「責任ある飲酒」を推進するResponsible Drinking部新設
産学医の分野で不適切飲酒の撲滅に注力し、
企業に対する健康経営推進サポートなどを強化
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 松山一雄)は、「責任ある飲酒の推進」に特化したResponsible Drinking部を9月1日付で新設します。これまで取り組んできた筑波大学との共同研究や独自サービス「飲酒量レコーディング」などを活用し、産学医の分野で不適切飲酒の撲滅に向けた取り組みに注力します。「責任ある飲酒の推進」をより強化することで、お客さまが“お酒とのいい関係”を楽しめる社会の実現を目指します。
アサヒビールでは2020年12月から「スマートドリンキング※1(通称:スマドリ)」を提唱しています。ノンアルコール飲料の開発などに取り組む「多様性のある飲酒文化の創造」と不適切な飲酒の撲滅に努める「責任ある飲酒の推進」を二本柱とし、これまでスマドリを推し進めてきました。Responsible Drinking部は「責任ある飲酒の推進」により注力する部署として、企画・支援本部内に9人体制で設置します。これまで、コーポレート・コミュニケーション部内の一部で取り組んでいた筑波大学との共同研究や「飲酒量レコーディング」などの取り組みと、アサヒグループジャパンのサステナビリティ推進部で取り組んでいた適正飲酒セミナーの運営業務をResponsible Drinking部に集約することで、アルコール関連問題に対してよりスピーディーかつ重点的に取り組めるよう社内環境を整えます。今後は、産学医の分野で取り組みを特に強化し、企業に対する健康経営推進サポートに注力していくほか、適正飲酒セミナーの講師を担う人材育成などに取り組みます。厚生労働省が掲げている「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者※2」の割合の削減目標達成に貢献できるよう努めていきます。
アサヒグループは豊かな社会の実現に向けて「アサヒグループ サステナビリティ基本方針」に則って、「環境」「コミュニティ」「責任ある飲酒」「健康」「人権」の5つの重要課題を選出し、取り組みを進めています。「責任ある飲酒」においては、2020年に策定したグローバルスローガン「Responsible Drinking Ambassador(責任ある飲酒大使)」のもと、アサヒグループの従業員一人ひとりが「責任ある飲酒」に責任を持ち、行動をすることで「酒類を取り扱う企業グループとしての飲酒に関する基本方針」の実現を目指しています
国内グループの中で「責任ある飲酒」を中心的に担うアサヒビールは、「責任ある飲酒の推進」に特化した部署を設立することで、スマートドリンキングをより推進し、お客さまが“お酒とのいい関係”をずっと楽しめる社会の実現を目指します。
- ※1:お酒を飲む人・飲まない人、飲める人・飲めない人、飲みたい時・飲めない時、あえて飲まない時など、さまざまな人々の状況や場面における“飲み方”の選択肢を拡大し、多様性を受容できる社会を実現するために商品やサービスの開発、環境づくりの提案
- ※2:多量飲酒者の定義として、1日に摂取する純アルコール量が平均男性40g・女性20gを越える20歳以上の男女
【参考資料】スマートドリンキングの取り組み
「責任ある飲酒の推進」の主な取り組み
適正飲酒セミナーの実施
アサヒグループでは社員が講師となり、お客さまやお取引先、学生など、さまざまな方へ向けた適正飲酒セミナーを国内各地で実施してきました。内容はお酒に関する基本知識や酔いのメカニズム、飲酒する上での注意点、正しいお酒の飲み方など多岐に渡ります。企業の新社会人研修や管理職研修、学生向けのワークショップなど、対象者の状況やニーズに応じて、内容を組み換えて講義しています。2023年は153件の適正飲酒セミナーを開催し、社会人や学生など10,110名が受講しました。
日々の飲酒量を可視化する「飲酒量レコーディング」
