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特集記事
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アサヒビールのDNAと呼び声高い「ブラザーシスター制度」。新入社員育成にあたり、指導役の先輩社員を「ブラザー/シスター」と呼び、事業場全体を巻き込みながら、計画的に新人を育成する制度です。
今回は、技術系部署でシスターとなった和田と波多野。当時も、部署が別々になりワーキングママとなった今でも、とても仲良しということです。お互いの印象や、シスターの関係を通じて得られた経験について、お話を聞いてきました!
<プロフィール>
・和田華奈子(写真右)
2009年入社。RTD(Ready To Drink:開栓後すぐに飲める飲料の総称)をはじめ、研究所にてさまざまな商品開発に携わった後、産休・育休を経て、本社イノベーション戦略部に異動。現在は再び研究所に所属し、酒類開発に精を出す。
・波多野稔子(写真左)
2014年入社。新人研修を経てRTDの開発部に配属となり、シスターの和田と新商品開発に従事。その後、炭酸飲料の開発や産休・育休を経験し、現在はイノベーション戦略部に所属。採用の事務局を担当している。
----お二人がシスターの関係になったのは、いつ頃ですか?
和田:
2014年です。当時はRTDの開発部署に所属していて、新入社員として波多野さんが私たちのチームに配属されました。
波多野:
入社後しばらくは研修があったので、正式に配属になったのは半年以上経ってからでしたね。和田さんと同じチームで、ある商品ブランドのフレーバーの一つを担当することになりました。
----シスターになった経緯を教えてください。
和田:
実は初めの頃は、私の後輩が波多野さんのシスターを務めていたんです。
波多野:
ところがしばらくして、その方が産休に入られることになって、和田さんがシスター役を引き継いでくださったんですよね。
和田:
いきなり部長に呼ばれて「シスター引き継いで」みたいな感じでした(笑)。実は誰かの「姉」になるのはそのときが初めてだったんですよね。でも、「シスターだから何か特別なことをしよう」というよりは、同じ商品ブランドを担当する同僚として接していた感覚が強かったと思います。
----そうだったんですね!お互いの第一印象はどんな感じだったんですか?
波多野:
和田さんはすごく頭が良くて、仕事も早くて。今でもとても尊敬している先輩です!
和田:
それを言うと、波多野さんも最初からとても優秀だったよ(笑)。
波多野:
ありがとうございます(笑)。本当に和田さんにはいろんなことを教えていただきました。でも、1から10まで全部教えてくださるというよりは、こちらに考えさせる余地を残すようにしていたと感じています。
----なるほど!そこにはどのような意図があったんですか?
和田:
ただ私の言うとおりにやってもらうだけだったら、別に誰にお願いしてもいいってなるじゃないですか。商品開発には「こうすれば絶対に売れる」という明確な答えがありません。だからこそ、頭を使って工夫して、という働き方を知ってほしかったという想いはありました。
また、当時は「もぎたて」という商品を開発していたんですが、私自身も試行錯誤を重ねながらプロジェクトを進めていたところもあって。それなら波多野さんにも一緒に考えてもらったほうが、お互いにとってプラスに働くと思ったんです。
波多野:
そのおかげで、何をしたいのか、どうしたいのかを、自分で考えてやっていくことの大切さを実感することができました。また和田さんが関連部署の方たちと上手に関係構築されているのを見て、「仕事は自分だけじゃなく周りの人たちとつくり上げていくものなんだ」という意識も芽生えたように思います。
----素晴らしいお姉さんですね!実際にどれくらいの期間、シスターの関係だったんですか?
波多野:
シスターの関係は1年半くらいだったと思いますが、一緒にいる時間は多かったような気がします。実験のときは常に隣に和田さんがいましたし、工場や海外への出張にも同行しましたね。
和田:
あったね〜。兵庫の工場まで新幹線で4時間かけて行ったり、イタリアに行ったり。
----イタリア!
波多野:
「もぎたて」のレモンとグレープフルーツの果汁をつくっていたのがシチリアだったので、現場を見に行ったんです。
和田:
果汁の品質確認や香りの分析のために、現地で、何時間かごとに果汁を搾ったり、現場の方とディスカッションしたり。。面白かったですけど、プレッシャーもあったし大変でしたね(笑)。
(↑シチリア出張当時のお写真)
(↑開発担当として、PR・広報専門誌の取材を受けたことも)
----かなり濃密な時間を過ごされていたんですね!お二人がシスターとして過ごす中で、特に印象に残っていることは何ですか
波多野:
和田さんから教わったことで一番印象に残っているのが「自分の時間を安く売るな」という言葉です。学生時代は生物の研究をしていたんですが、今振り返ると必要以上に時間をかけて実験していたと思います。和田さんからその言葉を聞かされたときに、社会人にとっては時間は限りのある資源だということに気づかされました。
和田:
私は初めて「姉」を経験して、人に教えていることがそのまま自分に返ってくるな、という実感しました。「自分の時間を安く売るな」と言いながらも、当時は残業も多かったですし......。それからは、どうすれば良いシスターになれるかをすごく考えるようになりましたね。
----和田さんの考える「良いシスター」とは?
