば断ったかもしれない(笑)。
山中:
人事担当から「坂本さんに断られた」と返答を聞いて・・・。それでも私としては、どうしても英一さんにパートナーをやってもらいたかったんで、直接熱い気持ちをぶつけに行きましたね。
----坂本さんはどうして一度断ったんですか?
坂本:
当時すでに7年目だったので、もう少し若い人がやったほうがお互いにとっていいんじゃないかなと。やっぱり人を育てるって大変だし、それなりの覚悟が必要なんですね。ただ、これだけ一平が説得してくれるのならと、最終的には承諾しました。決して、嫌々引き受けたわけではないですよ。覚悟を決めて向き合う決心をしたんです。
----なるほど(笑)ところで、ブラザーとパートナーの役割はどう違うんですか?
坂本:
役割としては基本的に同じだと思っています。ただ、当時は一平が業務用営業、私が量販営業と別の営業をしていたので、仕事の案件によって平田の指導役が代わるというイメージです。2人で新人を育てるからこそ、ブラザーとパートナーはある程度の信頼関係が求められますね。
----平田さんは入社当時、不安に思うことはあったんですか?
平田:
何もなかったですね。本当に入りたかった会社ですし、当時はめちゃくちゃギラギラしてて「絶対ここで成長してやるぞ」って思っていて。ブラザー制度のことも知っていましたし、配属が決まるのが楽しみでした。
----頼もしいですね!実際に山中さんとブラザーになって、特に印象に残っていることは何ですか?
平田:
ブラザーの間で連綿と受け継がれている「感情労働」という言葉を教えていただいたことですね。「お客様の心に寄り添って、お客様の手が届かない痒い部分をそっと掻いてあげるような心づもりで営業しなさい」と。それは今でも大切にしています。
山中:
いいこと言うね〜俺!!(笑)
坂本:
本当にいいこと言ってる(笑)。でも、当時のブラザーの教えが、ビジネスパーソンとしての土台になっているのはすごいことだね。
平田:
この言葉って多分アサヒビールの歴代の営業の方たちのいいところが一番詰まっている言葉な気がしていて。時代が変わっても残していきたい言葉だと思っているので、私が後輩のブラザーになったときも伝えるようにしています。
----ちなみに、感情労働を最も実感できたのはどんな瞬間でしたか?
平田:
仮配属期間が終わって、静岡に異動になった後に担当させていただいたお客様が、他社からウチの生ビール取り扱いに切り替えてくださった瞬間です。その方もお店も大好きだったので、とにかく何でもしてあげたいと思って足繁く通っていたんです。そうしてお客様に寄り添っていく中で、最終的に生ビールを使ってもらえることになりまして。
坂本:
相手の想いに寄り添う、みたいなことが平田の考える感情労働?
平田:
そうですね。お客様が何か迷っているときに「とりあえずコイツに言ってみよう」て思ってもらえるような関係を築くのが大切だと考えていて。そのためには、まずはこちらからお客様を好きになることが必要だと感じました。
山中:
本当にいい話だね。これだけでビール2杯いけるわ(笑)。
一同笑
----山中さんが「兄」として心掛けていたことは何ですか?
山中:
平田の第一印象から今までずっと変わらないのは、まっすぐで素直で「全部吸収してやる」みたいなオーラが滲み出ているところです。だから当時も、あまり言葉を選ばずにいろんなことを伝えるようにしましたね。与えられた目標に愚直に取り組んで、達成するまでやり切る姿はちゃんと見てきたつもりです。
平田:
目標を達成したら、さらに追加の課題を与えられたこともありましたよね(笑)。
山中:
ちょっと目標を上方修正だなと(笑)。彼は絶対に負けないやつだと思っていましたし、追加の課題もきちんと乗り越えてきたので、非常に努力家だと思っています。
----坂本さんから見て、平田さんはどんな後輩でしたか?
