アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 池田弘一)のお客様生活文化研究所は、本年3月上旬に、全国の20歳以上の男女を対象として、『お花見』に関する意識調査をインターネットで実施しました。調査の有効回答数は7817名となりました。
暦の上ではもう春とはいえ、暖かい日が続いたと思えば、急に寒くなったりと、まさに三寒四温を肌で実感する今日この頃。本格的な春の訪れが待ち遠しいところですが、そろそろソワソワと桜の開花予報が気になリ始めている方も少なくないのでは・・・。
今年3月の気温は全国的に平年並みと予想され、開花時期は西日本・東日本で早くて 3月26日過ぎ、北日本では4月10日以降の見込みだそうです。そこで今回の調査は、間もなく到来する桜前線を前に、今年のお花見の予定についてお尋ねしました。
■7割以上が、今年「お花見」へ出かける予定 今年、「お花見」の計画を立てている方はどのくらいいるのでしょうか?「毎年、満開の桜の樹を下から見上げるのが、春の一番の幸せ!」(女性40代)など、『必ず行くつもり』と回答した方が33.3%、『まだ決めていないが行くつもり』という方が37.9%と、実に71.2%の方がお花見シーズン到来を心待ちにしていることがうかがえます。
今年は「花粉飛散量」が平年の2倍、昨年の30倍、10人に1人が花粉症と言われるだけに「お花見」から足が遠のくのではと心配していましたが、昨年同時期に行った調査よりも、「お花見」へ行きたいという意向をもっている方が、11.4%アップしていることが明らかとなり、昨年以上の大きな盛り上がりを見せそうな気配です。
中には「沖縄なので、もう2月1日に行ってきました。梅に桜に菜の花。沖縄の春は、いっぺんにやって来る。カラフルで綺麗ですよ」(女性40代)など、既に花見を済ませたという地方もあるようで、一足早い春の訪れを謳歌している声も寄せられました。その一方、「今春は家族で長期の海外旅行へ行くので、ちょうど桜の見ごろを逃してしまうのが残念」(女性30代)など、『たぶん行かない』という方も7.8%いました。
■「お花見」は、「家族」「気の知れた仲間」と楽しむプライベートなイベント さて皆さんは、どなたと「お花見」にお出掛けになるのでしょうか?「久しぶりに家族が揃って、コミュニケーションできるのが楽しみ」(女性50代)、「今年初めて家族でのお花見を計画中。子どもが3人いるのですが、一番下の子が2歳を迎え、もうそろそろデビューしてもいいかな・・・と」(女性30代)など、『家族で』(56.3%)と回答した方が全体の半数以上にも達し、「お花見」=家族と過ごす野外イベントとして恒例化していることがうかがえます。
続いて多かったのは『友人たちと』(25.8%)。「毎年、主人の中学時代の友人達と家族ぐるみでお花見会をしています。それぞれの家族の成長ぶりが見られる事がとても楽しみ」(女性30代)、「子供の幼稚園の時のお友達と年に1度の親子同窓会! 毎年のことで、そこに行くとたくさんの友達に会える」(女性30代)など、毎年、桜咲く頃になると学生時代の友人、気の合うママさん仲間と集まって同窓会を開いているという声も少なくありませんでした。こうして見てみると、「お花見」は何かと気を使いがちな仕事・会社関連で行うよりも、むしろ「家族」「友人」など気の知れた仲間と催すプライベートなイベントとして活用されていることが見受けられます。
■週末と満開日の一致を大いに期待! では、「お花見」で最も楽しみにしていることとは一体何でしょう?堂々の1位は、当然かもしれませんが、『満開の桜を鑑賞すること』(31.7%)でした。「満開の桜は何度見ても感動します。あの心がウキウキするのを想像しただけでも幸せ!」(女性30代)など、桜にも「7、8分咲き」、散り始めた「桜吹雪」、やや若葉の見え始めた「葉桜」など人それぞれ好みが分かれるところですが、断トツ人気はやはり「満開」でした。「タイミング良く、週末に満開を迎えて、しかも春の陽気だったら最高」(女性20代)など、仕事の休みの日と満開日がうまく重なって欲しいと願う声が多数寄せられ、開花予報をにらみながら「お花見」の計画づくりに頭を悩ましている方も多いようです。
続いて2位は『桜を見ながら、ビール・酒を飲めること』(29.6%)、3位に『お花見弁当など美味しいものを食べること』(13.7%)と、「お花見」の楽しみの1つであるお花見グルメへの関心の高さがうかがえます。
■お花見グルメの人気ナンバー1は「お花見弁当」でキマリ!
