平成15年4月11日 |
ビール製造工程の副産物・大麦麦殻を炭化した 「モルトセラミックス」の用途開発の一環 モルトセラミックスの培地が育んだ高糖度トマトの販売を開始 |
アサヒビール株式会社 |
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 池田弘一)は、新日本空調株式会社(本社 東京、社長 岩ア彰宏)と共同出資で設立した、アサヒエコロジー株式会社(本社 東京、社長 菅野直樹)を通じて、ビール大麦の殻皮(モルトフィード)を圧縮成形、炭化した新素材である「モルトセラミックス」を培地に使用し、養液栽培した高糖度トマト(注)の販売を開始しました。 (注) 高糖度トマト: 通常の食用トマトの糖度が4〜5度であるに対して、一般的に糖度8度以上のトマトを高糖度トマトと呼ぶ。高級青果として取引され、店頭では通常のトマトの3〜4倍程度の価格で販売されることが多い。 この事業では、高糖度トマトの養液栽培を行う有限会社樫山農園(所在地 徳島県小松島市、代表者 樫山博章)とアサヒエコロジー(株)が業務提携し、(有)樫山農園がモルトセラミックスを培地に用いた高糖度トマト(商品名:「珊瑚樹」)を生産、アサヒエコロジー(株)を通じて販売します。トマトの量産・出荷においては、アサヒビール(株)のもつ官能検査技術・食品検査技術や、新日本空調(株)のもつ空調技術・エンジニアリング技術など両社の持つノウハウをもちより、均質でおいしいトマトを提供していきます。特に、出荷するトマトは非破壊検査装置で全数検査を行い、8度以上の糖度を保証したものだけを出荷する体制を構築しました。さらに、従来は初冬から春先までにしか収穫できなかった高糖度トマトの周年栽培技術の確立を目指し、高品質で付加価値の高い作物を安定供給する農業経営の高度化を目指します。 モルトセラミックスとは、アサヒビール(株)と新日本空調(株)が共同で量産技術を開発した、ビール製造においての副産物として発生する麦芽の殻皮(モルトフィード)を乾燥、圧縮成形のうえ、焼成したセラミックスです。製造工程には、熱風循環式炭化法(特許申請中)を採用しています。モルトセラミックスは、均質で高純度の炭素を含有し、備長炭並みの硬度を有し、重金属類を一切含まず安全性が高い、大麦由来の豊富なミネラル成分を含有する、水のpH値を強アルカリ性に変えない、といった特性をもっており、同じ炭化物ながら、一般に市販されている木炭や竹炭とは異なった特徴をもっています。両社では、その特性をいかした多様な用途開発・事業化を進めることを目的に、アサヒエコロジー(株)を合弁で平成14年に設立しました。すでに、商品化第一弾として洋らん・東洋らん用の植込材「オーキッド・ベース(商品名)」(特許申請中)を平成13年より販売しています。 今回の事業は、(有)樫山農園の代表者である樫山氏が高糖度トマト養液栽培にモルトセラミックスを用いることを発案し、アサヒビール(株)に提携を打診したことに始まります。栽培試験を通じて、トマトの糖度が高まるなど、モルトセラミックスが養液栽培の培地に適することがわかりました。アサヒエコロジー(株)では、モルトセラミックスの高付加価値用途拡大の一環として同事業に参加し、栽培法の確立への協力と、販売を通じてモルトセラミックスを培地に使った高糖度トマトの市場価値構築を進めることとしたものです。 アサヒエコロジー(株)では、今回のトマト養液栽培事業を通じてモルトセラミックスの養液栽培向け培地用途としての事業拡大を目指します。また、アサヒビール(株)、新日本空調(株)では、モルトセラミックスのさらなる用途開発研究を共同で進めていきます。 |
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