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研究所生まれの、まったく新しいレモンチューハイ。「THE 檸檬CRAFT」の開発秘話に迫る!

2020年4月に発売した「THE 檸檬CRAFT」。キャップを開けた瞬間からレモンが香る、プレミアムなレモンチューハイとして、多くの反響をいただいています!「衝撃の香り」ってどういうこと?今回、レモンクラフトの開発に関わった4名に、開発から世に出るまでのプロセスまで伺ってきました。

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<プロフィール>
写真左上:藤村 和樹 (酒類開発研究所 開発第二部)
写真右上:宇野 慎一 (生産技術センター)
写真左下:森 信広RTDマーケティング部)
写真右下:瀬川 睦 (酒類開発研究所 開発第二部)

圧倒的に「香り」が違う?

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ーーまず、「THE 檸檬CRAFT」とはどういった商品なんでしょうか?

森(マーケティング):
「THE 檸檬CRAFT」のコンセプトは"週末ご褒美チューハイ"。人生100年時代と言われる中、平日だけではなく週末ライフを充実させたいというお客さまのニーズに着目した、プレミアムなレモンチューハイです。
これまで市販されてきたレモンチューハイとの一番の違いは、開けた瞬間に広がる圧倒的な「香り」です。レモンのナチュラルな香りを再現するために、原料からこだわり、また容器も香りを感じやすいボトル缶を採用しています。

ーー週末のプレミアムな時間...いいですね!今までそのような商品はなかったんですか?

ビール、ワイン、スイーツには結構あるんですけど、缶チューハイにはそういうブランドがあまり見受けられなかったんですね。
あと実はこれ、我々マーケティング部門主導による商品開発ではなく、研究所の方たちから私たちに製品コンセプトを逆提案する「シーズ提案」から商品化に至りました。

日頃からの課題意識やインプットがかたちに。

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ーー商品開発の藤村さん、どうやってこの商品は生まれたんですか?

藤村(商品開発):
市販のレモンチューハイと、居酒屋で飲む生レモンサワーの味にギャップがあるというのはずっと感じていました。

ーーギャップというと?

正直、お店の方が美味しいってこともあるじゃないですか()。このギャップを埋めないとな、という思いで開発は以前から続けていたんですよ。
THE 檸檬CRAFT」の着想を得たのは、地方の特産品を扱っているアンテナショップを訪れたとき。果肉と果汁が分離した不均一な状態のジュースを飲んでみたところ、「この方が生搾りの状態に近い」と感じたんですよね。我々は開発の際、工場で安定製造するために中身が均一な状態でなきゃならないと基本的に考えているんですけど、この「不均一の良さ」をブレークスルーできたらこれまでにない新しい商品ができるんじゃないかというのが一つ。
あと、僕は美酒美食を求めていろんなところ出歩くのが好きなんですけど。ある日バーで飲んでいたんですが、バーテンダーさんがカクテルを作る時の仕上げに、上からレモンピールをツイストすると、鼻を近づけただけでレモンの香りが広がって、一口目から口いっぱいにレモンが楽しめて。これも美味しさの秘密と気づいたんです。

ーーなるほど...。普段の経験を、仕事に活かしているわけですね!

美味しい。が、実現には高い壁があった。

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瀬川(商品開発):THE 檸檬CRAFT」はラインアップが2種類あり、藤村が「極上レモン」、私が「グリーンレモン」を担当しました。「極上レモン」は適度に熟したレモン感溢れる味わいが、「グリーンレモン」は早摘みレモンを思わせるさわやかな香りと甘くないテイストが特徴です。どちらも本物のレモンの香りがしっかりと感じられて、飲んだ瞬間に「はっ」と驚くようなチューハイを目指しました。

ーー本物のレモンの香り?今までのものとはどう違うんでしょうか?

瀬川(商品開発):よく飲まれている飲料は香料が使われているんですけど、その香料を作る大元の原料、加工されてないレモンオイルを使ったナチュラルな香りというものにこだわったんです。ただ、そもそもオイルなので水と分離しますし、これを工場で製造するには、技術的ハードルがいくつかあって...。

ーーハードルですか。それはどういった点でしょうか?

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宇野(生産技術):あのー、そもそもですね、不均一な飲料を充填することは、これまでの製造方法では不可能だったんです。

ーー不可能!?!?

はい。正直、できっこないなって思ってました()
ですが、いかにそれを乗り越えるかが鍵で。やりがいはありましたよ。
最終的には製品をボトル缶に充填した後、仕上げにレモンオイルを滴下するという製法をなんとか構築することができました。無事に完成までこぎつけることができ、今思うと非常に面白いチャレンジができたと感じています。

瀬川(商品開発):THE 檸檬CRAFT」を完成させるためには、技術系のスペシャリストたちの協力が絶対に必要でした。
宇野さんにはかなり無理なお願いをしたと思っていますが、すごく意欲的に取り組んでいただき、本当に感謝しています。

