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「アサヒ ラグビースクール」第7弾は
宮城県石巻市へ
宮城県石巻市で、失敗を恐れない精神と
「パス」と「タックル」の基礎を徹底アドバイス

石巻ライノス
(宮城県・2023年6月17日)

梅雨の合間の晴れ渡った空の下、立派なフィールドが広がる宮城県石巻市のセイホクパーク石巻(石巻市総合運動公園)で「アサヒ ラグビースクール Season3」が開催されました。「アサヒビール・ラグビーアンバサダー」の五郎丸歩さんが、ラグビーを通じて全国各地のラグビープレイヤーたちと「気持ち高まる瞬間」を分かち合うこのスクールも、すでに7回目を迎えました。

今回、参加してくれたのは、創立16年目のラグビークラブ「石巻ライノス」です。幼児から中学生まで子供たちが毎週日曜日に集まって練習をしています。コーチ陣の中には創立当時から参加し、60歳を超えた今も現役で試合に出場するコーチがいて、「練習に毎週通うことが生きがいになっています。このチームの子供たちはみんな声を出しあえて仲がいいと思います。みんな子供から元気をもらっています」とお話ししてくれました。

代表の三國知彦さんは、「2011年の東日本大震災では1年半ほど活動がストップし、さらにコロナ禍で様々なイベントがなくなり、参加者の数が少なくなってきています。そんな中でも、子供たちにもっとラグビーが楽しいと思ってもらえるような機会を作りたかったんです」と今回参加した理由を教えてくださいました。

練習風景

タックルが上手くなる3つのポイント

朝10時、ブルーのユニフォームを着た子供たちやその保護者、そしてコーチたちが続々とフィールドに集まってきました。到着するやいなや、広々とした芝生を元気いっぱい走り回る子供たち。ラグビーを始めたきっかけは「お父さんやお兄ちゃんがやっていたから」と話す子供が多く、兄弟で参加している家族もいました。「最初はお父さんに勧められてイヤイヤ始めたけれど、低学年の時に体験したタグラグビーが楽しくて今も通っています」と話してくれた女子もいました。

「1週間前に五郎丸さんが来ることを聞いて、とてもうれしかった」「利き手じゃない左でのパスがうまくできないのでコツを知りたい」「タックルが怖いから、うまくなる方法を教えてほしいです」など、口々に今回のラグビースクールに対する期待を教えてくれました。

ゲストコーチは、前回に引き続き早稲田大学で五郎丸さんと一緒にプレーをしてきたラグビー元日本代表の畠山健介さん。畠山さんは宮城県気仙沼市出身で、子供の頃には石巻のラグビークラブチームと試合した思い出もあり、この地域へ親しみを持っています。

10時30分、整列した子供たちの前に五郎丸さんと畠山さんが登場し、やや緊張気味の子供たち。「ラグビーを少しでも楽しいと感じてくれたらうれしいです。もじもじしていたらすぐにスクールが終わってしまうので、分からない点があれば何でも聞いてください」という五郎丸さんや、「今日は晴れてよかったです!こんな機会はないので、積極的に質問してください」という畠山さんの元気のいい挨拶で、ラグビースクールは始まりました。

練習は、幼児と低学年(小学1・2年生)、中学年(小学3・4年生)、高学年(小学5・6年生)と中学生の3チームに分かれてスタート。五郎丸さんと畠山さんもそれぞれのチームに入ってアドバイスします。低学年チームでは簡単な運動で体をあたためた後、キャッチしたボールをコーチにパスをする「サンドイッチパス」や、タグラグビーなどで一緒にラグビーを楽しみました。五郎丸さんや畠山さんは子供たちの目線に合わせて気さくに話しかけたり、一緒に走ったりと和気あいあいとした雰囲気。子供たちも無邪気に笑いながらボールに触れて走り回っていました。

中学年や高学年のチームでは、パスやタックルなどをメインにした基礎練習を行いました。畠山さんは主に、タックルを重点的に指導。中学年のクラスでは、タックル練習において3つのポイントを教えました。1つ目は「自分が速く走れる姿勢になること」。2つ目は「相手の体をつかむこと」。3つ目は「足を前に出して相手の体を後ろに運ぶこと」です。