坂本:
とんでもない新人でしたね(笑)。まだ仮配属の段階でものすごい売上を達成して、正直「営業ではこいつには敵わないな」と思いました。
平田:
その当時、「ドライプレミアム」という商品があったんですが、その商品のスーパーでの売り場を取ってくるという目標を立てていたんです。それで、毎年売上が非常に大きいスーパー様に足を運んだんですが、最初は取り合ってもらえなくて。それでも粘り強くお願いを重ねていくうちに、話を聞いてくださるようになって。最終的に自分の手で売ることを条件に売り場をいただいたんです。
坂本:
売り場の獲得だけでもすごいんですが、更にすごいのは自ら当時の人事担当に相談し、代休を取る代わりに休日出勤までして、自ら店頭に立って手売りして、結果的に日本で一番その商品を売ったんですよ。目標にコミットメントする力が尋常じゃないと思いましたね。
平田:
当時の私としては、新入社員として目立ちたい、結果を残したいという気持ちでやっていたんですけど、その過程で先輩や同期が協力してくださって。そのときに「この仕事は自分一人でやるものじゃなくて、いろんな人がいて成り立ってるんだ」という認識を持てるようになりました。
----平田さんは、このお二人以外の方と仕事をすることはあったんですか?
平田:
一平さん、英一さん以外の先輩社員に同行するケースもありました。どの先輩もとても優秀で、お客様とのコミュニケーションの仕方を学びました。多分一平さんが「誰についたら学びが多いか」を考えながら、先輩方に声をかけてくださっていたんだと思います。
山中:
実際に平田と一緒に取引先様を回ったのは、10回もなかったと思います。それよりも同僚に取引先様へ平田を連れて行ってもらうようお願いすることが多かったですね。そして同行が終わった後に、同僚から「平田くんこういうところがいいね」とか「ここはもうちょっと」とか意見交換をしていました。結局のところ、ブラザーの役割は、会社の先輩全員で新人の面倒を見る空気をつくり上げることかもしれません。
----アサヒビールに向いているのはどんな人だと思いますか?
坂本:
お酒は、嗜好品です。お客様の楽しい時間をつくるためのものなので、それを販売する我々は明るく前向きな姿勢を持つべきだと思います。また、先ほど平田が言っていたように、我々の仕事は1人ではなくみんなでやるものなので、そこを一緒に楽しめる人がいいですね。
山中:
私は入社式で当時の人事部長がおっしゃっていた「アサヒビールは日本の酒文化を担っている会社です」というフレーズがすごく印象に残っていて。ビールメーカーとして、ビール大国と言われている日本の酒文化を担っているって純粋に格好いいと思ったので、自分たちの仕事に誇りを持てるかどうかは重要だと思います。あとは「人たらし」な方ですね。社内外を含めていろんな人と仲良くなって、信頼関係を築ける人が向いていると思います。
平田:
私は本当にこの会社が好きなんですが、それは一平さんや英一さんみたいな人がたくさんいて、価値観がすごく合うからだと感じています。人に対する関心が高くて、心が温かくて。こういう気持ちで働けるのってすごく幸せなことだと思うので、入社を希望されている方は、会社が発信している価値観を肌で感じてもらって、ご自身に合うかどうかを判断してもらえたらなと思っています。
坂本:
こんなに愛社精神が溢れている会社って、なかなかない。ほんとみんなアサヒビール好きなんですよ(笑)。その理由について考えてみたんですが、シンプルに「自分が受けた恩を返す」という気持ちが強いからじゃないかと思います。自分を成長させてくれた会社や先輩に恩返ししたいから、自分も後輩を大きく育ててあげたいと考えているのかもしれません。
山中:
「後輩を育てたい」という気持ちは、たしかに強いかもしれないですね。私も20代の頃は「もっと自分を見てくれ!」っていうモチベーションで仕事をしていたんですが、今は自分のことよりも後輩が活躍している姿を見るほうが嬉しくて。
あと、このブラザーシスター制度が「アサヒビールのDNA」だというのは間違ってはいないんですが、なんて言いますか、当たり前にみんなやってることという自覚があるんですよね。制度だからやってる感覚じゃない。たしか元々そこにあった見えないものを、制度化したんじゃなかったかな。個人主義じゃなくて、みんなが一緒になって一つの方向に向かっているのがこの会社の魅力だと思います。
(↑写真はブラザー・パートナー当時の写真)
(↑平田さんの結婚式での写真)
----当時は名古屋で、今は別々の場所で活躍する3人。久々の再会を楽しみながらも、感慨深く過去を振り返っていたように見えました。信頼できる人と巡り会えるって、人生においてかけがえのないことだと思います。たくさんのいいお話、ありがとうございました!