ーーいわゆる、無茶ブリというやつでは!?宇野さん、よく対応しようとなりましたね。

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宇野(生産技術):いやいやいや(笑)。最初に「この商品をつくりたいんだ」と説明をいただいたときに試飲をさせてもらったんですが、上長も含めみんなが「美味しい!」と言ったんです。「じゃあ、なんとしてもお客さまに届けたい!」と一致団結できた気がします。

藤村(商品開発):ありがとうございます!今回、技術的に実現はかなり難しいと言われていた商品なのですが、いろんな部署の人にサンプルを持っていって協力を要請しました。皆さんが「美味しいからなんとしてでも実現させよう、お客様に届けよう」って応援してくれたんですね。「THE 檸檬 クラフト」の開発に関わっている全員に、チャレンジングな一体感みたいなものが生まれ、それが頼もしく、モチベーションにもつながりました。大変でしたけど、組織の垣根を超えたメンバーとの一体感の渦にいる感覚は楽しかったです。

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市場からは高評価!意外な反響も。

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森(マーケティング):マーケティング部としては、シーズ提案から生まれたこの「衝撃の香り」をどうすれば多くの人に届けられるか、非常に頭を悩ませました。市場調査を行ったうえで商品開発を始める従来のプロセスに対して、今回は製品が先にあったんですよね。
ただ、その製品を最初に飲んだときの驚きは今でも覚えていて。あの贅沢な気持ちは、絶対に時代のトレンド、お客さまの未充足のニーズにマッチすると信じていました。

ーーさすが、マーケティングのプロ。ただ、そうは言っても市場に出るまで不安はなかったですか?

瀬川(商品開発):私は正直、どういう反応が来るかすごくドキドキして、不安もありました。私たちがこだわってきた香りが、自己満足ではなくお客さまにきちんと感じ取ってもらえるのかどうか...。

藤村(商品開発):そうですね。確かに不安もありましたが、発売前の消費者調査で試飲した人の反応がすごく良かったんですよ!普通、調査では少しだけ飲まれて帰る人がほとんどですが、「THE 檸檬CRAFT」は全部飲み干して帰る人がいっぱいで。調査会社の人も驚いていました。

森(マーケティング):うん!私もいろんな商品の調査や試飲会を経験してるんですけど、あれはちょっと珍しい光景でしたね。
あと、ボトル缶にしたことで香りがいいというのは想定通りで嬉しかったのですが、意外な反応としてはリキャップができるという点が好評でした。こぼさなくていい、保存や持ち運びに便利、そして衛生的など、副次的な価値が喜ばれています。

ーー想定の上をいく結果が出ているということですね!

森(マーケティング):もちろん、ある程度勝算がないとダメなんですが()
おかげさまで、非常に良い評価をいただいています。SNSでも「革命的だ」「おすすめだよね」といった声が自然に生まれたり、Youtuberが取り上げてくれたり、私たちが想定していた以上の反応がありました。ビール党の同僚からも「毎日飲んでるよ」なんて言ってもらえています()

また、コロナ渦で家飲みが増えたというのも、後押しの一要因としてはあったかと思います。

宇野(生産技術):パッケージング部門は基本的につくったものの品質をいかに落とさず充填するかがミッション。そのため、今回のように中身に関与できる、付加価値を与えられる仕事というのは初めての経験で、とても思い入れのある商品になりました。
これまで使ってこなかったSNSのアプリを入れて、世の中の反応を細かく見るようになったほど、愛着あるんですよ(笑)。

ーー(SNSやってなかったんですね...)

これからも新しい感動を。

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森(マーケティング):おかげさまでとても好評をいただいている商品なので、ぜひ第二弾、第三弾と、新しいフレーバーを開発し、お客さまにお届けしたいですね。気が早いかもですが(笑)。

宇野(生産技術):新しい技術を導入できたので、今後別の製品でも応用できる可能性もあります。

瀬川(商品開発):今あるブランドの改良や展開はもちろんのこと、かなり実現のハードルが高かった「THE 檸檬CRAFT」を完成させられたので、今後は社内のシーズ提案からの新商品開発も、より活発になっていくのかなと感じています。私もですけど、みんなの刺激になったプロジェクトだと思います。

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ーー今までもいろんな提案をされてきたんですか?

藤村(商品開発):そうですね。ボツになった企画書はたくさんありますね...。

ーーなかなか提案が通らないというのも、ストレスではないですか?なんで分かってくれないんだよ!的な...

藤村(商品開発):提案の度に、いろんなフィードバックをもらえました。そのトライ&エラーがあったからこそ「THE 檸檬CRAFT」が生まれたと思っています。ポジティブにあの手この手で改善を重ねつつ、ダメならじゃあ次、というような気持ちの切り替えも大事。僕はあまり過去に執着しない性格なんですよね()

ーーかっこ良すぎます...

一同笑

森(マーケティング):THE 檸檬CRAFT」をロールモデルに、これからも力を合わせて新しい商品をどんどん生み出していきましょう!

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ーー最後はオンラインで乾杯!皆さん、普段は別々の場所で働きながらも、連携の濃さを感じさせてくれました。今後もワクワクするような商品を期待したいですね!ありがとうございました!