「相手をつかんで終わらない。そこからしっかり足を動かして相手の体を後ろに運んで!」と畠山さんは一人一人に声をかけながら、タックルの基本的な動作と「タックルは怖くない」ということを繰り返し教えます。その後すぐにタッチラグビーを行い、再びタックル練習を繰り返すという、学んだことをすぐさま実践に活かす方法で頭と体に覚えさせました。「はい、3つのポイントは何だったか、言ってみて」と、何度も子供たちに確認している様子も印象的でした。

「確実に強くなる方法が1つだけあります。それはたくさん失敗をすること。失敗しても諦めないで、何度もチャレンジしてほしい。『次、失敗しないようにするにはどうすればいいか』と考えながら、何度も練習してください。失敗は強くなるためにとても大事です」と畠山さん。その言葉に子供たちはじっと耳を傾けていました。

一方、高学年のチームでは、少しレベルアップしたタックルの指導が行われていました。「タックルの目的は何?相手を倒してボールを奪うことでしょう。タックルをする時に最初から低姿勢だと、ボールを持った相手のあらゆる動きに対応しづらくなるよね。手のひらを前に出し、体はリラックスした状態で相手に向かって走り、タックルする直前で低姿勢になってぶつかる。この直前での切り替わりがポイントです」「試合の流れを変えられるのはタックルとスクラムだけ。大事だよ」と畠山さん。自らタックルバッグを持って、子供たちのタックルを受け止めながらアドバイスしたり、いいところを褒めていました。

練習風景 練習風景 練習風景 練習風景

早いスピードの中でキャッチの基礎を習得する

五郎丸さんは、「2対1」や「3対1」でのパスの基本を徹底してアドバイス。高学年のチームでは、「胸でボールを取るとパスを出すのが遅くなります。指と指の間をもっと広げてごらん。広げてボールを手でキャッチする」「ミスしてもいいからどんどんスピードを上げていこう!止まらないで」「内側にいる選手は、外側の選手の背番号が見える位置をキープして。ボールをもらったらダッシュ」「外側の選手は、内側の選手に背番号が見える位置取りを意識しよう」などと、早いスピードの中で実践的なパス練習が行われました。子供たちからも「声を出して!」などと、自身や仲間を鼓舞する掛け声が聞こえてきました。

また、「2対1から3対2のパス練習になったとき、なぜパスが通らずにトライできなくなると思う?」と五郎丸さんが問いかけ、子供たちに考えさせます。「パスのスピードが遅いから」とキャプテンが答えると、「そう。パスのスピードを上げるためにもしっかり手のひらでキャッチすることが必要。2対1で通用しても、3対1ではごまかせなくなる。早いスピードの中でしっかりボールをキャッチする練習をしてほしい。できなければ、練習が終わった後にでもたくさん練習しよう。練習すれば必ず上手になります」「では、2つのチームに分かれて、どちらが多くトライできるか勝負!負けたほうは後片づけをします」とゲーム方式で、子供たちのやる気と集中力を上げていました。

こうして、約2時間の練習があっという間に終了。真夏のような日差しの中、こまめに水分を補給しながらみんな汗をたくさんかきました。

練習風景 練習風景 練習風景

失敗を恐れないでほしい

練習後は円になって、五郎丸さんや畠山さんに質問タイム。子供たちからたくさんの手があがりました。「上手にトライする方法は?」との質問には、「自分が抜け出す力も大事だけど、『スペースはどこにあるかな?』と常に周りを見渡しながら自分が動けば、周囲も動いてボールが回ってきます。『周りをどう動かすか』と考えるのも大事です」と五郎丸さん。畠山さんは「トライした後が大事で、仲間と一緒に喜ぶ選手は、僕はかっこいいと思う。仲間とチームみんなでトライを取りにいこうという考え方になると、結果的にトライが取りやすくなると思います」と答えてくれました。

「試合本番で緊張しないようにするにはどうすればいい?」との質問には、「どうして緊張するのかな?」と五郎丸さんからの逆質問。「たくさんの人に見られるとプレッシャーがかかって緊張します」との答えに、「じゃあ今、みんなから見られて絶賛緊張中だ」と笑いを取って緊張をほぐしながら、「緊張は目に見える?触れる?触れないよね。緊張は自分が作り出しているもの。例えばキックをするときに、キックティーなど自分がコントロールできるところに意識を向けると、何万人もの観客が気にならなくなります」。畠山さんからは「試合に出場すると、何が起こるか分からないし、失敗するのが怖いからドキドキします。でも失敗は悪いことじゃない。失敗を恐れないでほしい」と温かいアドバイスをいただきました。

