*Firefox最新版をご利用のお客様へ* ページの背景画像が正しく表示されない場合、こちらをクリックお願いします。

 

ニュースリリース

アサヒビール株式会社のニュースリリース

ニュースリリース2012年

2012年04月16日
アサヒビール株式会社

アサヒビール学術振興財団
30周年記念特別シンポジウム

『空から見た地球環境』
開催のお知らせ

 公益財団法人アサヒビール学術振興財団(所在地 東京都墨田区、代表理事 川面 克行)は、5月16日(水)に、30周年記念特別シンポジウム『空から見た地球環境』をアサヒ・アートスクエアにて開催します。このシンポジウムへの参加者180名様を募集します。

 アサヒビール学術振興財団は、1984年の財団設立以来、人と社会の未来を展望し、学術研究の発展と国民生活の向上に寄与することを目標として、日本国内の大学・研究所等に所属する研究者または学識があると認められる個人およびグループを対象に、主として食に関わる「生活科学」「生活文化」及び「地球環境科学」「サスティナブル社会・経済学」の4部門に関する研究活動の助成をおこなうとともに、各種研究に関する発表やシンポジウムなどを開催しています。

 今回、アサヒビール学術振興財団では、財団設立30周年となる2014年にむけ、本年より「30周年記念特別シンポジウム」を開催、毎年継続して実施していきます。

 初回となる本年の「30周年記念シンポジウム」は、第一部は、アサヒビール学術振興財団が「地球環境科学」部門で5年間に渡ってサポートしてきた東北大学名誉教授の中澤高清氏らによる特別講演「定期航空機による区域観測を基にした温室効果期待の地球規模変動の研究」をはじめ、北里大学副学長の陽捷行氏、筑波大学名誉教授の及川武久氏、国立環境研究所地球環境研究センター大気・環境モニタリング推進室室長の町田敏暢氏による講演。第二部は講演を行なったパネリストによるパネル討論の構成となっています。
 今回の中心となる東北大学の中澤教授らによる特別講演「定期航空機による区域観測を基にした温室効果期待の地球規模変動の研究」は、旅客機に観測装置を搭載し、世界の上空のCO2を観測することによって地球全体の環境悪化の状況を分析した結果を発表します。その他、講演内容の概要については末尾【講演の要旨】をご参照ください。

【アサヒビール学術振興財団 30周年記念特別シンポジウム 概要】
タイトル 『空から見た地球環境』
日時 5月16日(水)13:30〜17:00
場所
アサヒ・アートスクエア
(アサヒビール吾妻橋本部ビル隣、スーパードライホール4階)
スケジュール
概     要

13:00
開場・受付開始
13:30〜13:40
主催者挨拶 竹田 義信(アサヒビール学術振興財団事務局長)
第一部 13:40〜15:30
【講演】
13:40〜14:00

北里大学 副学長 陽 捷行氏
  「はなしのはじめ:地球生命圏における人類」
14:00〜14:20

筑波大学 名誉教授 及川 武久氏
  「生活圏と大気海洋をめぐる炭素」
【特別講演】
14:20〜14:50


国立環境研究所 地球環境研究センター
大気・環境モニタリング推進室 室長 町田 敏暢氏 他共同研究者
「航空機がとらえた二酸化炭素の新しい循環像」
14:50〜15:30

東北大学 名誉教授・客員教授 中澤 高清氏
「気候を変える温室効果気体−その増加を探る−」
第二部 15:40〜17:00
【パネル討論】
15:40〜17:00

テーマ「これからの人類・地球共生系」
パネリスト:中澤 高清氏、町田 敏暢氏、陽 捷行氏、及川 武久氏
※シンポジウム終了後、出演者との懇談会があります。
参加費

無料 (事前の申し込みが必要)

定員

180名様 (定員を超えた場合は抽選)

応募方法

Webサイトからの応募のみ受付
http://www.asahibeer.co.jp/30kinen
※ お申し込みは20歳以上の方に限らせていただきます。同伴者は未成年の方も可です。

応募締切

5月9日(水)10:00まで

発表

当選者には、Eメールにてお知らせ。

主催

アサヒビール学術振興財団

後援

墨田区(申請中)

講師

中澤 高清 (なかざわ たかきよ)
1947年生。76年東北大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。理学博士。東北大学理学部助手、助教授を経て、94年教授。これまで、気体の光吸収特性および温室効果ガスの全球循環に関する研究を実施。現在、東北大学名誉教授・客員教授。

