ニュースリリース
アサヒビール株式会社のニュースリリース
アサヒビール株式会社
〈2013年 アサヒビール事業方針〉
すべてはお客さまの「うまい!」のために。
〜新価値を創出・提案し続け、“価値で選択される企業”を目指す〜
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 小路明善)は、「中期経営計画2012」の最終年度を終え、「アサヒグループ長期ビジョン2015」(2009年12月発表)の実現に向け、新しい年度をスタートさせました。
2012年のアサヒビール社は、“スーパードライ初のエクステンション商品”『アサヒスーパードライ−ドライブラック−』や“ドライなノドごしとクリアな後味”のビールテイスト清涼飲料『アサヒドライゼロ』など新価値提案型商品の発売や、西宮工場の吹田工場への機能統合による生産効率向上など、成長と収益性向上を見据えた積極的な施策の実施により、着実に成果を挙げることができました。
2013年は、「中期経営計画2015」(発表は別途いたします)の初年度として、お客さまの求める価値の創出・提案および基盤の強化に取り組み、計画を確実に実行してさらなる成長を図るとともに、アサヒグループを支える中核会社として、グループ全体の成長をリードしていきます。
2013年のアサヒビール事業方針
【1】ビール類事業
酒類業界にとって2013年は、消費税増税を翌年に控え、耐久消費財への消費流出や景気の停滞・減速による消費マインドの低下、節約志向などにより、今までにない厳しい環境となるものと予測されます。また、お客さまの消費行動については、より付加価値の高いもの、よりコストパフォーマンスの高いものを「選択」するという傾向が顕著になるものと想定されます。
そこで、アサヒビールは今まで以上にお客さまの視点に立ち、お客さまのニーズ、市場のトレンドを的確に捉えた価値のご提案により、お客さまに「選択される」商品・企業を目指します。
具体的な方針としては、2013年の活動キーワードとして『すべては、お客さまの「うまい!」のために。』を掲げ、全社員が“お客さまに「うまい!」と言っていただける商品を提供する”というアサヒビールの原点に立ち返り、お客さまの求める付加価値・新価値のご提案をおこなっていきます。これにより、アサヒビールは“価値で選択される企業”を目指していきます。
最大の強みであるビール類については、ビールの主力『アサヒスーパードライ』、新ジャンルの主力『クリアアサヒ』、“糖質ゼロ発泡酒のパイオニア”『アサヒスタイルフリー』の基幹ブランドの強化に注力します。また、昨年2月に発売しビールテイスト清涼飲料の主力ブランドに成長した『アサヒドライゼロ』についても引き続き育成を図っていきます。
「ビール」においては、主力の『スーパードライ』のブランド強化に注力し、前年実績突破を目指します。本年で発売27年目を迎える『スーパードライ』は、“氷点下のスーパードライ”でご好評を頂戴している「エクストラコールド」の拡大展開に向け、従来の「省スペース型ディスペンサー」よりも、さらに「省コストかつ省スペース」を実現した、新しい「エクストラコールド」専用ディスペンサー「新ディスペンサーシステム(空冷タイプ)」の開発に成功。本年より本格導入を開始し、お取り扱い店数トータルで5,000店を目標に取り組んでいきます。また、昨年発売し、伸長する濃色ビール市場のけん引役となった『スーパードライ』初のエクステンション商品『アサヒスーパードライ−ドライブラック−』をクオリティアップし、新規飲用層の獲得とビール市場での浸透・定着を図ります。
※『スーパードライ』の2013年マーケティング戦略については別途ご案内します。
「新ジャンル」については、2012年の市場の伸びは鈍化傾向を示していたものの、景気低迷や減速、消費税増税を控えての低価格志向などにより、2013年もビール類内の新ジャンルカテゴリー構成比は小幅ながらも高くなっていくものと考えられます。
そこで、アサヒビールでは、これまで以上に新ジャンルカテゴリーの強化を図っていきます。具体的には、新ジャンル市場のけん引役を担い、カテゴリーを代表するブランドへと成長した主力の『クリアアサヒ』につき、本体のクオリティアップに加え、ブランド初のエクステンション商品『クリアアサヒ プライムリッチ』を発売し、ブランドパワーの底上げに注力します。
