アサヒビール株式会社（本社 東京、社長 荻田伍）は、三商行股份有限公司（本社 台湾・台北市、董事長 陳翔立）と、台湾における酒類、飲料、食品を販売する合弁会社を設立することで合意し、9月30日、合弁契約に調印しました。
　三商行股份有限公司は、台湾において生活関連・流通業を中心に、百貨店、外食、食品、ディスカウントストアのみならず、金融、保険、ＩＴ、メディアなどへの多角化を積極的に推進し業績拡大を遂げている総合商社です。今回、合意した合弁スキームでは、三商行股份有限公司が新会社を設立し、その新会社がアサヒビール（株）に対して第三者割当増資を実施します。新会社の名称は「三商朝日股份有限公司」で、出資比率は三商行股份有限公司とアサヒビール（株）が共に各50％を取得します。両社合計の出資額は約8億円となります。
　新会社の「三商朝日股份有限公司」では、2013年には100万箱（1箱＝633ｍｌ×20本）以上のビール販売数量を目指し、またその他酒類、飲料、食品の大幅売上増も目指していきます。

　三商行股份有限公司の食品事業は、酒類、飲料・食品を幅広く取り扱い、台湾全土に直販網を張り巡らし、主に飲食店が必要とする商品を一括提供できるノウハウを有した大規模卸売業です。三商行股份有限公司は、台湾における日本料理店の90％を超す店舗との取引関係をもつなど業務用市場へ直販の強みを活かした営業体制を構築しており、洋酒、清酒、焼酎、低アルコール飲料など総合酒類や清涼飲料・食品の販売も強化しています。さらに、家庭用市場においてもコンビニエンスストアや量販店・スーパーマーケットなどへも同じく直販を強化しており、売上を拡大しています。

　アサヒビール（株）は、1998年より本格的に台湾へのビール輸出を開始しており、2004年からは台湾人が好む、飲みやすさ・スッキリ感が特長の台湾市場向けに商品設計した低価格帯の生ビール「朝日乾杯」を発売するなど、「アサヒスーパードライ」を中心とした台湾市場でのアサヒビールのラインアップ拡大を図ってきました。2003年9月からは総販売代理の三商行股份有限公司の販売網を活用し積極拡販した結果、台湾におけるビールの販売数量は2006年以降3年連続で過去最高数量を更新し拡大を続けています。更に、ウイスキーや低アルコール飲料、焼酎、ワイン、清涼飲料など、台湾市場で総合酒類、飲料、食品の展開を積極的に推進し、販売実績も好調に推移しています。

　台湾の酒類市場はビールが約60％を占めており、ビール市場は約4千万箱（1箱：633ｍｌ×20本、出典：Plato Logic） の規模となっています。ビール容器別には瓶が約40%、缶が約60％、 樽生は未だ少なく数％の状況です。
　業務用市場では、外食産業のチェーン化や全土展開が顕著で、これに加えて日系大手外食チェーンの進出も活発化しており、今後は樽生ビールの販売数量拡大や嗜好の多様化によるウイスキーやワイン、低アルコール飲料などの消費機会の拡大が予想されます。
　また家庭用市場では、コンビニエンスストアや量販店の出店が加速するなか、幅広い品揃えを有する小売業が台頭しています。こうした品揃え強化の一環として、日本のビールや低アルコール飲料、清涼飲料などの優位性が拡大しています。

　今回の合意は、台湾の流通市場構造が大きく変化するなかで、三商行股份有限公司がもつ台湾最大規模の全土網羅の直販体制と、アサヒビールグループのマーケティングのノウハウを活用することで、台湾市場での総合酒類販売会社としての地位を確立するとともに、アサヒビールブランドの競争力拡大を図っていくことで両社の考えが合致したものです。

　アサヒビール（株）は、今回の「三商朝日股份有限公司」の設立など、それぞれの国や地域における有力なパートナーとの提携を強化した海外戦略を展開することで、東アジアを中心にアサヒビールグループのプレゼンス拡大を目指していきます。

【新合弁会社の概要】

【三商行股份有限公司の概要】