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生ジョッキ缶開発ストーリー<商品企画編>~缶ビールの常識を覆す"日本初※生ジョッキ缶"の挑戦~

まるでお店の生ジョッキ!
泡が出る、ゴクゴク飲める、「生ジョッキ缶」。

※フルオープンかつ自然発泡する缶を用いた日本初の商品(2020年9月Mintel社データベース及び当社調べ)

缶のフタが全開し、お店で飲む生ジョッキのような豊かな泡立ちが楽しめる、ビール好きにはたまらない新商品が誕生しました。通常は1年半~2年ほどの開発期間を経て世に出る商品が多い中、実に約4年間を開発に費やしたという本品。プロジェクトを統括したブランドマネージャーの中島が、その月日を振り返ります。

<プロフィール>
マーケティング本部 ビールマーケティング部
中島 健

「生ジョッキを家で飲みたい!」
がすべての出発点。

「生ジョッキ缶」の構想は約4年前にさかのぼります。当時は新ジャンルをはじめ、缶チューハイや缶ハイボールなど、安くておいしい商品が増えてきていました。それに伴って「家飲み」での選択肢がすごく広がりを見せていたんですね。
そんな中、お客様から「"お店で飲む生ジョッキ"が家でも飲めたらなぁ」という声を聞きました。おそらくこれは当時に始まったことではないんですが、家飲みを楽しめるようになってきたからこそ「生ジョッキを家で飲みたい!」という、誰もが一度は考える願いが顕在化してきたことを実感したのです。

ビールを強みとする私たちとしては、なんとかその願いを実現したいと思いました。そこで、
「家でお店の生ジョッキの気分が味わえる」という、シンプルな商品コンセプトが生まれました。

あえて"スーパードライ"を選んだ理由。

コンセプトが決まり、次に考えたのは「新ブランドでやるか、スーパードライでやるか」でした。これは社内でもかなり議論になりましたね。
そこで一度、開発の原点に立ち返ることにしました。やがて浮かび上がってきたのは、"ビールを通じて、お客様をワクワクさせたい"という想い。そうすると、やはり行き着く先はスーパードライだったんです。

スーパードライの歴史は「挑戦の歴史」です。日本初の辛口ビールとして生まれ、数々の挑戦を乗り越えてきた、私たちの代表ブランド。そんなブランドでまた新しい挑戦をする、それが一番お客様をワクワクさせられるのではないかと。そうして最終的には満場一致で「スーパードライでやろう!」という話になりました。

これまでの常識を覆す"泡が出る缶"の開発。

コンセプトを具現化するにあたって、やり方はいくつか考えられました。泡立て用の付属品やホームサーバーなども検討しましたが、やはり最も手軽な"缶から直接飲む"という形で実現したいという想いがありました。
しかしこれは、開発側からすれば「無茶言ってんじゃないよ」という話だったようです。
なぜかというと、開栓したときに噴きこぼれてしまうのを防ぐため、缶ビールはそもそも"泡を出さない"ように作られている商品だからです。
商品開発のスタート地点で、今までの常識を根本からひっくり返さねばならなかったことを、後から理解しました。
開発中における私の役割は、お客様の声を、お客様の視点から開発側に伝えること。上がってくる試作品を、そのつどお客様調査にかけることを繰り返しました。判断基準はシンプルに、「お客様が本当にワクワクしているかどうか」のみ。そこはシビアに観察させていただきました。
こちらの妥協を許さない要求に対し、それを実現しないといけない開発メンバーには苦労をかけたと思います。しかし、度重なる要求にも毎度きっちりと応えてくる開発側の底力は、本当にすごいと感じましたね。
一方で、パッケージのデザインも進行していました。狙いは「あのスーパードライが何か新しいことを始めたぞ」とお客様に感じていただける、スーパードライらしさを持つデザインであること。それに加えて「生ジョッキ缶」の商品特長が伝わり、新しさを持つデザインであること。
この矛盾ともいえる2つのことを同時に実現するために、アイデア段階では缶の全面をジョッキに見立てたデザインなども検討しながらお客様と対話を重ね、ブラッシュアップしていきました。結果的に、スーパードライらしさと「生ジョッキ缶」の新しさを兼ね備えた、今までにないイメージづくりが成功したと思います。

"日本初"に込めた本当の想い。


そうして完成した、フタが全開して泡が出る「生ジョッキ缶」。このような特長を持つ商品は今までなかったので、"日本初"としています。
ですが私は、この"日本初"に込められた本当の想いというのは、繰り返しになりますが「挑戦」や「革新」だと考えています。スーパードライ=挑戦の歴史だというのは先ほどお話ししましたが、それはすなわち「アサヒビール」という会社が歩んできた歴史が、挑戦の連続だったということなんですね。
今回"日本初"と謳ってはいますが、私としては"世界初"ではないかと思っているんです。ただ、ひょっとしたら世界のどこかにあるかもしれないので"日本初"としているのですが...。しかし、それくらいの心意気をもって世の中における話題化を図っていかないと、「ビールでお客様をワクワクさせる」というのは、今の時代かなり至難なものになってきています。ですので、ここでもう一度、スーパードライから、アサヒビールから革新的な試みをお客様にお届けしたい。"日本初"には、そんな意図もあったんです。

"オールアサヒ"で、発売に向かって走る。


2021年1月の発表以来、「生ジョッキ缶」にはかつてないほどの反響をいただいています。率直に言ってすごくうれしいですね。
私自身、これまでにもいくつか商品開発を経験してきましたが、今回ほど"会社全体で発売に向かっている"と感じたことはありません。
我々開発メンバーはもちろん、みんながみんな、それぞれの役割を全力で果たしていると感じます。この「生ジョッキ缶」をどうお客様に伝えるか、どんなケアをすべきか。どう工場に展開するのか、工場で安定製造するにはどうすべきか。
また、全国の営業スタッフがものすごい熱量で商談を進めてくれていますので、流通様の反応も非常に高いです。本当に
技術系・営業系問わず、"オールアサヒ"で今、走っているんだなと感じています。

ビールのうまさ、楽しさを「生ジョッキ缶」で。

私は「ビールの力」というものを信じていて、それはコミュニケーションの活発化とか、人間関係の円滑化とか、すごくポジティブな力です。それを象徴するのが、あのお店で飲む生ジョッキなんですよね。
しかし実際はコロナ禍もあり、なかなか外に飲みに行けない。お客様にはそういう時こそ「生ジョッキ缶」で、お店にいる気分でテンションを上げて、楽しく飲んでいただきたいですね。このごろ増えてきたオンライン飲み会でも、きっと"映える"と思います(笑)。
「生ジョッキを家で飲みたい!」というところから始まった今回の商品開発でしたが、長期間にわたる開発の支えとなったのは「ビールでもっとお客様をワクワクさせたい!」という、ずっと変わらぬ想いでした。「生ジョッキ缶」を通じて、ビールのうまさ、ビールの楽しさを多くの方に体験していただけるとうれしいです。

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