また、健康志向の高まりを背景に好調な推移を続ける“プリン体オフ、糖質オフ”※1の『アサヒオフ』といった、健康に配慮した既存ブランドについても引き続き強化・育成していきます。
※1:いずれも発泡酒をベースとした当社「リキュール(発泡性)①」比。
「発泡酒」では、“糖質ゼロ発泡酒のパイオニア”※2として、本年発売7年目を迎える主力の『アサヒスタイルフリー』を積極的な施策の実施により強化していきます。
※2:栄養表示基準に基づき、糖質0.5g(100ml当たり)未満を糖質ゼロとしています。
2013年のビール類の主な販促施策としては、本年3月開催の世界的なイベント「WORLD BASEBALL CLASSIC」(以下WBC)にあわせ、期間限定の新ジャンル『アサヒウイニングブリュー』および「WBC日本代表応援」デザイン缶商品の発売や、消費者キャンペーンの展開など、さまざまなWBC応援施策の展開により、大会の盛り上げと販売増を図っていきます。
生産面では、従来の「商品およびお客様の安心・安全」を担保する取り組みをさらに深めるとともに、従業員の安全確保にも積極的に取り組みます。これらの活動を元に、昨年実施した吹田工場への西宮工場のビール類生産機能の統合といった生産体制の変化に対して、生産性をより高めるための工程改善、ムダ排除、歩留まりの向上などに取り組み、生産効率の向上を図ります。 また物流面では、物流インフラの活用によるグループ製品の取り扱い数量増大化や適正在庫管理による工場間の物流量削減など、さらなる効率化を図っていきます。
【2】ビール類以外の酒類事業
ビール類以外の酒類事業では引き続き収益性の向上に取り組むとともに、それぞれのカテゴリーにおける中核ブランドの育成と強化を図ります。また、昨年9月に導入した「洋酒ワイン専任体制」により、プレミアムウイスキー『竹鶴』や、本年より新たに取り扱う「ブラウンフォーマン」社商品、中高級価格帯ワインなどの営業活動を強化しお取り扱い飲食店の拡大を図っていきます。
「洋酒」では、国産商品については、クリアな飲み心地が好評の『ブラックニッカ クリア』と、創業者・竹鶴政孝の名を冠したモルトウイスキー『竹鶴』を最重点ブランドと位置づけ、さらにお客様に親しんでいただける取り組みにより、国産ウイスキーでの地位を高めていきます。また、『余市』『宮城峡』についても蒸溜所基点での情報発信を図り、ニッカブランドの価値向上につなげていきます。輸入商品においては、「ブラウンフォーマン社」商品の拡販に重点を置き、アメリカンウイスキーの販売量世界No.1ブランド『ジャックダニエル』や、『アーリータイムズ』といった主力商品を中心に、アサヒビールならではの商品提案や広告・販促活動の積極的な展開を実施し、さらなる拡大を図ります。また1月24日より『ジャックダニエル』のコンセプトバー「ジャックダニエル リンチバーグ バレルハウス」を期間限定で東京・銀座にオープンし、お客さまにブランドの世界観をお伝えしていきます。
「ワイン」は、国産商品では、気軽に楽しめるカジュアルなワイン『サントネージュ リラ』を最重点ブランドと位置付け、ワインを日常的に楽しんでいただく新しい飲用シーンを提案していきます。輸入商品については、家庭用デイリーワインではチリ産『アルパカ』、スペイン産『アルバリ』、業務用デイリーワインではチリ産『カリテラ』、フランス産『サン・ヴァンサン』を重点ブランドとして展開します。またファインワインについては、フランス産『ルイ・ラトゥール』を中心に、本年1月より品揃えを強化したイタリア産やニュージーランド産を加えた複数の原産国で展開します。家庭用・業務用ともに充実した多彩なラインアップから多様なお客さまのニーズにお応えしていきます。
「低アルコール飲料」では、アルコール度数3%以下の<ローアルコール市場>と、アルコール度数7%以上の<高アルコール市場>が伸長していることから、この2つの市場活性化に向けて取り組みを強化していきます。具体的には、<ローアルコール市場>においては『カクテルパートナー』、<高アルコール市場>においては新ブランドを発売し、より新しい価値を提案していきます。
