アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 池田弘一)のお客様生活文化研究所は、本年1月中旬から下旬にインターネットで約1701名のお客様を対象に、昨年のビール飲用に関する調査を実施しました。
先日発表された「2004年年間の課税出荷数量」では、発泡酒に押され気味だったビールの出荷量に復調の兆しが見られました。
思えば、昨年はオリンピック、イチローの大記録に猛暑など、様々な出来事がありましたが、果たしてそうした社会的な要因が何らか影響を及ぼしているのでしょうか?あるいは、皆さんのご家庭でビールでお祝いする機会が増えたのでしょうか?そこで今回はビール復調の要因を探るべく、皆さんの昨年のビール飲用についてお尋ねしました。
■2人に1人がビールの飲用が増えたと実感
まず昨年のビールの飲用頻度について皆さんに伺ってみました。「主婦の息抜きとして、月に2〜3回はビアパーティをやっていました」(女性20代)など「増えた」と回答した方が13.1%、「やや増えた」という方が39.9%と、全体の約2人に1人が昨年ビールを飲む機会が増えたという印象を持っていることが明らかとなりました。
■ビールに「涼」を求め、「量」にも拍車が掛かった昨夏
では次に、ビールの飲用頻度が増えた方にその理由を伺ってみました。断トツの理由1位は、「猛暑でビールのおいしさを実感したから」(54%)でした。
「昨年の夏は暑い日が続いたので自然に量が増え、また習慣的に飲み続けた」(男性70代)、「なんといっても、あの猛暑。お風呂上りの一杯が二杯に増えました」(女性30代)など、観測史上記録を連日更新し続けた酷暑をあげる声が多数寄せられました。枯渇した喉をうるおすオアシスの様にビールに涼を求め、つい飲む量にも拍車が掛かったことがうかがえます。
■外食を控え、夫婦で晩酌する家庭が急増
続いて2位は、「自宅で家族や夫婦でビールで乾杯する機会が増えたから」(39.8%)でした。
「仕事からの帰宅が早くなったので、飲む時間も増えたため」(男性30代)など、自宅で夫婦や家族とゆっくり晩酌する機会が増したご家庭も少なくないようです。
奥様たちも「夫が家で飲む時間が増えたので、晩酌に付き合うようになった」(女性50代)などビールを飲む機会が増えると同時に、晩酌を通じて夫婦のコミュニケ−ションを上手にはかっている様子が垣間見られます。
■頑張った自分へのご褒美にビール
2位のように夫婦、家族と飲む機会が増えたという回答の一方で、3位には「自分へのご褒美の 意味で、独りでビールを飲む機会が増えたから」(26.2%)があげられました。「一週間仕事を終えた金曜の晩にプハ〜ッと飲むビールに快感を覚えて飲むことが多くなった」(女性20代)、「仕事から帰り、家でほっとして寝る前に飲むビールがおいしく、寝付きも良くなった」(男性30代)など仕事のストレスや疲れを解消し、頑張った自分への労いの意味を込め、独りでビールを楽しむ術を覚えたという声も多数寄せられました。いわば、ビールが1日を締め括る安堵のひとときを演出しているのかもしれません。
■スポーツ観戦の傍らにビールが欠かせない男性
それでは次に性別における、ビール飲用理由の違いをみていきましょう。まず男性に目立ったのは、総合5位の「オリンピックなどスポーツ観戦でビールをたくさん飲んだから」(男性=19.7%、女性=14%)でした。
「オリンピックの好成績につられて、つい飲み過ぎてしまった」(男性30代)、「メジャーリーグを見ながら過ごす時間が増えたから・・・」(男性40代)など、昨年はアテネオリンピック、サッカーW杯予選にメジャーリーグなど、海外で大活躍した日本人選手が続々登場し、TVを前に力の入った応援をしながら、ビールという男性が大変多かったようです。
■飲用頻度の増加にともない、ビールの美味しさを再発見する女性
一方、女性の回答で多かったのは、「ビールの味が分かるようになり、ビールが好きになったので」(女性=17.6%、男性=6.9%)でした。
「もともとお酒が弱い体質なのですが、少しずつ飲むようになりました。最近ちょっとお酒の美味しさ、特にビールの美味しさがわかり、自然と飲む回数が増えました」(女性30代)、「夫婦の旅が増え、夫婦で飲む機会が多くなり味わいが分かるようになった」(女性50代)など、総合2位に「夫婦」での飲用機会の増加があげられた事からもうかがえる様に、女性がビールを口にする頻度が増えるに連れ、ビールのおいしさを再発見する機会も必然的に増していることが分かります。
■発泡酒ばかりでない、ビールのライバルが続々出現!? こうして見てくると、昨年、いかにビールがたくさん飲まれていたかという事を改めて実感させられます。とはいえ、もちろん様々な理由からビールの飲用頻度が減った方もいましたので、次にその減少した主な理由について見ていきましょう。
最も多かった理由は、「ビールから他のアルコール類を飲むようになったので」(41.6%)でした。「芋焼酎を飲む機会が増えたため・・・」(女性30代)、「缶チューハイでいろんな種類が増えたので、缶チューハイのほうが飲む機会が増えてきた」(女性20代)など、ここ最近、大ブームの本格焼酎や種類の多くなった缶チューハイ・カクテルへ移行したという声が大変多く、発泡酒ばかりでなく、手強いライバルたちの出現がビールの飲用頻度に大きく影響を及ぼしている事が明らかとなりました。
【調査概要】
調査対象: |
全国の20歳以上の男女
(有効回答数) 1701人 男性:931人、女性770人 |
調査方法: |
インターネット調査 |
調査期間: |
2005年1月19日〜1月25日 |
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