「アサヒ ラグビースクール」Season1の2回目は千葉県鴨川市へ
「鴨川ブルースカイ」の子どもたちにパスの基本を教え、
「子どもたちVS五郎丸チーム」
でタグラグビーの試合を楽しむ
(千葉県・2022年6月19日)
「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」でアジア初の「ワールドワイド・パートナー」契約をしたアサヒビールと、元ラグビー日本代表で「アサヒビール・ラグビーアンバサダー」の五郎丸歩さんが全国のラグビーチームを巡り、「気持ち高まる瞬間」を伝えていく「アサヒ ラグビースクール」。2回目の開催となる今回は、元ラグビー日本代表の大野 均さん(東芝ブレイブルーパス東京・普及担当)をゲストコーチに迎え、潮の香りが漂う海辺の側の千葉県鴨川市・小湊さとうみ学校へ伺いました!
「来てくれるなんて奇跡かと思った!」と
そわそわする子どもたち
6月19日の日曜日の正午、梅雨の中休みの晴天のもと、校内の美しい人工芝グラウンドに集まってきたのは、地元の小学生から高校生までが所属するタグラグビー※チーム「鴨川ブルースカイ」の選手たち。爽やかな水色のユニフォームに袖を通した小学生14人、中学生7人、高校生2人の計23人が参加してくれました。
- タックルの代わりに腰につけたタグ(ひも状の布など)を取り合う方式で,選手同士の体の接触を禁じる安全性を高めたラグビー。
教室が始まる前、準備する五郎丸さんや大野さんの姿を横目に、そわそわする子どもたちに話を聞いてみると、「五郎丸さんが来るなんて、奇跡かと思った!」「五郎丸さんは、なんでラグビー選手になったのか知りたい」「緊張する試合のなかでキックを決められるのは、ものすごく練習したんだと思う。練習のマイルールを聞いてみたい」などと、口々に話してくれました。
ゲームで、みんなで相談して考えることの大切さを学ぶ
13時、いよいよラグビー教室の開校です。「タグラグビーの練習は、色んなスキルが身につきます。楽しく一緒に頑張っていきましょう。そして今日は、最も長い期間、日本代表を務めた大野均さんがコーチに来てくれました!」と五郎丸さんが大野さんを紹介。拍手で五郎丸さんと大野さんを迎えた子どもたちは、「よろしくお願いします!」と元気に挨拶してくれました。
まずはウォーミングアップから。五郎丸さんは小学生チーム、大野さんは中学生チームの担当に。「はい、五郎ちゃんについてきて~」と五郎丸さんは小学生チームを率いて、4つほどのゲームを行い、遊びながら体を温めました。
例えば、「ボール集めゲーム」。4チームに分かれ、合図とともに中央に置かれた複数のラグビーボールを1人ずつダッシュで取りに行き、自分たちの陣地に運ぶゲームです。中央のボールがなくなったら、相手の陣地にあるボールを奪ってきてOK。ボールを3つ獲得したチームが勝ちとなります。「チームで作戦を考えてみよう。どうやったら一番早く集められるかな」と五郎丸さんの指示のもと、みんなそれぞれのチームで集まり、ボールを取りに行く順番や、「中央のボールがなくなったら、どこに取りに行くか指示をして」などと相談しています。ゲームが終わった後は、勝ったチームに「どんな作戦を立てたのか、みんなに教えてあげて」と五郎丸さん。ゲームで楽しみながら、チームプレイの基本となる、1人ひとりが考えてチームで話し合うことの大切さを教わっているようでした。
「どうすれば最短でパスできる?」に考える子どもたち
ウォーミングアップが終わったら、リーダーを中心に3人1組になってストレートパスの練習です。五郎丸さんは「投げた後、手をすぐ引っ込めるのではなく、投げたい方向へ手を持っていくフォロースルーを意識しよう」。「手首のスナップを使って投げたあとは、手を閉じてグーの状態でフォロースルーを!」と、自身で手本を見せながらアドバイス。
スクリューパスの練習のときも、「風がない日はボールがまっすぐに飛ぶけれど、風が強い日はボールがふらふら飛んでしまい、味方がキャッチしづらくなる。ボールに回転をかけるスクリューパスなら、風が強くても飛ばしたいところに投げることができます。まずは片手投げからやってみよう」と、スクリューパスの練習が必要な理由とポイントを解説。最初はうまく投げられなかった子も、少しずつボールに回転をかけられるようになっていきました。「お、うまくなったじゃん!」と五郎丸さんに声をかけられて、ニンマリ!