「焼酎」では、家庭用市場においては、本年10月13日をもって発売20周年を迎える『かのか』を最重点ブランドとして価値向上に注力し、マーケティング投資を集中し成長を図ります。また、業務用市場においては本格芋焼酎『さつま司』と『薩摩こく紫』を中心に新規取り扱い店数を拡大し本格焼酎における当社のプレゼンス拡大を図ります。
「ビールテイスト清涼飲料(アルコール度数0.00%)」においては、昨年2月に新発売し、“ドライなノドごしとクリアな後味”という特長がご好評を頂戴している『アサヒドライゼロ』について、TVCMをはじめ、店頭販促策など積極的なトータルマーケティングを推進し、市場における一層の存在感アップとブランド強化を図っていきます。
「RTDテイスト清涼飲料」の『ゼロカク』は“カクテルテイスト清涼飲料のパイオニア”として、引き続き家庭用・業務用の両市場において取り組みを強化します。
2012年のアサヒビール概況
【1】ビール類事業
2012年のビール類総市場(ビール・発泡酒・新ジャンル)が前年並みから1%程度のマイナスと見込まれる中で、「ビール」についても同様に前年並みから1%程度のマイナスと見込んでおり、ビール類内構成比については50%以上を超えたものと見ています。また「発泡酒」は8〜9%程度のマイナスとなりましたが、「新ジャンル」は1〜2%程度前年を上回ったものと推定しています。
アサヒビールのビール類トータル販売数量は、16,320万ケース※3(前年比98.3%)と若干前年
を下回りましたが、ビールの主力『アサヒスーパードライ』は『アサヒスーパードライ−ドライブラック−』の発売も寄与し、ブランド合計で10,880万ケース(前年比100.3%)と前年実績を上回りました。そのような中、本格展開3年目となる「エクストラコールド」は、展開開始以来のトータルお取り扱い店数が、12月末時点で2,815店に拡大しました。(内、2012年の新規お取り扱い店数は1,160店)
また、「エクストラコールド」をより多くのお客さまに体感していただくための情報発信拠点として、2011年に引き続き東京銀座ほか4都市にて期間限定でオープンした「アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR」もご好評を頂戴し、4店舗合計のご来店お客様数は、当初目標のご来店お客様数150,000名の約2割増にあたる約184,000名となり、2011年と比較しますと約1.4倍のお客さまにご来店いただきました。
尚、『スーパードライ』の年間販売数量は、昨年12月20日に発売3年目の1989年以来、24年連続で年間販売数量1億ケースを超え、発売以来の累計販売数量は33億ケースを突破しています。
※3:ビール類の1ケースは、大瓶633ml×20本換算。(以下同様)
新ジャンルの主力ブランド『クリアアサヒ』は、年間販売数量2,377万ケース、前年比は98.2%で、発売5年目にして累計販売数量1億ケースを突破。新ジャンルカテゴリーの定番ブランドとして浸透・定着しています。
昨年に発売6年目を迎えた“糖質ゼロ発泡酒のパイオニア”『アサヒスタイルフリー』は、年間販売数量1,190万ケース、前年比98.9%と微減にはなりましたが、5年連続で販売数量1,000万ケースを超えるなど、減少幅の大きい発泡酒市場にあって、ますます大きな存在感を示しています。
【2】ビール類以外の酒類事業
ビール類以外の酒類カテゴリーでは、各カテゴリーにおける主力ブランドが市場での存在感を高めることができました。
「洋酒」は、『竹鶴17年ピュアモルト』が、ウイスキーの国際的コンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード2012」で初の“ワールド・ベスト・ブレンデッド・モルトウイスキー”を受賞し、『竹鶴』ブランドとしては4年連続5回目の受賞となりました。当社最大のブランド『ブラックニッカ クリア』は、微減にはなりましたがクリアな味わいのウイスキーとしてご好評いただいています。また、ニッカブランドの世界的な評価を受けて、海外輸出数量も拡大しています。前年比131%で着地した好調な欧州市場に加え12月から米国市場への輸出を開始しました。
