ニュースリリース
アサヒビール株式会社のニュースリリース
アサヒビール株式会社
【2012年 アサヒビール事業方針】
“新たな価値”の創出・提案により、さらなる飛躍の年へ
〜創って、造って、価値を提供する“市場創造企業”を目指す〜
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 小路明善)は、2009年12月に発表した「アサヒグループ長期ビジョン2015」の実現に向け、「中期経営計画2012」の最終年度をスタートさせました。
「中期経営計画2012」の2年目となる昨年のアサヒビール社は、ホールディング体制への移行に加え、東日本大震災の影響など、社内外において大きな変化の年となりましたが、そのような状況下、国内酒類事業において、成長と収益性向上を見据え、着実に成果を挙げることができました。
本年は、「中期経営計画2012」の最終年度として、お客様の求める価値の創出・提案および基盤の強化に取り組み、計画を確実に実行してさらなる成長を図るとともに、アサヒグループを支える中核会社として、グループ全体での計画達成をリードしていきます。
2012年のアサヒビール事業方針
【1】ビール類事業
消費意欲などの生活者マインドは回復基調になってきたものの、少子高齢化による飲用量の減少、生活防衛意識の高まりによる低価格志向、ワークライフバランスの見直しによる在宅志向など、2012年も厳しい市場環境が続くと見込まれます。そのような環境下、アサヒビール社は品質を最優先としたものづくりによりお客様からの信頼や親近感を醸成し、人と人との「絆」を深めるコミュニケーションツールとしての酒類の新しい価値をお客様にご提供する“市場創造企業”を目指していきます。
また、本年の活動のキーワードとして“Re・元気”を掲げ、「信頼できる確かなもの(Reality)」「人と人とのつながり(Relation)」「リフレッシュ(Refresh)」といった、現在お客様が酒類に求めている価値をご提案することで日本の元気回復(=“Re・元気”)を目指していきます。
最大の強みであるビール類については、ビールの主力『アサヒスーパードライ』、新ジャンルの主力『クリアアサヒ』、“糖質ゼロ発泡酒のパイオニア”『アサヒスタイルフリー』の基幹ブランドの強化に注力します。また、本年2月に新発売するビールテイスト清涼飲料『アサヒドライゼロ』についても育成を図っていきます。
「ビール」においては、主力の『スーパードライ』のブランド強化に注力し、“ビール復権”を掲げて、前年を上回るプラス成長を目指します。本年で発売26年目を迎える『スーパードライ』は、2009年春から実施しご好評を頂戴している、対象品種の売上1本につき1円を各都道府県の環境保全活動などへ寄付する「うまい!を明日へ!プロジェクト」を継続展開、“氷点下”の『スーパードライ』という新しい飲み方提案である「エクストラコールド」の拡大展開、“鮮度”にこだわり、製造後3日以内に出荷した『スーパードライ』をお届けする「できたて直送プレミアムギフト」など、『スーパードライ』ならではの付加価値のご提案を引き続き実施していきます。また、本年は『スーパードライ』としては“初”となるエクステンション商品を発売し、新しいユーザー層の獲得を図っていきます。
※『スーパードライ』の2012年マーケティング戦略については別途ご案内します。
「新ジャンル」については、拡大する新ジャンル市場の牽引役を担い、カテゴリーを代表するブランドへと成長した『クリアアサヒ』につき、クオリティアップを実施し、さらなるブランド強化に注力します。また、健康志向の高まりを背景に好調な推移を続ける“プリン体オフ、糖質オフ”※1の『アサヒオフ』、“新ジャンルでありながら糖質ゼロ”※2の『アサヒブルーラベル』などの健康に配慮した既存ブランドについても引き続き強化・育成していきます。
※1:いずれも発泡酒をベースとした当社「リキュール(発泡性)①」比。
※2:栄養表示基準に基づき、糖質0.5g(100ml当たり)未満を糖質ゼロとしています。
「発泡酒」は、市場が減少傾向にある中で、“糖質ゼロ発泡酒のパイオニア”として、健康志向を背景に、昨年発売5年目にして過去最高の販売数量を達成し、好調な推移を続ける『スタイルフリー』を積極的な施策の実施により強化していきます。