町田 敏暢 (まちだ としのぶ)
1965年埼玉県生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程修了。国立環境研究所研究員、主任研究員を経て、現在は国立環境研究所地球環境研究センター大気・海洋モニタリング推進室長。東北大学大学院環境科学研究科客員教授併任。この間、茨城大学理学部非常勤講師、第39次南極地域観測隊(夏隊)、フランスLSCE滞在研究員を併任。専門は大気中温室効果ガスの地球規模循環の解明。特に航空機を使った温室効果ガスの観測研究。

陽 捷行 (みなみ かつゆき)
1943年山口県萩市生まれ。1971年に東北大学大学院農学研究科博士課程修了、同年農林省入省。1977年から1978年まで米国アイオワ州立大学客員教授、2000年より農水省農業環境技術研究所所長、2001年より独立行政法人農業環境技術研究所理事長。2005年より北里大学教授、2006年から同副学長を務める。日本土壌肥料学会賞、環境庁長官賞・優秀賞、日経地球環境技術賞・大賞、日本農学賞・読売農学賞、国際大気汚染防止団体連合Yuan T. Lee国際賞、IPCCチーフリードオーサーなどを受賞。

及川 武久 (おいかわ たけひさ)
1942年生まれ。筑波大学・名誉教授。専門は植物生態学、特に長年、生態系のコンピュータシミュレーションを手がける。熱帯林の炭素動態シミュレーションなどの結果から、高CO2環境は一時的には熱帯林の光合成を活発にし、バイオマスは増えるが、そのために林床は暗くなり、後継者になるべき次代を担う稚樹が育たずに、ゆくゆくは熱帯林は崩壊する、という斬新な衝撃的な予測を1986年に発表するも、今のところ誰からも受け入れられていない。しかし、今世紀末には及川予言が正しかったことが判明するに違いない、と本人は確信している。

小川 利紘 (おがわ としひろ)
1940年山口県生まれ。東京大学大学院を修了し理学博士。東京大学名誉教授。東京大学理学部で助手・助教授・教授をへて宇宙開発事業団(現JAXA)地球観測研究センターの研究ディレクターを歴任。この間、米国コロラド大学環境研究所・宇宙航空研究所・国立極地研究所・気象研究所・国立環境研究所の客員を務め、米国航空宇宙庁(NASA)との共同研究を進めた。研究対象は、電離層・オゾン層などの高層大気から地表近くの大気化学環境へと拡がり、ロケット+人工衛星・気球・航空機を利用した観測に従事した。生物圏と大気圏との相互作用を観測研究することで地球環境科学の分野に係わり、また地球表層と大気環境のリモートセンシング観測にも関与している。

【講演の要旨】

第1部:講演

「はなしのはじめ:地球生命圏における人類」

陽 捷行 (北里大学副学長)

 46億年前に地球が誕生し、大気圏、水圏、地殻圏、生物圏、土壌圏などが分化したあと、今から約1万年前に人間圏と称される新しい圏が誕生した。この人間圏は拡大を続け、今では70億の人口が地球生命圏にひしめいている。地球生命圏はこの圧力に耐えられるのであろうか。
 天空からは温暖化やオゾン層破壊、海原からは富栄養化や海面上昇、大地からは土壌侵食や重金属汚染など、地球生命圏の悲鳴や慟哭が聞こえる。
 物質と時間と空間を対象とし、観察と分析を真理探究の手法とする科学で、はたして地球生命圏ガイアのこの危機を乗り越えることができるのであろうか。

「生物圏と大気海洋をめぐる炭素」

及川 武久 (筑波大学名誉教授)

 CO2は大気圏-海洋-陸域生物圏の間で大規模な循環系を形成している。18世紀にイギリスで産業革命が起こるまではほぼ定常状態を保っていたが、産業革命を機に石炭・石油の大規模な燃焼に、熱帯林の破壊も加わり、大気中のCO2濃度は年々増加している。そのために、地球温暖化を加速させ、地球環境に諸々の変化を生じるものと予測されている。このような温暖化が特に陸域生物圏にどのような影響を及ぼす可能性があるのか、最近の知見を紹介しよう。

