アサヒビール株式会社
青島啤酒有限公司
アサヒビールの中国ビール事業の収益構造を改善
アサヒビールと青島ビールが戦略的提携を加速
〜生産技術・マーケティング戦略など青島ビールの経営全般を支援〜
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 荻田伍)と、青島啤酒股份有限公司(本社 山東省、董事長 金志国、以下 青島ビール)は、11月2日に開催された青島ビールの臨時株主総会において、正式にアサヒビールからの役員派遣が決議されたことから、中国における戦略的提携パートナーとしての具体的な取り組みを開始することとなりました。今後は資材の共同調達や相互製造受託など、バリューチェーン全般に渡り両社の提携効果を高める取り組みを、更にスピードをあげて実行に移していきます。
この提携においてアサヒビールは、中国の大手ビール会社である青島ビールが、その地位を更に磐石とするための各種支援を実施していくとともに、青島ビールの保有する約50ヵ所の生産拠点や強力な販売網を活用しながらアサヒブランドの拡大を目指していきます。またアサヒビールが既に中国内で保有する各生産拠点での青島ブランド製造を実施することにより、生産効率の向上を図っていきます。
1994年より中国ビール市場に本格参入したアサヒビールと、青島ビールは、1997年に合弁会社『深圳青島啤酒朝日有限公司』の設立、2008年にアサヒビール子会社『煙台啤酒集団有限公司』との資本提携など、提携関係を強化してきました。
『深圳青島啤酒朝日有限公司』は、工場設立当初には年産10万KLの規模で、生ビール製造技術や排水処理設備を導入した生産体制を構築しました。現在は、アサヒビールと青島ビールの基幹工場と位置づけ、合計約70品種の両社ブランドを生産し、香港や深圳などの中国南部と東南アジア諸国など10ヵ国に海外へ輸出するなど販売を強化しています。2008年販売実績は、2000年比、アサヒブランドが約7.5倍、青島ブランドが約3倍と好調に推移しています。こうした好調な販売状況に合わせて、順次、増設を行ってきたことにより、現在の生産能力は2000年比の4倍となる40万KLに拡大しています。
また、青島ビールによる資本提携後の新会社『煙台啤酒青島朝日有限公司』では、本年5月より青島ブランドの受託製造と、青島ビールに煙台ビールの営業を移管した新たな販売体制構築により、生産稼働率の向上と効率的な販売強化を実現し収益構造を改善しています。
青島ビールは、現在、中国ビール市場で占有率第2位の地位で、20年連続で販売数量を拡大しています。山東省で圧倒的な占有率を誇るとともに、中国全土に販売網を拡大しており、全体の販売数量の半分程度を占める中核ブランド「青島ビール」の本年上半期実績が30%増で推移するなど、好調に販売実績を拡大しています。
中国のビール市場は、2003年に世界一のビール消費国となった以降も年々成長を続けており、世界に占めるビールの占有率は2007年で22.8%になっています。2007年は、ビール消費量が1990年比で約6倍、世界平均の約25Lを上回る約29Lとなった一人当たりのビール消費量が1990年比で約5倍に伸張しています。※出典:IMPACT DATA BANK 2008
アサヒビールは、業績拡大を続けている青島ビールと、これまでより更に発展的、長期的な提携関係を築き、両社の事業基盤確立と企業価値向上を目指し、本年4月に青島ビールの株式19.99%を取得しました。
世界一の消費量を誇り、今後も拡大が見込まれる中国のビール市場において、青島ビールが中国ビール市場で長年培ってきたブランド力及び強固な事業基盤と、アサヒビールが日本のビール市場で鍛え上げた生産、品質管理、及び商品開発技術などを最大限に活用し、両社の企業価値向上を目指していきます。