また、本年は市場が急拡大している「ビールテイスト清涼飲料(アルコール度数0.00%)」において、“ドライなノドごしとクリアな後味”が特長の新商品『アサヒドライゼロ』を2月21日に発売します。発売に合わせて、TVCMをはじめ店頭販促などトータルマーケティングを展開し、短期間での浸透・定着とブランド育成を図ります。
ビール類の販促施策としては、「ロンドンオリンピック」の開催にあわせ、日本の皆様に勇気と元気をお届けするため、「オリンピック日本代表」の応援商品発売や応援広告・販促の展開等、様々な応援施策を展開していきます。尚、発売する「オリンピック日本代表」の応援商品については、売上げ1本につき1円を東日本大震災で被災した東北地域に寄付し、スポーツ振興等にお役立ていただく予定です。※3
※3:2009年から実施している「うまい!を明日へ!プロジェクト」については、オリンピック施策とは別に実施します。
施策の詳細につきましては、決定次第ご案内します。
生産面では、東日本大震災で顕在化した電力供給不安への対応として、工場での自家発電設備の整備等を進め、安定した商品供給体制を整えます。さらに収益構造改革として、震災の影響により延期していた吹田工場への西宮工場のビール類生産機能の統合実施等、設備および人員の最適配置を進めることで、生産効率の大幅な向上を図っていきます。
【2】総合酒類事業
総合酒類事業では取引条件の見直しなど収益性の向上に引き続き取り組むとともに、それぞれのカテゴリーにおける中核ブランドの育成と強化を図り、プレゼンスの拡大を図ります。
「低アルコール飲料」では、『Slat(すらっと)』『カクテルパートナー』を重点商品として引き続き情報発信を強化し、ブランド価値の向上を図ります。また、既存ブランドの『果実の瞬間』『スパークス』についても、育成していきます。
「カクテルテイスト清涼飲料」の『ダブルゼロカクテル』は“カクテルテイスト清涼飲料のパイオニア”として、家庭用・業務用の両市場において取り組みを強化し、確固たる地位の構築を図ります。
「焼酎」では、家庭用市場においては最重点ブランド『かのか』の価値向上に注力し、マーケティング投資を集中し更なる成長を図ります。また、業務用市場においては本格芋焼酎『薩摩こく紫』と『さつま司』を中心に新規取扱店数を拡大し本格焼酎における当社のプレゼンス拡大を図ります。
「洋酒」では、国産ウイスキーの代表的ブランドで、クリアな飲み心地が好評の『ブラックニッカ クリア』を最重点ブランドと位置づけ、気軽に楽しめるウイスキーとして、さらにお客様に親しんでいただける取り組みを進めていきます。『竹鶴』『余市』『宮城峡』についてもブランド育成を図り、ニッカブランドの価値向上につなげていきます。
「ワイン」は、国産では、気軽に楽しめるカジュアルなワイン『サントネージュ リラ』を最重点ブランドと位置付け、サントネージュブランドの育成強化を図っていきます。輸入ワインは、世界的にもブランドが確立されている多彩なラインアップから多様なお客様のニーズにお応えできるよう、業態別のご提案を強化していきます。
2011年のアサヒビール概況
【1】ビール類事業
2011年のビール類総市場(ビール・発泡酒・新ジャンル)が前年比95〜96%程度と見込まれる中で、ビールは前年比95〜96%程度、発泡酒は86〜87%程度と減少し、新ジャンルは1〜2%程度前年を上回ったものと推定しています。また、成長著しいビールテイスト清涼飲料は前年比で2割程度増と大きく伸長したものと見られます。
アサヒビールのビール類トータル販売数量は、東日本大震災や原発事故の影響などもあり、
16,610万ケース※4(前年比97.0%)となり、ビールの主力ブランド『スーパードライ』は10,850万ケース(前年比96.3%)と前年実績を下回りました。そのような中、本格展開2年目となる「エクストラコールド」は、従来のスペースの半分で設置可能な「省スペース型ディスペンサー」の展開を6月より開始したこともあり、新規の設置目標店数1,000店のところ、1,023店まで拡大し、展開開始以来のトータルお取り扱い店数は1,656店と順調に増加しています。また、「エクストラコールド」をより多くのお客様に体感していただくための情報発信拠点として、東京銀座ほか4都市にて期間限定でオープンした「アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR」もご好評を頂戴し、4店舗合計のご来店お客様数が当初目標である7万5千名を大きく超え、約13万名の方にご来店いただきました。