「航空機がとらえた二酸化炭素の新しい循環像」

町田 敏暢 (国立環境研究所 地球環境研究センター 大気・海洋モニタリング推進室 室長)
松枝 秀和(気象庁気象研究所 地球化学研究部 第一研究室長)
澤 庸介 (気象庁気象研究所 地球化学研究部第一研究室主任研究官)

 航空機は運航中に二酸化炭素を排出せざるをえない性を持っており、地球環境にとっての悪者のようにとらえられがちですが、私たちが利用している旅客機が地球環境の研究に大きく役立っていることをご存じでしょうか。
 本プロジェクトでは、日本航空が運航する旅客機に2種類の観測装置を搭載して世界の空の温室効果ガスを観測しています。地球上の温室効果ガスの観測はほとんどが地上で行われていますが、これらの観測に比べて上空のデータはとても不足しており、温室効果ガスが地球大気の中を3次元的にどう循環しているかを理解する妨げになっています。毎日空を飛んでいる旅客機で二酸化炭素を連続して定常的に観測するのは世界初の試みであり、このプロジェクトによって上空における二酸化炭素の観測データを飛躍的に増やすことができました。
 講演会では、観測の歴史や観測機の様子を紹介するとともに、これらの観測からわかった二酸化炭素の新しい循環像について最新のデータを交えて紹介します。

「気候を変える温室効果気体 −その増加を探る−」

中澤 高清 (東北大学名誉教授・東北大学客員教授)

 地球の大気は主に窒素、酸素、アルゴンから構成されていますが、二酸化炭素やメタン、一酸化二窒素といった気体もわずかに含まれています。これらの気体は温室効果気体と呼ばれており、私たちがこの地球で快適に暮らすことができる穏やかな気候を作り出すために重要な働きをしています。大気中の温室効果気体は長い期間にわたってほぼ一定でしたが、18世紀に起きた産業革命をきっかけに人間活動が活発化し、それに伴って急速に増加しており、近いうちに気候が大きく変化すると懸念されています。
 地球温暖化と呼ばれているこの問題に対応するためには、まず温室効果気体の増加について理解を深め、その知見をもとに将来の大気濃度を予測し、濃度増加を抑えるための対策を立てることが重要です。
 本講演においては、最新の研究成果をもとに、温室効果気体の増加に関する現状の知識を紹介します。

第2部:パネル討論 「これからの人類・地球共生系」

パネリスト:中澤 高清 ・ 町田 敏暢 ・ 陽 捷行 ・ 及川 武久
コーディネーター:小川 利紘

 太古の昔私たちの先祖たちは、広大で変幻自在な自然の中でなすすべもなくかろうじて生き延びてきたのでしょうが、しだいに原野や森林に手をつけることができるようになって、自分たちのものとして利用し始めました。
 原始的な農林業の始まりです。
 その当時はヒトの自然に対する働きかけは小規模でしたから、よほど脆弱な自然環境でなければ、ヒトと自然の共生関係は保持されていたのではないでしょうか。しかし、近代の機械文明の発達によって、大がかりな自然の改変が進行し、環境変容は局地的にとどまらず、地球規模で見られるようになりました。グローバル・チェンジと呼ばれる地球温暖化などの地球規模の変動現象は、人間活動が自然界の仕組みを変えるまでに巨大化したことのあらわれだととらえることができます。
 人間活動の成長をこのまま成り行きに任せたのでは不都合な結末になることは世界中の識者が指摘するところですが、国際政治の場での対応はなかなか進みません。
 ではわたしたちはどうしたらよいのでしょうか。
 パネリストのみなさんは研究者として地球環境の変容をつぶさに見てこられましたが、その知見を生かして対応策についてご提言いただき、会場にお集まりの方々にもご発言いただいて討論を進めていきたいと思います。


【本件に関するお問い合わせ先】


アサヒビール学術振興財団 事務局 電話:03-5608-5202  FAX:03-5608-5201
受付時間 9:00〜17:30(土・日・祝を除く)

  • バックナンバー
  • 2023年
  • 2022年
  • 2021年
  • 2020年
  • 2019年
  • 2018年
  • 2017年
  • 2016年
  • 2015年
  • 2014年
  • 2013年
  • 2012年
  • 2011年
  • 2010年
  • 2009年
  • 2008年
  • 2007年
  • 2006年
  • 2005年
  • 2004年
  • 2003年
  • 2002年
  • 2001年
  • 2000年
  • 1999年

グループ企業のニュースリリース


ページトップ