アサヒビール株式会社
三井物産株式会社
アサヒビール(株)と三井物産(株)が天然由来調味料の酵母エキスを製造・販売する合弁会社を設立
〜世界初発見の酵母を活用、事業領域の拡大に布石〜
アサヒビール株式会社(本社:東京都墨田区、社長:荻田伍、以下:アサヒビール)と三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:槍田松瑩、以下:三井物産)は、天然由来調味料の酵母エキスを製造、販売する合弁会社「アドバンスト・イースト・テクノロジーズ・ジャパン株式会社」(本社:東京都墨田区、社長: 岩東清茂、以下イーストテック)を2009年2月に設立し、2009年後半から日本および世界に向けて販売を開始します。イーストテックの株主資本は約10億円で、アサヒビールと三井物産が折半出資、5年後の2014年を目処に200億円の売上を目指します。
販売するのは付加価値の高い天然由来調味料の酵母エキスで、アサヒビールが世界で初めて発見した高濃度な成分(一層の旨みやコクを付与する高グルタミン酸等)を含有する4種の酵母などを利用したものです。イーストテックは酵母エキスの製造を、世界最大の飼料用酵母製品メーカーであるオルテック社(本社 :米国ケンタッキー州)がセルビアに保有するグループ会社に委託します。
この製造委託に伴い、アサヒビールはオルテック社に酵母並びに酵母培養技術の活用を、またアサヒビールグループのアサヒフードアンドヘルスケア株式会社(以下:AFH社)がこれまで培ってきたエキス製造技術、配合・処方のノウハウなどを供与します。
酵母エキスの販売は三井物産が欧米市場を担当し、子会社である海外販社の販売網を活用して現地の加工食品会社やエキス加工会社に販売します。またアジア市場ではAFH社と三井物産が協力して販売を行い、日本国内向けは従来からAFH社がもつ酵母エキス事業の販売網を活用します。
AFH社は、ビール製造過程で発生する副産物のビール酵母を活用した酵母エキス事業を1966年から開始し、各種調味料、発酵用培養基材、酵素などを食品加工や医薬品メーカーに販売しています。近年、同社は酵母エキス市場の伸張を背景に、三井物産などを通じて輸入した酵母エキス原料を活用し、酵母エキス事業を拡大しています。
三井物産は、糖資源の確保、及び醗酵事業を通して、糖の価値化事業に注力しており、グループ会社が、オルテック社が製造販売する高付加価値酵母飼料の日本国内独占販売権を取得し、事業展開を推し進めています。
こうした3社の強みのシナジーを最大限に発揮することで、今後ますます拡大が見込まれる酵母エキス市場において、更なる事業領域を拡大していきます。
【参考資料】
酵母エキス素材市場の動向:
先進諸国を中心として世界的に健康志向や無添加食品嗜好が進むなか、天然食品素材である酵母エキス素材の世界市場規模は約10万t超に達しており、毎年4〜5%増で拡大し続けていると言われています。一方、2007年の国内市場規模(出典:食品化学新聞)は約1.5万tで、5年前(2002年)比で30%増、前年比では約5%増で推移しており、今後も一層の伸張が見込まれています。
また近年、酵母エキス系天然調味料に一層の旨み、こく、味の膨らみが求められていると共に、グルタミン酸ナトリウムやたんぱく加水分解物の代替品が求められています。今般、アサヒビールはこうしたニーズに応えた世界初の酵母発見に成功し、三井物産と共に合弁事業を展開することに至ったものです。
【オルテック社の概要】
本社 | :米国ケンタッキー州 レキシントン |
資本金 | :1.2億ドル |
売上高 | :350百万ドル(2007年) |
代表 | :Dr.Thomas Pearse Lyons |
設立 | :1980年 |
事業内容 | :飼料用機能性添加物、および酵母加工品の製造販売 |
【新会社の概要】
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【本件に関するマスコミからのお問い合わせ先】
アサヒビール株式会社 広報部 03−5608−5126
三井物産株式会社 広報部 03−3285−7566