ニュースリリース
アサヒビール株式会社のニュースリリース
アサヒビール株式会社
酒類リターナブル容器商品の価格改定について
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 平野伸一)は、2017年6月に施行された改正酒税法・酒類業組合法の「酒類の公正な取引の基準(以下、「新基準」)と、厳しさを増す物流環境に対応するため、2018年3月1日より、酒類リターナブル容器(該当容器:瓶・樽詰、該当種類:ビール類・リキュール・焼酎)の一部商品の生産者価格を改定します。
新基準(※1)は、酒類業組合法 第86条の3第一項の規定に基づくもので、酒類製造業者又は酒類販売業者(以下、「酒類業者」)が行う酒類の取引に適用されます。酒類業者がこの新基準を遵守しない場合は、「指示」「公表」「命令」「製造免許又は販売免許の取消」といった4段階で法的な規制を受けることになります。
法的な規制を受ける主な内容は以下の2点になります。
- ① 正当な理由なく、酒類を継続して総販売原価を下回る価格(総販売原価割れ)で継続して販売すること。(総販売原価:売上原価の額と販売費および一般管理費の額の合計)
- ② 自己又は他の酒類業者の酒類事業に相当程度の影響を及ぼすおそれがある取引をすること。
ビール類の総市場は1994年をピークに減少しているなか、リターナブル容器商品は、飲用シーンの変化や外食市場の低迷などにより減少幅が大きくなっています。具体的には、瓶商品の2016年出荷数量は2008年比で約40%減少しており、同様に樽詰商品は約8%減少しています。
また、酒類業界を取り巻く物流環境は、車両不足やドライバー不足による物流費の上昇などにより厳しさが増しています。そうしたなか、リターナブル容器商品は、缶商品などのワンウェイ容器とは異なり、空容器の回収・洗浄・保管等の負担が増加しています。
当社は、製造・物流・営業・管理各部門の効率化などにより収益性の向上に努めてまいりましたが、当該商品の採算悪化が続くなか、総販売原価割れ、もしくは近い将来総販売原価割れとなる可能性が高くなっているため、法令遵守の観点より生産者価格を改定することにいたしました。
なお、採算が悪化している樽詰容器のリキュール・焼酎についても同様の理由で改定します。
当社は今後も、酒税の保全及び酒類の取引の円滑な運行を図る観点で施行された改正酒税法・酒類業組合法の「酒類の公正な取引の基準」を遵守するとともに、高品質な商品や新たな価値をお客様に提供し続けるため、より一層努力していきます。
<生産者価格改定の対象>
種類 | 容器 |
ビール類 輸入商品(バス ペールエール除く)は対象外 |
大瓶(633ml)、中瓶(500ml)、小瓶(334ml)、 樽詰容器(5L、10L、19L、20L、30L) |
リキュール | 樽詰容器(10L、19L) |
焼酎 | 樽詰容器(10L、19L) |
(※1)改正酒税法・酒類業組合法の「酒類の公正な取引の基準(国税庁HPより一部抜粋)
https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/koseitorihiki/tokusyu201604/pamph01.pdf
「酒税の保全及び酒類の円滑な運行」及び「酒類の適正な販売管理の確保」を図ることを目的とした酒税法等の一部改正法が平成28年6月3日に公布され、これに基づき、平成29年3月31日に、「酒類の公正な取引に関する基準」(国税庁長官告示)が策定されました。この基準を含む一部改正法は、平成29年6月1日から施行されます。
1、酒類の公正な取引に関する基準関係
- ・基準の対象:平成29年6月1日以降に酒類業者(製造・卸・小売)が行う酒類の取引
- ・基準の概要:酒類業者は、次のいずれにも該当する行為を行ってはいけません。
- ① 正当な理由なく、酒類を総販売原価を下回る価格で継続して販売すること
- ② 自己又は他の酒類事業者の酒類事業に相当程度の影響を及ぼすおそれがある取引をすること。
- ・その他の「基準」に関する改正
- ① 基準を遵守していない酒類事業者に対して「指示」、これに従わない場合には「公表」。更に、一定の場合(※2)には「命令」、命令に従わない場合には「罰則」の適用や「免許取消」となる場合があります。(※2)「一定の場合」とは、「酒税の円滑かつ適正な転嫁が阻害され、又は阻害されるおそれがあると認められるとき」をいいます。
2、酒類販売管理研修の義務化関係
- ① 酒類販売管理者研修(初回研修)の受講の義務化
- ② 3年ごとの酒類販売管理者研修(定期研修)の受講の義務化
- ③ 標識掲示の義務化