財団法人アサヒビール芸術文化財団
美術展シリーズ「アサヒ・アート・コラボレーション」第8回
「岸にあがった花火―宮永愛子展」を開催
〜墨田区周辺の地域資源をヒントに、時と共に形を変えてゆく作品を発表〜
アサヒビール芸術文化財団(所在地:東京、理事長:池田弘一)は、墨田区ならびにアサヒ・アート・フェスティバル実行委員会との共催で、6月16日(土)より7月15日(日)まで、墨田区役所内のすみだリバーサイドホール・ギャラリーにおいて「岸にあがった花火―宮永愛子展」を開催します。また、アサヒビール本部ビル1階ロビー(東京都墨田区吾妻橋)も第二会場として作品展示を行います。
本展覧会は、「社会とアートの新たな出会い」をテーマに毎年行なわれている美術展シリーズ『アサヒ・アート・コラボレーション』の第8回目にあたり、7月7日(土)より9月9日(日)まで東京および全国各地で開催される『アサヒ・アート・フェスティバル2007』※の参加プログラムでもあります。
『アサヒ・アート・コラボレーション』は、気鋭の若手芸術家が社会のさまざまな事柄と出会い、地域の資源を活かし、一般の人々の参加を受けてつくりあげていく展覧会です。今回は、現代芸術家の宮永愛子が、墨田区周辺のさまざまな地域資源にヒントを得ながら作品を制作していきます。例えば、「隅田川」から発想を得た作品は、“塩”を隅田川から採取し何本もの糸に結晶化させることで、川が海につながっていることを暗示し、そこに存在しながらも目に見えない“何か”に気づかせる、というテーマとなっています。
今回の美術展のタイトルは、数百年の歴史ある「隅田川花火大会」になぞらえてつけられており、個々の作品が花火の一瞬一瞬の消えゆく輝きを思い起こさせ、目に見えない“何か”に気づかせることを意図しています。
宮永はこれまで、時とともに変化し形を失ってゆく素材を用いて作品をつくってきました。防虫剤にも使われるナフタリンでつくられた靴や鍵といった作品は、短い期間で気化し、形が崩れてしまうため、永遠に変わらないものなどないという真実を観る者に気づかせてくれます。ときには古の名画や器、衣装などとそれらを一緒に並べることで、何百年の時を経てきたものと、わずか数週間で消えゆくもの、それぞれが過ごす時の差異も明らかにしてみせるのです。また宮永は、ちょうど誰もが思い出を抱く夏の花火のように、いずれ目の前から消えるものでも人の記憶に深く刻み込む術を知っています。見えないものを可視化し、日ごとに形を変えてゆく宮永の作品は、観る人にまさしく一期一会を感じさせます。“刻々と変わっていく展覧会”をどうぞお楽しみください。
アサヒビール芸術文化財団は「アサヒ・アート・コラボレーション」をはじめとして、これからも斬新なアートの催しを行い、新しい文化の創造活動を積極的に支援していくとともに、一人でも多くの方々がアートに触れる機会が増えていくことを期待しています。
※アサヒ・アート・フェスティバル2007…北海道から沖縄まで、全国各地の20を超えるのアートNPOや市民グループとアサヒビール(株)が協働して立ち上げる様々なアートプログラムを、7月7日(土)〜9月9日(日)の期間において一斉に発表するアートの祭典。2002年より開催され、本年で6回目を迎える。2003年度には、社団法人企業メセナ協議会の主催する『メセナアワード』において、「現代総合芸術賞」を受賞。また、2006年度は、約1,500名のスタッフ、ボランティアとともに開催し、全国で約50,000名のお客様にご来場いただいた。
【関連の催しの案内】
◎「岸にあがった花火―宮永愛子展」プレス内覧会
日時:6月15日(金)16:30〜、会場:すみだリバーサイドホール・ギャラリー
*一般公開に先駆けての内覧会で、作品について詳しくご説明します。
◎オープニング記念レセプション
日時:6月15日(金)17:00〜、会場:すみだリバーサイドホール・ギャラリー
◎ギャラリートーク/ワークショップ
ギャラリートーク:6月23日(土)14:00〜、7月7日(土)17:30〜
ワークショップ:隅田川を運行する水上バスで、写真を使ったワークショップを行う予定。
*AAFホームページ:www.asahi-artfes.net にてご案内。
【美術展概要】
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