【2024年 アサヒビール事業方針】
もっともっと、面白くなる。アサヒビール
〜「お客さまのワクワク」を生む独自価値・新価値の追求〜
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 松山一雄)は2024年の事業方針を「もっともっと、面白くなる。アサヒビール〜「お客さまのワクワク」を生む独自価値・新価値の追求〜」としました。グループ理念“Asahi Group Philosophy”で掲げるOur Mission「期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造」の実現に向けて、既存事業の価値向上と新市場・新価値の創造に取り組みます。
2024年 アサヒビール事業方針
2026年の酒税改正で酒税が一本化されるビール類では、今後も拡大が見込まれるビールカテゴリーの「スーパードライ」と「アサヒ生ビール」の2つのブランドに引き続き注力します。2022年のフルリニューアル以降好調な「スーパードライ」は、スタイリッシュな缶体を使用したスマート缶の発売やブランドの魅力を体感できるコンセプトショップを東京・銀座に開設し、若年層を中心としたブランド体験の機会創出に取り組みます。「アサヒ生ビール」ブランドは「スーパードライ」に次ぐ第2の柱として取り組みを強化し、日本全国を巡る「出張マルエフ横丁」や各種サンプリングなどを通じて1,000万人のブランド体験の機会を創出に取り組みます。「生ジョッキ缶」第2弾としてコンビニエンスストア限定で展開していた『アサヒ食彩』は販路を拡大し、3月5日から国内の全業態で発売します。韓国でも、グループ企業である株式会社ロッテアサヒ酒類が同時期に発売する予定です。『アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶』の販売が好調な韓国とタイミングを合わせた商品展開で、アサヒグループとして話題喚起を図ります。
RTD※1は2023年に立ち上げた「Asahi RTD INNOVATION 2025」の取り組みを加速させ、新ブランドの本格展開を開始します。東北エリアで発売していた『アサヒGINON(ジノン)』を4月2日から全国発売するほか、フルオープン缶技術を活用した新ブランド『未来のレモンサワー』を首都圏・関信越エリアの1都9県にて数量限定で6月11日から発売します
洋酒は、本年創業90周年を迎えるニッカウヰスキーの価値向上に取り組みます。創業90周年記念商品や新ブランドの発売などを通じて、これまで積み重ねてきたニッカウヰスキーブランドの魅力を伝えていきます。
ワインは、中高級ワイン事業の成長に向けて注力します。複数年かけてエノテカに事業を集約し、アサヒグループとして販売を強化します。
アルコールテイスト飲料は、昨年近畿エリアで先行発売したノンアルコールビールテイスト飲料『アサヒ ゼロ』を4月9日から全国発売します。当社の強みを生かした新ブランドの本格展開を通して、ポートフォリオの強化に取り組み、アルコールの代替品として「飲めない時に仕方なく選ぶ」存在から、積極的に「飲みたいから選ぶ」商品への育成に取り組みます。
お客さまにさらなる驚きやワクワク、感動を提供していくために、酒類カテゴリーを横断した「High-Valueカテゴリー」へ注力します。「High-Value」とは、当社独自の価値を持ち、価格に左右されることなく、お客さまに選択され続ける高付加価値商材です。独自の「フルオープン缶」を活用した『アサヒ食彩』や『未来のレモンサワー』をはじめ、歴史あるニッカウヰスキーブランドなど、当社ならではの技術や強みを生かしたブランドの育成に取り組みます。
サステナビリティの取り組みでは、「責任ある飲酒」を中心に社会課題の解決に向けて取り組みを進めていきます。共同研究先である筑波大学などと連携し、多量飲酒者の削減に取り組みます。飲み方の多様性を尊重する「スマートドリンキング」では、アルコールテイスト飲料をはじめとした多様なラインアップを強化し、東京・渋谷の『SUMADORI-BAR SHIBUYA』や『THE 5th by SUMADORI-BAR』、吉本興業とコラボレーションした『We are飲みトモ!スマドリでええねん!PROJECT!』を通した情報発信に注力することで、お酒を飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる社会の実現を目指します。
2023年 アサヒビール概況
2023年のビール類市場の販売数量は、1%程度減少したと見込まれます。そのような中、当社のビール類の販売金額は、6,111億円(前年比103.0%)となりました。