アサヒビールは2022年から適正飲酒を推進するサービス「飲酒量レコーディング」を開始しました。これは日々の飲酒量を記録して可視化し、その情報に合わせてお酒の飲み方や商品を提案するものです。サービス開始当初、目標登録者数を開始1年で10万人と設定していましたが、開始約1年で20万人を突破し、現在は43万人が登録しています。ユーザーからは「アルコール量を簡単に可視化できる」「自分なりのコントロール方法を見つけられた」などと好評です。
このサービスはアサヒビールが取り組んだ「責任ある飲酒」をテーマにした社内ワークショップから誕生しました。このワークショップは全国から公募で集まった職種や年代の異なる社員たちが意見やアイデアを積極的に出し合い、経営陣への提案を通して新たな価値の創出に取り組んだものです。
不適切な飲酒の撲滅に向け、筑波大学と共同研究
アサヒビールは筑波大学と共同研究に関する契約を2022年に締結しました。この取り組みは、酒類を扱う企業として不適切な飲酒の撲滅に努めるアサヒビールと、アルコール関連問題対策に取り組むことで社会貢献を目指す筑波大学が、不適切な飲酒の課題解決に向けて共同研究を行うものです。アルコール関連問題対策の第一人者である筑波大学の吉本尚准教授(所属:医学医療系地域総合診療医学)の研究グループと互いの知見や強みを生かして、これまで多量飲酒など不適切な飲酒の社会課題に対する科学的根拠に基づいた研究を進め、 “飲酒量が多い人にノンアルコール飲料を提供することで飲酒量が減少する”ことを実証した論文を2023年に発表しました。この発表内容を踏まえ、本年3月から医療機関ネットワークを保有する株式会社ファンデリーと協業し、医療機関でノンアルコール飲料を活用した飲酒量コントロールの提案を開始しました。
「多様性のある飲酒文化の創造」の主な取り組み
ノンアルコール・低アルコール飲料の提案強化
アサヒビールでは2025年までにノンアルコール・低アルコール飲料の販売量構成比20%を達成することを目標とし、魅力的な商品開発や提案活動に取り組んでいます。
本年4月に全国発売したアルコール分0.00%のビールテイスト飲料『アサヒ ゼロ』は、一度ビールを醸造した後にアルコール分を取り除く「脱アルコール製法」により、アルコール分0.00%でありながら本格的なビールらしい味わいと飲みごたえを実現しました。2023年10月から先行発売した近畿エリアでは「本物のビールのような味わい」「ノンアルコールは苦手だったがこれはおいしい」と好評です。本年全国発売した後、7月には年間販売目標となる60万箱(1箱=大瓶633ml×20本)を突破しました。販売好調を受けて年間販売目標を当初の2倍となる120万箱に上方修正します。
ノンアルコールのカクテルテイスト飲料「スタイルバランスプラス」ブランドは本年3月から“食生活サポート”“睡眠サポート”“素肌サポート”の3つの健康機能を訴求するラインアップに刷新し、TVCMを放映することで飲用者や購入者あたりの購入量が拡大しています。本年1-6月の販売数量は前年比130%と好調です。
スマドリ社によるお酒を飲まない・飲めない人も楽しめるバー
アサヒビールと電通デジタルが2022年に設立したスマドリ社はアルコール分0.00%、0.5%、3.0%のドリンクを100種類以上楽しむことができる『SUMADORI-BAR SHIBUYA』を同年6月に渋谷の商業ビル1・2階にオープンしました。2023年9月には同ビルの5階に、アルコール分0%のドリンクを中心に提供する本格的なバー「THE 5th by SUMADORI-BAR」をオープンし、2つのバーの運営を通して、お酒を飲む人も飲まない・飲めない人も楽しめる場の創出と提案に取り組みます。
『We are飲みトモ!スマドリでええねん!PROJECT!』
2023年3月からは吉本興業とコラボレーションした『We are飲みトモ!スマドリでええねん!PROJECT!』を開始し、飲める人と飲めない人が共に楽しめる社会を表現した動画を展開するほか、スーパーマーケットなどの店頭や飲食店で、アルコール度数別の商品陳列やメニューの展開、販促の提案を強化しました。目標として年間10万人の“飲みトモ”数を掲げていましたが、2023年9月末に達成しました。