尚、『スーパードライ』の年間販売数量は、昨年12月14日に発売3年目の1989年以来、23年連続で年間販売数量1億ケースを超え、発売以来の累計販売数量は32億ケースを突破しています。
※4:ビール類の1ケースは、大瓶633ml×20本換算。(以下同様)
新ジャンルの主力ブランド『クリアアサヒ』も広告の好評などマーケティング施策が奏功し、2011年の年間販売数量2,420万ケース、前年比では2桁増の112.9%となり、発売4年目にしてますます好調に推移しました。
“糖質ゼロ発泡酒のパイオニア”『スタイルフリー』も発泡酒市場が減少傾向にある中、発売5年目にして過去最高の販売数量を達成し、年間販売数量1,203万ケース(前年比105.1%)と好調をキープしています。
【2】総合酒類事業
ビール以外の酒類カテゴリーでは、それぞれの分野における主軸ブランドは市場での存在感を高めることができました。中でも、洋酒における当社最大のブランド『ブラックニッカ クリアブレンド』は、5年連続でプラス成長を維持することができました。また、『竹鶴21年ピュアモルト』は、ウイスキーの国際的コンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード2011」で3年連続4回目となる“ワールド・ベスト・ブレンデッド・モルトウイスキー”を受賞し、世界的な評価を頂戴することができました。
低アルコール飲料では、2009年2月に発売した『アサヒSlat(すらっと)』が、“果肉が入って、カロリー最少級”というコンセプトにより幅広い層からご好評を頂戴しています。また、『アサヒチューハイ 果実の瞬間』については、2011年9月に発売した、えひめ飲料「ポンジュース」で使用している果汁を原料とした「贅沢みかんテイスト」などが販売に寄与し、好調に推移しています。
2010年9月に発売した、“カクテルテイスト清涼飲料のパイオニア” 『アサヒ ダブルゼロカクテル』は「アルコール分0.00%」で「カロリーゼロ」という特長がご支持を頂戴し、2011年は当初の年間販売目標100万箱を170万箱に上方修正し、最終的な年間の販売数量は171万箱(当初販売目標の171%)と大きく伸長いたしました。
ワインでは、2011年5月に発売した国産ワインの新ブランド『サントネージュ リラ』が気軽に楽しめる味わいとペットボトルの利便性などがご支持いただき、好調に推移しています。
2012年アサヒビール 酒類事業販売目標
■ビール類
|
2012年目標 |
前年比 |
2011年販売 |
前年比 |
スーパードライ計 |
10,900 |
100.5% |
10,850 |
96.3% |
ビール計 |
11,100 |
100.2% |
11,080 |
95.4% |
スタイルフリー |
1,160 |
96.4% |
1,203 |
105.1% |
発泡酒計 |
1,450 |
87.9% |
1,650 |
88.7% |
クリアアサヒ |
2,650 |
109.5% |
2,420 |
112.9% |
オフ |
790 |
105.8% |
747 |
104.2% |
ブルーラベル |
380 |
139.7% |
272 |
− |
新ジャンル計 |
4,150 |
106.7% |
3,890 |
106.9% |
ビール類合計 |
16,700 |
100.5% |
16,610 |
97.0% |
※2011年実績の各ジャンル計は、1万の桁を四捨五入
|
2012年目標 |
前年比 |
2011年販売 |
前年比 |
ドライゼロ |
300 |
− |
− |
− |
ダブルゼロカクテル |
250 |
146.2% |
171 |
316.7% |
※『ドライゼロ』1ケースは、大瓶633ml×20本換算
『ダブルゼロカクテル』1ケースは、缶250ml×24本換算
■総合酒類(ビール類以外)
|
2012年目標 |
前年比 |
2011年販売 |
前年比 |
低アルコール飲料 |
350 |
124.1% |
282 |
90.4% |
焼酎 |
370 |
91.8% |
403 |
83.4% |
洋酒 |
331 |
107.1% |
309 |
101.6% |
ワイン |
110 |
103.8% |
106 |
92.2% |
その他 |
148 |
308.3% |
48 |
68.6% |
総合酒類合計 |
1,309 |
114.0% |
1,148 |
89.4% |
※「その他」にはアルコールテイスト清涼飲料を含みます。