アサヒビール芸術文化財団(所在地 東京、理事長 福地茂雄)は、第3回アサヒビール芸術賞の授賞者を決定しました。
今回の授賞対象は、個人1名と5団体で、3月20日(月)にアサヒビール(株)本部ビル1階ロビー(墨田区吾妻橋)において表彰式を行ない、活動支援金として100万円をそれぞれに贈呈します。
アサヒビール芸術賞は、斬新な芸術活動の発掘と支援を社員参加で行なう、これまでにない新たな芸術賞として、アサヒビール芸術文化財団が2003年に創設したものです。芸術と社会との橋渡しを推進することを通じて、未来に向けた芸術文化の発展に寄与することを目的に、ジャンルや個人・団体・プロジェクトといった形態を問わずに、アサヒビール(株)の社員が参加するユニークな選考方式により授賞者を決定しています。
このたびの第3回アサヒビール芸術賞は、芸術の専門家である3名の社外推薦委員によって候補を設定し、アサヒビール(株)社員の中から選ばれた32名の審査委員が最終選考を行ないました。社外推薦委員および社員による審査は、(1)創造性の高い将来性のある芸術家の支援といえるかどうか(2)芸術活動への市民の認知拡大、あるいは市民の創造体験の機会提供に繋がるかどうか(3)アサヒビール(株)社員として、今後とも支援するに値すると考えるかどうか、の3点に則っておこなわれます。また、授賞後も引き続き社員審査員を中心に、アサヒビール(株)社員で幅広くその活動を見守り、応援を続けていきます。
アサヒビール(株)は、(1)気鋭の芸術家の発掘支援を通して未来文化の創造に寄与する(2)市民の主体的な創造体験の場作りに寄与する(3)社会と芸術の橋渡し役をつとめる、ことを基本方針に、1990年よりメセナ活動を推進しています。アサヒビール芸術賞も、この考えに基づくもので、ジャンルを超えた斬新な芸術活動の可能性を発掘し、あわせて一般には理解されにくいといわれている新しい芸術活動を表彰し支援するものです。
【表彰式概要】 |
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日時: 3月20日(月) 17:00〜18:00 表彰式
18:00〜19:30 レセプション
場所: アサヒビール(株)本部ビルロビー
(墨田区吾妻橋1-23-1)
出席者: アサヒビール芸術文化財団理事長(アサヒビール株式会社会長)
福地茂雄 他
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【授賞者の活動概要および授賞理由】 |
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井手茂太(いで しげひろ)振付家、「イデビアン・クルー」主宰
●授賞理由
振付家として「イデビアン・クルー」を主宰し、ユーモラスな表現の中に、影を持つ人間の複雑な存在を明らかにする手法で、コンテンポラリーダンスに新風を吹き込む活躍をしている。また、演出家と協働して、演劇での振り付けを数多く手がけ、「井手の振付ける演劇」ともういうべき、新しいスタイルの演劇とダンスの出会いを実現した。
近くて遠いダンスと演劇の共振を生み出し、コンテンポラリーダンスの地位を高めるに止まらず、演劇の新しい可能性を開拓する振付家としての活動は賞賛に値し、これを高く評価する。
graf(グラフ)クリエイティブユニット
●授賞理由
スペースデザイン、家具、照明など、アートから食に至るまで「暮らし」を考える6人のクリエイティブユニットとして、自由なデザインを展開し、ビジネスとしても成功している。あわせて、アーティストとのコラボレーションも手がけ、「横浜トリエンナーレ2005」にも参加した奈良美智との「A to Z」プロジェクトを中心にアート活動を展開している。
生活空間全般のデザインのもとに、生活空間の中にアートを息づかせるという、大きな可能性を開拓した活動は賞賛に値し、これを高く評価する。
高知県立美術館
●授賞理由
美術館として優れた美術展示をするだけでなく、美術館ホールを活かして、映画、音楽、演劇、ダンス等、ジャンルを超えた幅広い活動を展開している。イラン、インド、モンゴルなどをテーマとした映画祭のシリーズ、内外の気鋭のコンテンポラリー・ダンスの公演、先駆的な音楽公演などを実施してきた。
実験的なプログラムによる先進的な取組みを、地域に密着して10年以上にわたって継続している姿勢は賞賛に値し、これを高く評価する。
東京ドイツ文化センター
●授賞理由
日独の文化交流を長年にわたって推進してきた。特に近年ドイツの演劇とダンスの紹介において、極めて独創的で有意義な活動を展開している。特に昨年からの「日本におけるドイツ年」において、フォルクスビューネ、ベルリナー・アンサンブルなど、掉尾を飾るベルリン・ドイツ座の「エミーリア・ガロッティ」まで、優れたドイツ演劇の紹介という刺激的な活動を継続している。
日本人演出家のドイツ留学、日独演劇人の共同制作事業、日本人専門家のドイツ演劇視察などの地道な事業の積み重ねにより、日本にドイツ演劇が一挙に広がり、日本演劇界に多大の貢献をした。同センター山口真樹子氏をはじめとする関係者の功績は賞賛に値し、これを高く評価する。
BankART1929(バンカート1929)
●授賞理由
「文化芸術創造都市」を推進する横浜市にあって、総合的なアートセンターとしての先駆的な事例。歴史的建造物の活用実験モデルとして、アートNPOが運営している点も注目される。1929年に建てられた2つの元銀行の建物でスタートしたので「バンカート1929」と名づけられ、現在は倉庫も活用している。音楽、映像、ダンス、美術、演劇などのジャンルを超えたアート活動をはじめ、教育、出版等の機能も持ち、食文化や都市といった多様な文化を盛り込んだ施設。
都市の新たな発展を考える手法として注目される「創造都市」の先進事例として、横浜市への波及はもとより、全国の都市へ与える影響力は賞賛に値し、これを高く評価する。
福岡アジア美術館
●授賞理由
福岡の地理的、歴史的な特質を生かして、早くから(1979年)アジアの近現代美術を紹介する展覧会を開催しており、その成果を踏まえて開館した美術館として注目される。 開館記念展が「第1回福岡アジア美術トリエンナーレ1999」で、2005年にその第3回展を継続開催するなど、アジアの近現代美術を系統的に収集・展示する世界で唯一の専門美術館。
福岡そして日本とアジアの市民レベルの相互理解を美術を通して実現し、ともに創造していくことを目指す、交流型美術館としての先駆的な活動は賞賛に値し、これを高く評価する。
【アサヒビール芸術賞 社外推薦委員】 |
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市村 作知雄 (東京藝術大学音楽学部 助教授)
玉虫 美香子 (財団法人アリオン音楽財団 事務局長)
堀 元彰 (東京オペラシティーアートギャラリー チーフ・キュレーター) |
【本件に関するお問い合わせ】 |
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アサヒビール芸術文化財団 :03−5608−5202 |
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