ビールの主力ブランドである「スーパードライ」は、ラグビーワールドカップ2023フランス大会のオフィシャルビールとして試合会場やファンゾーンで提供され、開催国フランスをはじめ世界中のお客さまにブランドを認知していただく機会となりました。国際的なビールコンテスト「ブリュッセルビアチャレンジ2023」では、ラガー・インターナショナルスタイルピルスナー部門で最高賞のゴールドメダルを受賞するなど、海外からも高い評価を受けました。「生ジョッキ缶」の第2弾として、プレミアムビールの新ブランド『アサヒ食彩』を7月からコンビニエンスストア限定で発売するなど、お客さまに多様な選択肢を提案しました。酒税法改正によるビール減税が実施された10月には、お客さまのライフスタイルの多様化とニーズの変化を捉えた新商品として、アルコール分3.5%の『アサヒスーパードライ ドライクリスタル』を発売し、新たな価値の提案に挑戦しました。『アサヒ生ビール』は缶250ml・中びん・大びんを発売し、ラインアップを強化するとともに“まろやかなうまみ”や“ぬくもりのある世界観”をより多くのお客さまに体験していただくことを目的とした「日本のみなさん、おつかれ生です。プロジェクト」を開始しました。
糖質ゼロ※2の発泡酒『アサヒスタイルフリー<生>』や新ジャンル『クリアアサヒ』は、商品・広告・販促を連動させて商品の魅力を訴求し、新規飲用者の獲得と飲用喚起を図りました。
RTDは豊富な果汁フレーバーを展開する「贅沢搾り」など既存ブランドに注力する一方で、新価値創造に向けた新たな取り組み「Asahi RTD INNOVATION 2025」を開始しました。4つの新ブランド「GINON(ジノン)」「グレフルマニア」「まろハイ」「横丁ダルマサワー」を4つのエリアでそれぞれ発売したほか、フルオープン缶技術を活用した新ブランド『未来のレモンサワー』をオンライン上でテスト販売しました。
洋酒は国産ウイスキー「ブラックニッカ」ブランドやプレミアムレンジ商品の「竹鶴」「余市」「宮城峡」に注力しました。『竹鶴ピュアモルト』については、ウイスキーの国際的コンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード2023」で「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」を受賞し、“世界最高賞”のブレンデッドモルトウイスキーとして認定されるなど、海外から高い評価を受けました。
ワインは「サンタ・ヘレナ・アルパカ」に注力し、手軽に楽しめるデイリーワインとして店頭やSNSで情報発信を強化することで、家庭内での飲用シーンを訴求しました。
アルコールテイスト飲料は既存の「ドライゼロ」や「スタイルバランスプラス」に注力したほか、脱アルコール製法でビールらしい味わいを実現したノンアルコールビールテイスト飲料『アサヒ ゼロ』を近畿エリアで先行発売しました。
飲み方の多様性を尊重する「スマートドリンキング」では、吉本興業株式会社とコラボレーションした「We are飲みトモ!スマドリでええねん!PROJECT!」を3月から開始し、目標として掲げていた年間10万人の“飲みトモ”数を9月に達成しました。9月には、2022年に東京・渋谷センター街に開業した 『SUMADORI-BAR SHIBUYA』 と同じビルの5階に、飲めない人も本格的なバー体験を楽しめるオーセンティックバー 『THE 5th by SUMADORI-BAR』 をオープンし、お酒を飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる場の創出に取り組みました。
-
※1:
「Ready to Drink」の略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。
-
※2:
食品表示基準による
2024年 売上目標と前年実績
■ビール類
2024年目標 | 前年比 | 2023年実績 | 前年比 | |
ビール類計 | 6,210億円 | 101.6% | 6,111億円 | 103.0% |
「スーパードライ」計 | 7,395万箱 | 101.6% | 7,278万箱 | 105.2% |
---|---|---|---|---|
スーパードライ | ー | ー | 7,131万箱 | 103.5% |
スタイルフリー | 1,240万箱 | 101.7% | 1,219万箱 | 97.7% |
クリアアサヒ | 1,260万箱 | 88.9% | 1,417万箱 | 98.9% |
■ビール類以外のカテゴリー
2024年目標 | 前年比 | 2023年実績 | 前年比 | |
洋酒 | 617億円 | 93.1% | 663億円 | 119.9% |
RTD | 390億円 | 106.0% | 368億円 | 103.0% |
ワイン | 470億円 | 101.7% | 462億円 | 103.5% |
焼酎 | 200億円 | 89.3% | 224億円 | 107.1% |
アルコールテイスト飲料 | 442億円 | 103.3% | 428億円 | 106.9% |
-
※
箱は大びん633ml×20本で換算
-
※
2023年実績(金額)は、1,000万円の桁を四捨五入
-
※
2023年実績(箱)は、1,000箱の桁を四捨五入