ニュースリリース
アサヒビール株式会社のニュースリリース
アサヒビール株式会社
アサヒグループのグローバル戦略を支える“技術力”を世界にアピール
ビール醸造技術において世界的に権威のある学会
「EUROPEAN BREWERY CONVENTION」で研究成果を発表
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 平野伸一)は、ビール醸造技術において権威のある「EUROPEAN BREWERY CONVENTION(以下、「EBC」) 2017」(2017年5月14日〜18日、スロベニア)にて、当社が取り組むビール醸造研究の最新の研究成果を発表しました。
「EBC」は、ビール醸造技術に関して欧州で権威のある学会であり、世界的に権威のある学会のひとつです。本学会での発表に際しては、技術レベルの高さや世界的なビール醸造技術の向上への貢献度などについての審査があり、厳しい選考に通過することが必要です。
今回、当社は7つの演題が採択され、うち3演題を口頭発表したことは、当社の技術力・研究領域の広さが証明されたものだと考えます。中でも“キレ”に関する研究テーマと、「ノンアルコールビール」に関する研究テーマについては、海外の醸造関係者から注目を集めました。
“キレ”に関する発表をする大室研究員
ビ−ルテイスト飲料の新たな製法について発表する
伊藤研究員
海外の醸造関係者が多く集まる本学会での発表は、当社の高い技術力を世界へアピールする機会として、アサヒグループのグローバル戦略に貢献するものと考えています。今後もお客様の“うまい”のために更なるおいしさの探究をしていきます。
主な発表2演題
◇“キレ”の良い高発酵性下面ビール酵母の遺伝子解析
Genetic analysis of bottom-fermenting brewer’s yeast imparting good KIRE (crispness) to beer taste.
『アサヒスーパードライ』に使用しているビール酵母は、“キレ”のあるビールをつくりだす優良株として当社の数百種類ある酵母バンクの中から選抜されました。キレの強弱は発酵の過程で、ビール酵母が食べ残す糖の量に大きく影響されます。これまで、『アサヒスーパードライ』に使用しているビール酵母が“キレ”のあるビールをつくることができる理由として、高い発酵能力(糖を食べてアルコールや炭酸ガスをつくる力)を有していることがわかっていました。このビール酵母の特徴を遺伝子レベルで解明し、新たな知見を得ることで、ビール醸造技術を向上させることを目的として研究をおこないました。その結果、遺伝子解析により、『アサヒスーパードライ』に使用しているビール酵母が“キレ”のあるビールをつくることができる理由として、特定の遺伝子(①糖の取り込みに関わる遺伝子、②増殖に関わる遺伝子、③アルコールや炭酸ガスの生成に関わる遺伝子)を多く持っていることが分かりました。
Development of a non-alcoholic beer with a novel idea undertaken by casting off preconceptions about beer.
当社は、ノンアルコールビールテイスト飲料『アサヒ ポイントゼロ』を2009年9月に、『アサヒ ダブルゼロ』を2010年8月に発売しました。これらの製品は、アルコール度数を0.00%にするため、発酵工程を経ない製法を用いていています。一般的にビールは、麦芽、ホップ、副原料を原料として作られる麦汁に酵母を加え、発酵・熟成工程を経て製造されており、この発酵・熟成工程でビールの風味が形成されます。しかしアルコール度数0.00%のノンアルコールビールテイスト飲料では、麦汁を発酵させずに用いる方法を主に用いるため、ビールの風味をあまり感じることが出来ませんでした。
そこで、よりビールに近い味を実現するために、ビールの嗜好価値や成分を消費者調査や化学分析で調べ、麦を使わず調合のみでビールにより近い味わいを実現するという全く新しい製法を生み出しました。この製法で発売されたのが現在発売されている『アサヒドライゼロ』です。