和田:
「どう伝えたらちゃんと伝わるか?」を、一人ひとりに合わせて考えられる人です。1を伝えるだけで10を理解できる人もいれば、細かいところまでしっかり教えることで成長する人もいます。やっぱり自分も一緒に成長したいですし、後輩にはそれ以上に急成長してほしかったので、伝え方やフォローの仕方は意識するようになりましたね。
波多野:
今のお話、すごくわかります!私もキャリアを重ねる中で、これまでに2人の「姉」になったのですが、最初の子のときはすごく苦労したのを覚えています。自分の基準で「こう教えよう」と思っていても、経験や考え方、キャリアプランは人によってバラバラなので、その辺りも意識しながらアドバイスしなきゃいけなかったかな、という反省がありました。人に教えることで、初めて自分に足りない視点があることに気づかされましたね。
----「姉」と「妹」では、視点や考え方は全然違うのですね!
シスターの関係ではなくなってしばらく経ちますが、今でも交流はあるんですか?
和田:
仕事で一緒になることはあまりありませんが、プライベートでの交流は続いていますよ。先日もオンライン飲みをしたばかりです(笑)。
波多野:
コロナ禍以前は、2人で飲みに行ったりもしましたね。
----とても仲良しですね!プライベートではどんな話をするんですか?
波多野:
あまり仕事やキャリアの相談はしないですね。育児の話とか......。
和田:
家を買った話とか(笑)。
波多野:
ありましたね(笑)。
----プライベートであまり仕事の話はしないとのことですが(笑)、お互いの働き方を意識することはありますか?
波多野:
和田さんのキャリアの積み方は、とても参考にしています。産休・育休を経て本社勤務をされて、今はまた研究所に戻って。復職も管理職も経験している女性の先輩があまり身の回りにいないので、すごく刺激をもらっています。
和田:
私の代くらいから、技術職の女性採用が毎年のように続いているんですが、割とみんな早めに産休・育休を取得して、すごいベビーブームみたいになったんですね。そういう人たちが「この会社で長く働きたいな」「活躍したいな」って思ってもらえるような働き方は実践していきたいと心がけてきました。なので復職面談は積極的に引き受けるようにしていますし、後輩にも産休・育休についての話はするようにしていますね。
波多野:
和田さんはまさにロールモデルだと思います。和田さんの後に続く人材がどんどん増えていっている感じですね。
和田:
こうして関係がつながっていくところが、ブラザーシスター制度のいいところだと思います。私は入社して最初配属された部署にはわずかな期間しかいなくて、そのときの「姉」とは少ししかご一緒できなかったんですが、今同じRTDに関わる仕事をしていますし、プライベートでもすごく仲良くしてくださっています。その方が私の前後に面倒を見ていた「妹」とも仲良しです。
----シスター同士のコミュニティができあがっているんですね!
----お二人にとって、アサヒビールはどんな会社ですか?
波多野:
本当に人の温かい会社だと思います。よく体育会系って言われるんですけど、全然そんなこともなくて(笑)。上の言うことを必ず聞かなきゃいけないなんてこともなく、かなり自由に自分の意見を主張できる場所だと思います。女性も働きやすいですし、仕事と家庭を両立している人もどんどん増えているので、長い目でキャリアを積める会社だと感じています。
和田:
ビールという嗜好品を扱っている会社だからか、明るく楽しく仕事をしている人が多いと思います。それに、自分から積極的に動けば挑戦させてくれる風土もありますね。
波多野:
素直な人が多いですね。変に駆け引きをすることなく、思った気持ちをそのまま伝えてくれるというか。
----最後に、アサヒビールに向いている人はどんな人だと思いますか?
和田:
先ほどもお話したとおり、研究職は正解のない仕事なので、そこに楽しく粘り強く取り組めるかは重要だと思います。
波多野:
採用担当の立場から見ると、面接の場で素直に想いを伝えてくれる人がいいなと感じます。面接対策で挙げられているような型にはまった答えじゃなく、気持ちをストレートに伝えてもらったほうがマッチングしやすいのかなと思います。
----先輩後輩であり、戦友であり、ママ友であり...。ブラザーシスター制度をきっかけに、仕事を超えたつながりができているのだと感じました。アサヒビールの挑戦は、やはりこんな人と人の関係性から生まれているのかもしれません。お二人共どうもありがとうございました!