男性は「つまみ系」、女性はしっかり「ご飯系」 「お花見」に欠かせないグルメ&飲み物と言えば何でしょう?男性、女性共に人気ナンバー1だったのが、『お花見弁当』(男性=15%、女性=16.3%)でした。「通勤途中にその道を通る際につぼみの様子をチェックしている。デパ地下へ行くと、今からどこのお花見弁当を買おっかなって迷っている・・・」(女性20代)など、ここ最近では老舗料理屋を始め、デパ地下、スーパーやコンビニでも『お花見弁当』の販売に力を入れ始めており、「お花見」前から『お花見弁当』選びに夢中になっている方も少なくはないようです。また「1人1品づつ手料理を持ち寄ります。毎年なので、何を作っていいか悩みますが、花見の度にレシピが増えるので主婦としては嬉しい」(女性30代)など、頑張って手作りをしている方もいました。
続いて男性2位は『焼き鳥・串焼き』(14.1%)、3位に『つまみ・乾き物』(12.2%)と、ご飯ものというよりも、むしろ酒の肴を挙げる声が多数寄せられました。一方、女性2位は『おにぎり』(12.5%)、3位に『揚げ物(唐揚げ、フライドポテトなど)』(11.7%)と、男性とは打って変わってしっかりと空腹を満たせるご飯ものが目立ちました。
■「お花見」にビールがなくては始まらない!
男性は「日本酒」、女性は「チューハイ」も人気 「お花見」に欠かせないドリンク人気ベスト5を見てみましょう。圧倒的な支持を得て、男性、女性共に1位は『ビール』(男性=44.3%、女性=38.7%)でした。「青空の下で、ぐーっと飲むビールがたまりません」(男性40代)、「お花見は友達4家族(だんな抜き)で、主婦が昼からビール飲んで騒げるので毎年楽しみ」(女性30代)など、野外で飲むビールの味はまた格別。
昨年実施した調査と比較をして見ると、昨年3位であった『日本酒』が人気を下げ、代わって『チューハイ』『発泡酒』が上位に浮上してきたのは注目です。特に『発泡酒』は男性人気が高く、昨年の5位から3位と飛躍的に伸びています。一方、女性の2位には『お茶・ジュース』(23%)、3位には男性人気の高かった『発泡酒』を退け、『チューハイ』(14.2%)が上位にランクインしてきました。かつての花見酒といえば 『日本酒』というイメージから花見酒の選択にも大きな変化が現れていることがうかがえます。
今回は、桜前線の北上が待ち遠しい「お花見」のご予定について皆さんにお尋ねしました。まだ朝晩の寒さが残るこの時期に、早くも7割以上の方が「お花見」へ行きたいという意向を持っていることが明らかとなり、皆さんの期待度の高さがうかがえる結果となりました。
こうした桜への思い、執着心はおそらく日本人ならではの感覚ではないでしょうか。それは美しく咲き誇る花としての鑑賞物だけではなく、新入学、卒業、人との別れ、人との出会い、受験、新入社、新年度、引っ越しなど、この時期に人生の節目を幼い頃から繰り返し経験してきた記憶や思い出とも連動し、より私たちを感傷的に叙情的にさせているようにも思えます。桜の花言葉が「精神美」であるように、日頃、何かとストレスの溜まっている現代人にとって、まさに心を癒してくれる神秘的な力を桜に感じずにはいられません。
【調査概要】
調査対象: |
全国の20歳以上の男女 (有効回答数) 7817人 |
調査方法: |
インターネット調査 |
調査期間: |
2005年3月9日〜3月15日 |
<ご参考データ> |