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「アサヒ ラグビースクール」第3弾は埼玉県深谷市へ
幼稚園児から80歳代までのラグビー好きを
五郎丸さんと畠山さんが体当たり指導!

深谷スポーツクラブ
(埼玉県・2022年7月24日)

「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」でアジア初の「ワールドワイド・パートナー」契約をしたアサヒビールと、元ラグビー日本代表で「アサヒビール・ラグビーアンバサダー」の五郎丸歩さんが全国のラグビーチームを巡り、「気持ち高まる瞬間」を伝えていく「アサヒラグビースクール」。いよいよSeason2へ突入です。3回目の開催となる今回は埼玉県深谷市へ。深谷櫛挽(くしびき)ケ原ラグビー場をホームグラウンドとする深谷スポーツクラブへお邪魔しました。

ゲストコーチは、今年5月に引退したばかりで、同じ大学、そして各世代の代表でも五郎丸さんと一緒にプレーしてきた元ラグビー日本代表、畠山健介さん。今回は、どのようなスクールになったのでしょうか。

練習風景

私財を投じて建設した天然芝のラグビー場

子どもたちが夏休みに入ったばかりの7月24日。今回やってきた練習場所は、畑や乗馬場といったのどかな風景に囲まれた、全面の天然芝が立派なラグビー場でした。「もう一度ラグビーを広めたい」と少年ラグビーの競技人口減少に危機感を抱いた、地元の中学校の校長先生だった松島伸一さんが2008年に私財を投じ、自宅の山芋畑を潰して設立したもの。映画「フィールド・オブ・ドリームス」を彷彿させるような、並々ならぬ想いと歴史があるこのラグビー場は、今はなんと幼稚園児から80歳代の方まで約120人以上がラグビーを楽しむ場として活用されています。

朝9時を過ぎた頃、年代がバラバラのラグビー好きたちが続々とグラウンドにやって来ました。印象的だったのは、到着するや否や小学生は仲間同士でパスをしたり、蹴ったりして自主的にボールに触り、楽しそうに遊びながらウォーミングアップしている姿。ラグビーが好きなんだということがすぐに伝わって来ました。

「このクラブはどんなチーム?」と質問すると、「明るい!コーチが明るいから」と答えてくれた元気いっぱいの子どもたち。五郎丸さんの訪問を知ったのは1週間前だったそうです。

「本当に来るの?ってびっくりした」「キックの決定率が上がる方法を聞きたい」「コミュニケーションを取る方法を知りたい。だって海外でプレーしていたときは、外国人とどうやって話していたのかなって」「パスを早く回したいんだけど、教えてもらえるかな」「ラグビーワールドカップ2015でのスコットランド戦前半終了間際に決めた、五郎丸さんのビッグタックルが印象に残っている」など、五郎丸さんの訪問に対する感想や期待を口々に話してくれました。「男子のタックルは全然怖くないよ、点数も入れたことはあるし。(五郎丸さんには)何を聞こうかな(笑)」とハニカミながら答えてくれた女の子の姿も!

時計の針が10時を差した頃、ラグビースクールが開講しました。五郎丸さんの挨拶では、「このクラブの理念に『夢を持とう』という言葉がありましたが、みなさん、夢は持っていますか?ラグビーを通じて仲間をつくって、その仲間と一緒に夢を追いかけてくれたらうれしいなと思います。今日、一緒に来てくれた畠山くんは僕が高校のときにラグビーで出会った仲間です」と、畠山さんを紹介。マイクを受け取った畠山さんは大きな声で、「今日はケニーって呼んでください。一緒にラグビーを楽しみましょう!」と自己紹介した途端、「ケニー!!」とたちまち笑顔になった子どもたちは大盛り上がり。一気にみんなの心を掴み、距離が縮まったようでした。

練習風景 練習風景 練習風景

五郎丸さんの指導で一気に空気感が変わった⁉︎

練習は、幼稚園&低学年グループ、小学校3〜4年生グループ、小学校5〜6年生のグループ、部活動の外部委託の流れを汲んで3カ月前に誕生したばかりの中学生グループ、そして、40歳代から80歳代の方までが集まった「不惑」グループに分かれて開始しました。

今回のスクールでは五郎丸さんと畠山さんが、限られた時間のなかで全てのグループを回ることに。まず五郎丸さんは、小学校5〜6年のグループへ。ここではランニングパスを中心にした練習が実施されました。最初はみんなのプレーをじっと観察していた五郎丸さんですが、練習の途中でみんなを集めます。「ちょっと聞いて。ボールをもらうときのスピードをもっと速くしたい。そこでポジションがポイントになります。後方の人は、どのタイミングで走り出せばいい? 前を走る選手の背番号が見えるまで我慢してからスタートしてみよう、はい、GO!」。

それまで各々のタイミングでスタートしていましたが、五郎丸さんの声かけや背中を叩く合図により、前方の仲間の背番号が見えるまで待ってから走り出すように。すると、スピードが上がった状態でパスが繋がるようになり、動きのテンポが格段にアップ!一気に空気感が変わりました。

「いいねぇ、いいスピードだ!」「(ボールを落とした選手に)ミスは全然大丈夫」「(スタートを)がまんしろ」「ハンズアップ、ハンズアップ!」。五郎丸さんの掛け声がグラウンドに響き渡ります。

「意識しただけで全然スピードが変わったでしょう?どのポジションを選ぶかで、こんなにプレーは変わります。ミスしてもいいから、スピードを上げてパスができるように練習をしよう」。五郎丸さんの言葉に耳を傾けていた子どもたちは、今まで経験したことはない感覚を体感したようでした。

練習風景 練習風景 練習風景

どのグループでもケニーは大人気!

