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スーパードライの魅力といえば「コク」と「キレ」です。しかしこれらの「コク」や「キレ」を具体的に説明するのってなかなか難しいですよね。特に海外では、キレを表現するフレーズが見当たらなかった。スーパードライが大切にしている「キレ」をどう伝えるべきか、考える必要があったんです。
今回、私の研究チームは、スーパードライのコクとキレに関与する成分の研究を行ってきました。その研究成果を、4年に1度開催される、ビールの製造・開発に関する研究成果を発表する世界的な学会で発表しました。そこでは、『キレの良さ』について多くの研究者と意見や情報を交わすことができ、今後の研究活動の推進に繋がる助言をいただけ、貴重な経験となりました。
試飲しながら味や香りを分析するのは、本当にタフな仕事。多いときは1日4回ほど試飲しますし、午前から行うので"酔い"に気をつけなければなりません。体調が悪ければ正確な分析もできなくなる。学会で発表したデータも、研究員みんなの苦労が結集されたものでした。
なぜ、そこまでしてキレの正体を明確にしたかったのか。それは、スーパードライにとってキレやコクが「コアな価値」だからです。キレを伝えることは、スーパードライの美味しさを海外に広めることになる。さらに、キレがより具体的になれば、今後はキレを制御する技術を開発できる。スーパードライの進化につながるんです。
私の心にあるのは、「現状でとどまらない」という思い。その気持ちで、日々スーパードライの進化を追及しています。
進化を求め続ける根底にあるのは、「ビールファンを少しでも増やしたい」という思い。確かに、他社より美味しいものを追求して、シェアを伸ばすことは大切です。でも、それ以上にビール人口を増やしたい。そのために何ができるか。ビールの美味しさを知ってもらうきっかけをつくりたいんです。
実は私も、入社前はビールを飲みませんでした。でもある日、仕事で疲れたとき、何気なく飲んだビールを「おいしい!」と感じたんです。そんな人がもっと多くなればいい。私たちの研究で新たな仕掛けをして、ビールファンが増加する。そして研究の成果が、会社の基盤技術となる。それが私の願いです。
※所属部署は取材当時のものになります。