アサヒビール株式会社
世界初!植物由来のプラスチック「ポリ乳酸」を
樽容器のキャップシールに新採用
〜 CO2排出量を年間60%、約150t削減 〜
〜 開けやすさを追求し、開封に要する負荷を40%軽減 〜
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 荻田伍)は、2008年5月中旬出荷からの樽容器のキャップシールの素材に植物由来の「ポリ乳酸」(Poly Lactic Acid)を採用します。これにより、CO2排出量で年間60%となる約150t(※)の削減と、樽生取り扱い飲食店での開けやすいキャップシール展開が可能となります。
縦方向のフィルム引裂きに優位性を持つ「ポリ乳酸」素材を活用することで、フィルムの厚みを10%削減するとともに、さらには開封ミシンの位置や形状に工夫を施し、開封に要する力を40%以上軽減しました。こうしたことから、従来開封ミシンの部分に使用していた開封補助テープが不要となり、「ポリ乳酸」のみの単一素材で構成したキャップシールの展開を開始します。ビール類の樽容器に展開することは世界で初めての取り組みとなります。
政府は、2002年12月に「バイオテクノロジー戦略大綱」を策定し、国家プロジェクトとして、化石系燃料から発生する二酸化炭素排出量を抑制するために、植物由来プラスチックを全消費量の20%まで拡大する方針を示しています。
「ポリ乳酸」は、トウモロコシやサトウキビなどから抽出したデンプンを発酵させて得られる乳酸を結合させ高分子化した素材で、ポリエステルに分類されます。原料に石油を使用しない植物由来のプラスチックの一種であり、生分解性の機能も持ち合わせていることから、一定の条件のもとで水と二酸化炭素に分解する特性があります。環境負荷の低い素材として注目を集めており、近年、食品業界や家電業界が包装資材として採用を拡大しています。
アサヒビール(株)は、5月中旬にニッカウヰスキーの柏工場と西宮工場で樽ハイ倶楽部3品種を、アサヒビール(株)吹田工場でレーベンブロイを出荷し、6月からはビール7工場でスーパードライなどを出荷する計画で、順次、「ポリ乳酸」素材に切替えます。化石燃料由来の従来のPET素材から植物由来の「ポリ乳酸」素材に変更することとなり、化石エネルギーの使用量は年間で約65%削減されます。
アサヒビール(株)は、永続的に社会から受け入れられる企業グループを目指して、CO2排出量削減など環境負荷低減に積極的に取り組むとともに、製品の利便性を追求した容器の研究開発を展開していきます。