その頃、畠山さんは幼稚園児&小学生低学年のグループへ。マーカーコーンを使って左右にステップを踏みながら30mほどの直線を走り抜く練習ですが、「ケニーと一緒に走りたい!」「ケニー!頑張れ〜」と大人気。何よりも畠山さん自身が子ども相手であろうが一切手を抜かずに走り抜き、ラグビーを楽しんでいる姿が子どもたちに伝染しているようで、笑顔の絶えない風景でした。

畠山さんはそのほかにも、「もっと隣や周りを見て!複数のタスクを同時にやる!」などとテンポのいい掛け声をかけながら小学生にパスやタックルを教えたり、中学生や不惑チームのミニゲームに参加して走り回ったり。自分よりも年上の選手からの質問に真剣に答えている姿も印象的でした。

五郎丸さんも小学生たちのタックルを受け止め、中学生にはキックをまっすぐに飛ばすための蹴った後の足の向きなどを自ら手本を見せながら指導。選手は「キックを飛ばした方向に自分の体重がしっかり乗っている?キックした後のフォロースルーが大事」といった五郎丸さんのアドバイスに応えようと、キックの練習に“全集中”!

五郎丸さん畠山さんともに汗だくになりながら、文字通り体当たり練習を2時間みっちりやり切りました。

練習風景 練習風景 練習風景 練習風景

68歳でラグビーを始めた参加者からの質問は?

練習後はみんなで集まり、恒例の質問タイムです。「ドロップキックを高く蹴るための方法は?」との小学生の女の子からの質問には、「足を高く振り上げること、それには普段からもも裏の筋肉を柔らかくしておくことが大事ですね」と五郎丸さん。

小学生のキャプテンからは「自分よりも体の大きい相手にタックルするためにはどうすればいいですか?」との質問。これには畠山さんが、僕も南アフリカ戦でタックルにふらつきましたが…と前置きをしながら、「タックルはスキルが2割、『止めてやる!』という気持ちが8割。外国人は体が大きいですが、自信を持って、相手の膝下に入ってタックルをすることが大事ですね」と教えてくれました。

68歳からラグビーを始めたという70歳代の選手からは、「いろんな本を読んで勉強したが、タックルに入るタイミングが分からない」と質問。「難しいですが、タックルに入る前に敵を左右どちらに追い込むかを決めます。左に追い込むなら相手の真正面でなく少し右側に立つ。すると追い込んでタックルしやすくなります」との五郎丸さんの答えに、うなづいていらっしゃいました。

終わりの挨拶では、「ラグビーを通じて五郎丸という友だちができたから、今日はこのような素晴らしい機会に参加させてもらえました。みんなもラグビーを通じていろんな仲間、友だちを1人でも多くつくってほしい」と畠山さん。「短時間でも意識を変えるだけでプレーが上達すると実感してくれた子もいるはず。仲間との関係性を築いて、いつかラグビー日本代表の赤白のジャージが着られるように頑張ってください!」と、子どもたちへのメッセージが伝えられました。

練習風景 練習風景 練習風景

半年かかって指導できなかったことが数時間で!

練習風景をじっと眺めていたラグビー場の設立者・松島さんは、「元ラグビー日本代表の五郎丸さんと畠山さんがこうやって教えに来てくれて、クラブチームのレベルが上がったように思いました。コーチ陣が努力して、子どもたちがラグビーを純粋に楽しめるようにクラブを育ててくれたおかげですね。ラグビー場を作って本当によかったと思います」と感慨深そうに語ってくださいました。

深谷スポーツクラブ代表の田留晋吉さんは、「うちのチームはスクールではなく、クラブなんです。強化するというより、ラグビーの楽しさを教えている。周囲のチームからは『明るいチームだね』とよく言われます。そんな選手たちに、僕たちが半年かかっても指導できなかった『パスのスピードアップ』などを、五郎丸さんと畠山さんはたった数時間で子どもたちに意識させることができた。ラグビー日本代表として世界で戦った彼らの言葉の重みと、テンポのいいかけ声を含めた子どもたちの心を掴む伝え方には、脱帽しました」と話してくださいました。

練習風景

指導者がテンポの主導権を握ることがポイント

練習を終えて、「ラグビー日本代表がラグビーワールドカップで結果を出すこと、そして今回のようなラグビーの普及の両輪が、ラグビー界を持続的に盛り上げていくには必須だと感じています。現役を引退した僕らは普及に力を入れて行きたい。ラグビーをもっと楽しいと思ってもらえるように一緒にプレーし、言語化して伝えられればと思っています」と畠山さん。

指導によって、子どもたちのプレーや空気感が一気に変わったことを五郎丸さんに伝えると、「指導者が練習のテンポをつくることが大事。主導権は指導者が握り、テンポよく指示を出せば、子どもたちの動きは良くなります」と教えてくれました。また、「まずこの天然芝の環境が恵まれていますよね。子どもたちにはもっと上手になる可能性を感じましたし、何より不惑チームの皆さんには熱量がありましたよね。いろんな年代のチームを回ったからこそ感じ得た楽しさがありました」と感想を話してくださいました。

アサヒラグビースクールは来年9月まで定期的に開催を予定しています。皆さんのチームに、五郎丸さんが訪れるかもしれません!お楽しみに。

練習風景 練習風景