なごやかな雰囲気の中、キャプテンからお礼の言葉と、子供たちから感謝が込められた花束の贈呈がありました。畠山さんからは「今日は短い時間でしたが、とても楽しかったです。失敗は決して悪いことではありません!たくさん練習して失敗してください。また皆さんとラグビーができることを楽しみにしています!ありがとうございました」と最後の挨拶。「低学年のチームの練習に入ったとき、僕も3歳からラグビーを始めたので、その頃のことを思い出しました。君たちには無限の可能性があり、チャンスがあります。目標を高く持ってください。赤と白のジャージを着てプレーしている姿が見られることを楽しみにしています!」という五郎丸さんからの挨拶でスクールは終了しました。

練習風景 練習風景 練習風景 練習風景

2人のアドバイスで子供たちの積極性を引き出す

スクールを終えた子供たちからは、「楽しかった!」という声が多く返ってきました。「失敗を恐れるな!という畠山さんの言葉が一番記憶に残っています」「タックルが勉強になった。リラックスしながら走り出し、直前にかがんで相手を掴むことが大事だと知りました」など学んだことを次々に教えてくれました。学んだばかりのタックルの3つのポイントを、早速お母さんに説明する女の子の姿も見られました。

代表の三國さんは、「いつも練習になると、緊張して大人しくなる子供たちが多いと思っていたんです。でも、思いっきりプレーしている子供たちの姿を見て、五郎丸さんと畠山さんが彼ら彼女らの積極性をうまく引き出してくださったんだなと感じました。失敗を恐れずに思い切ってやるという後押しが素晴らしく、練習のテンポもいい。子供たちも集中して練習していて、コーチとしてもとても勉強になりました。『はやくラグビーをやりたい!』と子供たちがワクワクして練習日まで待ちきれないような練習を目指したいと思います」と感想を述べてくださいました。

ラグビースクールを終えた畠山さんは、「素直で一生懸命に取り組む子供たちが多かったし、コーチの方々も熱心でたくさん質問をしてくださいました。小学生には、とにかくラグビーの楽しさを知ってほしいです。低学年の子供たちが、ただボールを持って走るだけでも『ラグビーって楽しい』と思ってくれることが一番です」「指導に関しては僕も勉強中ですが、ポイントはできるだけ絞って伝えるようにしています。実践で使えるテクニックかどうかが大事なので、今日をきっかけに実践的な練習をしてほしいですね」と話してくださいました。

また、「いいところを見つけてほめる」ことも大事だと畠山さん。自身も子供の頃、ラグビー元日本代表の桜庭吉彦さんに声を褒められたことがうれしくて、声を出すことを大切にしてきたと言います。「褒めることは、その子の存在や価値を受け止めることだと思っています。だから、たくさん褒めてあげたい」「僕たちだけの力ではこんなに多くの子供たちを集めることはできない。こうした機会を作ってくださったアサヒビールさんには感謝の気持ちでいっぱいです」とも話してくれました。

練習風景 練習風景

戦いに挑むラグビー日本代表に注目!

スクール終了後も、子供たちの希望で熱心にキックを指導していた五郎丸さんは、「とても仲が良いチームだと思いましたし、コーチの熱意を感じました。練習では、実際の試合と同じスピードで練習をすることの大切さを意識して伝え、問いかけながら子供たち自身が考えて気づくように心掛けています」「このラグビースクールでは、回を重ねるごとに子供たちからさまざまなことを学び、僕自身も指導面で少しずつ成長しているのかなと感じます」と話してくださいました。

9月にはいよいよ「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」が開催されます。「2019年に自国開催された時にはラグビー日本代表チームがベスト8に入るという結果を残しましたが、自国以外で開催される大会で同じような成績を残すことは簡単ではありません。今回のラグビーワールドカップでベストを尽くして高い壁を乗り越えられれば、日本のラグビー界の評価はさらに上がるはず。そうした点にも注目して、ラグビー日本代表を応援していただければうれしいです」と五郎丸さんは見どころを教えてくれました。アサヒビールでは、「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」でもラグビースクールでも、皆さんと「気持ち高まる瞬間」を分かち合っていきたいと思います。今後も五郎丸さんが全国のラグビープレイヤーに会いに行きます。お楽しみに!

練習風景 練習風景 練習風景