ランパスの練習では、「パスをもらって、最短距離で投げるにはどうしたらいい?」と五郎丸さんが子どもたちに質問します。手を挙げた子どもたちは、自分が思うパスをやってみますが、首をかしげる表情を見せ難しそうです。そんななか「パスを受けてキャッチしたボールを、そのまままっすぐ投げることかな」と答えた子に、「そう、ムダな動きをせずに投げられたら日本代表になれるよ。チャレンジする価値はあるからやってみよう」という五郎丸さん。まずは歩きながら最短距離でパスをするイメージをつかんでから、走りながらパスする練習に移行していきました。
「飛んでくるボールの面に手の向きを合わせて、しっかり広げた手のひらでキャッチする」「イメージ分かる?」「お、代表が近づいてきたぞ!」。五郎丸さんの掛け声とともに、子どもたちの表情は真剣そのものに。オフロードパスやクロスパスなど少しずつ練習内容が少しずつ難しくなっていくなか、パスをもらう人の位置や走り出すタイミングなどを確認しながら基本練習を繰り返しました。五郎丸さんとペアを組んだ小学1年生の女の子の、一生懸命に走ってパスを成功させている姿も印象的でした。
基本練習のあとは、子どもたちが楽しみにしていた練習試合です。2点先取で勝ちというルールのもと、「小学生VS小学生」「中高生VS大人チーム(五郎丸さん&コーチ陣チーム)」、そして最後に「子どもたち全員VS大人チーム」で試合しました。最後の試合では、みんな五郎丸さんや大野さんからタグを取ろうと必死です。掛け声も自然と大きくなって盛り上がり、結果は1対1の同点でノーサイド。大人チームは少々お疲れ気味でしたが、みんな笑顔で2時間のラグビー教室を終えました。
五郎丸さんのキックをキャッチする経験も!
「今日は僕たちのためにありがとうございました!」と、子どもたちから、五郎丸さんと大野さんへ今日の感想とお礼の言葉を伝えました。中学2年生の女の子は、2015年のワールドカップのプレーを見て五郎丸さんのファンになり、タグラグビーを始めたそうです。「今日は会えて本当にうれしかったです」と感極まって涙ぐむシーンも…。
プレゼントがもらえるジャンケン大会を楽しんだ後は、五郎丸さんと大野さんを囲み、子どもたちと保護者から質問する時間も設けました。「小学校1年生のとき、何になりたかったんですか?」との質問に、「お父さんが救急隊だったから、レスキュー隊になりたかった」と五郎丸さん。「ラグビーを始めたきっかけは?」という質問には、「高校まで野球部でしたが、体が大きかったので、大学でスカウトされたのがきっかけ」と大野さんが答えました。また「大会に出場したいけれど人数が足りないので、僕たちのチームに入ってください!」と子どもたちが2人を勧誘するシーンも!
最後に、五郎丸さんがキックしたボールを受け取るというプレゼント企画も実施。「はい、はい!」と手を挙げた中学生や小学高学年がチャレンジし、見事にキャッチした子どももいました。
目の前の課題を乗り越えて、ワールドカップを目指してほしい
盛りだくさんの企画を終え、チーム代表の山崎雄平コーチからは、「2人の指導を拝見し、基本を教えることの大切さを改めて実感し、勉強になりました。コロナ禍は練習や試合ができず、人数が減ってしまいましたが、続けている子どもたちの励みになったと思います」と感謝の気持ちを伝えてくださいました。
練習中、「キンちゃん」と中学生から親しまれていた大野さんは、「本当に楽しかったです。ラグビーは1人じゃできないスポーツ。ラグビーを通じて仲間を大切にしてほしいですね」と感想をくださいました。五郎丸さんからは「素直で透き通る心を持った子どもたち。ワールドカップを見てラグビーを始めた子どももいましたが、その子たちがワールドカップを目指してほしい。目の前の課題を乗り越えて突き進めば、夢ではない。陰ながら成長を見守りたいです」。まだまだこれからも、五郎丸さんが「気持ち高まる瞬間」をシェアするために全国を回ります。お楽しみに!