「ワイン」は、「気軽に日常的に楽しめるワイン」としてご提案した、国産ワインの新ブランド『サントネージュ リラ』が、2012年9月25日に発売したPET320mlもご好評を頂戴し前年比264%の大幅増となる37万ケースを販売しました。国産ワイン合計では、年間販売数量前年比116%と好調に推移しました。輸入ワインにおいてもチリ産『カリテラ』『サンタ・ヘレナ』、イタリア産『ガンチア』などのデイリーワインを中心に好調に推移し、年間販売量前年比115%となりました。
「低アルコール飲料」では、伸長する<ローアルコール市場>において、『カクテルパートナー』『Slat(すらっと)』ブランドの取り組みを強化し、特に女性を中心にご好評を頂戴しています。また2011年9月に発売した、えひめ飲料「ポンジュース」で使用している果汁を原料とした『果実の瞬間 贅沢みかんテイスト』は、2012年9月にリニューアルを実施し、現在も好調に推移しています。
「焼酎」では、主力ブランドである『かのか』のパッケージリニューアルや、新商品『かのか 焼酎ハイボール』の発売を通じて焼酎の飲用シーンを広げ、『かのか』ブランドのさらなるユーザー拡大に取り組みました。
「ビールテイスト清涼飲料(アルコール度数0.00%)」では、昨年2月に新発売した『アサヒドライゼロ』が“ドライなノドごしとクリアな後味”という特長でご好評をいただき、年間販売数量が、当初目標の300万ケースの約7割増となる502万ケースとなりました。また、『アサヒドライゼロ』は発売以来、飲食店からのご支持も頂戴し、年間取り扱い店数が14万店を突破(147,543店)し、順調に間口を拡大しています。
2010年9月に発売した『アサヒダブルゼロカクテル』は、アルコール分0.00%にも関わらずお酒らしい味わいが楽しめるという特長がご支持を頂戴し、“カクテルテイスト清涼飲料のパイオニア”として新しい市場を開拓してきました。2012年9月には、より親しみやすく覚えやすいブランドを目指し、『アサヒゼロカク』としてパッケージとネーミングを一新しました。
2013年アサヒビール 酒類事業販売目標と前年実績
■ビール類
|
2013年目標 |
前年比 |
2012年実績 |
前年比 |
ビール計 |
11,100 |
100.0% |
11,100 |
100.2% |
スーパードライ計 |
10,880 |
100.0% |
10,880 |
100.3% |
発泡酒計 |
1,450 |
93.5% |
1,550 |
93.9% |
スタイルフリー |
1,140 |
95.8% |
1,190 |
98.9% |
新ジャンル計 |
3,850 |
104.9% |
3,670 |
94.3% |
クリアアサヒ計 |
2,800 |
117.8% |
2,377 |
98.2% |
オフ |
730 |
97.7% |
747 |
100.0% |
総合計 |
16,400 |
100.5% |
16,320 |
98.3% |
※2012年実績の各ジャンル計は、1万の桁を四捨五入
|
2013年目標 |
前年比 |
2012年実績 |
前年比 |
ドライゼロ |
700 |
139.4% |
502 |
− |
ゼロカク |
254 |
155.8% |
163 |
95.3% |
※『ドライゼロ』1ケースは、大瓶633ml×20本換算
『ゼロカク』1ケースは、缶250ml×24本換算
■ビール類以外のカテゴリー
|
2013年目標 |
前年比 |
2012年実績 |
前年比 |
洋酒 |
380 |
127.5% |
298 |
96.4% |
ワイン |
126 |
109.6% |
115 |
108.5% |
低アルコール飲料 |
320 |
111.1% |
288 |
102.1% |
焼酎 |
334 |
102,1% |
327 |
81.1% |
アルコールテイスト飲料 |
289 |
137.6% |
210 |
452.4% |
その他酒類 |
1 |
100.0% |
1 |
85.6% |
総合計 |
1,450 |
117.0% |
1,239 |
107.9% |