*Firefox最新版をご利用のお客様へ* ページの背景画像が正しく表示されない場合、こちらをクリックお願いします。

 


平成15年1月8日
アサヒビール 2003年酒類事業方針
2002年構築した事業基盤のもとで2003年は“魅力づくり”の年に
中核ブランドの高付加価値化と市場創造型の新提案を通じて
アルコール飲料の新しいおいしさを提供
アサヒビール株式会社
 
 アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 池田弘一)は、2002年にビール・発泡酒市場を中核に据えた「総合酒類事業の強化」を大きな命題として、事業基盤づくりに積極的に取り組んできました。2003年はその事業基盤のもとで、アサヒビール(株)ならではの“魅力づくり”の年としていきます。

2002年の総括

■業界全体について
 2002年の酒類マーケット全体は、長引く景気低迷などにより、総需要は横這いという厳しい状況が続いています。
 中核となるビール・発泡酒市場においては、2001年に引き続き発泡酒の成長とビールの低迷という傾向が続きました。しかし、発泡酒の成長はやや鈍化してきており、業界全体のビール・発泡酒トータルでは2年ぶりの減少となった模様です。
 酒類マーケットの成長市場としては、低アルコール飲料市場と焼酎市場が堅調に推移しました。特に低アルコール飲料市場は2ケタの高成長を維持すると同時に、嗜好の多様化に対応した商品数の拡大に伴い、ブランド間の競争も激化してきています。

■当社の状況
 アサヒビール(株)は2002年、“ビール・発泡酒市場における磐石な地位の確立”と“総合酒類の体制づくり”を事業方針と掲げ、『アサヒスーパードライ』の活性化、『アサヒ本生』のブランド力強化、そして、M&Aや提携などによるブランドの拡充と製販体制の強化を図ってきました。

 業界全体のビール・発泡酒の年間販売数量は5億4,000万箱程度と、2年ぶりに減少する中、アサヒビール(株)の販売数量は、ビールが1億6,240万箱(前年比91.2%)、発泡酒が4,700万箱(前年比120.5%)、ビール・発泡酒合計で2億940万箱(前年比96.4%)となりました。
 中核ブランドである『アサヒスーパードライ』は、低迷が続くビール市場の中で、14年連続で1億箱を突破し、ビールブランドの中での存在感をさらに高めることができました。
 発売2年目として、ブランドの確立・強化に取り組んだ『アサヒ本生』は、乱立する発泡酒ブランドの中でも、前年比2割強の大幅な増加を達成し、定番ブランドの揺るぎない市場地位を獲得することができました。

 総合酒類の体制づくりについては、協和発酵工業(株)や旭化成(株)の酒類事業の買収や世界5大酒類グループの一角を占めるマキシアム・ワールドワイドとの販売提携などを行い、有力ブランドの獲得と幅広いカテゴリーの製販体制を整えることができました。また、9月にはM&Aや販売提携を反映した新体制をスタートすると同時に、新商品開発体制の強化を図りました。

2003年 アサヒビールの酒類事業方針

 酒類マーケット全体において、総需要の飛躍的な成長を期待できない中で、2003年は増税やお客様の嗜好の多様化によるカテゴリー間、ブランド間の競争がさらに激化するものと想定しています。また、9月に予定されている酒類販売免許の規制緩和に伴い、流通や販売現場が変化していくことで、ブランド力のある商品への収斂や、営業力の差がもたらす販売数量格差の拡大などが一層進むものと考えられます。

 中核であるビール・発泡酒市場については、2003年も大きな需要増は期待できず、ビールが前年比8%程度の減少、発泡酒は1割程度の増加、トータルでは横這いから微減で推移すると予測しています。

 アサヒビール(株)は、このような激変する経営環境をチャンスと捉え、新しいアサヒビール像を築き、確実な成長に繋げていくことを目指していきます。
 2003年を総合酒類事業における“魅力づくり”の年と位置づけ、これまでビール・発泡酒市場で築き上げてきた競争力に、昨年築き上げた総合酒類体制、新商品開発体制を加えて、新しい発想、新しい提案による変化を先取りした活動を展開していきます。
 すべてのカテゴリーにおいて、中核ブランドの高付加価値化と市場創造型の新提案を通じて、アルコール飲料の新しいおいしさをご提供していくことを目指し、市場の変化やお客様のニーズの多様化に柔軟にお応えできる新商品・新サービスを続々展開していきます。

2003年 カテゴリー・ブランド戦略

■ビール
 中核ブランドの『アサヒスーパードライ』を含めて魅力溢れる新提案を展開し、ビール市場を活性化することを目指します。
 ビール市場活性化策として、ビールのおいしさを再認識いただく新商品・新施策を積極展開していくことを予定しています。
  ビール新商品としては3年ぶりとなる『アサヒ 穣三昧』の発売はその一環であり、この他にビールの“できたてのおいしさ”(鮮度)や“生ビールならではのおいしさ”を実感していただくための新しいサービスなどもご提案していきます。

■発泡酒
 2002年に市場成長が一服し、ブランド淘汰の加速が進む中で、『アサヒ本生』のブランドのさらなる強化とともに、革新的な新商品を開発していきます。
 『アサヒ本生』の施策についてはブランドの個性をさらに磨きをかけ、『アサヒ本生』ならではのコア価値を深くお客様に訴求していきます。
 一方で、顕在化しつつある「超・軽快」という発泡酒の味の新領域に対して、2月に『アサヒスパークス』を新発売しますが、これに続き、市場創造型の商品提案を積極的に行っていく予定です。
【2003年ビール・発泡酒市場の目標】
単位:千箱
 
2003年
目標
前年比
(%)
2002年実績
前年比
(%)
ビール
161,000
99.1 
162,400 
91.2 
スーパードライ
154,000
96.5 
159,550 
91.5 
穣三昧
5,000
− 
− 
− 
発泡酒
57,000
121.3 
47,000 
120.5 
本生
47,000
100.0 
47,000 
120.5 
スパークス
10,000
− 
− 
− 
合 計
218,000
104.1 
209,400 
96.4 

 ビール・発泡酒以外の低アルコール飲料、焼酎、洋酒、ワインカテゴリーでは、2003年は前年比70%増の1,300億円の売上を目標とし、2004年の目標1,600億円に向けて着実に売上の拡大を図っていきたいと考えています。

■低アルコール飲料
 『旬果搾り』、『ハイリキ』、『カクテルパートナー』を低アルコール市場の中核ブランドに育成すると同時に、既存ブランドの個性を明確化し、金額ベースで前年比50%の大幅増加を目指します。
 また、缶チューハイ市場という既存のカテゴリー概念にとらわれず、低アルコール飲料という幅広い視野でアサヒビール(株)ならではの新提案をしていくことを目指します。M&Aで得たノウハウや昨年9月に強化した新商品開発体制を結集して、既存カテゴリー概念にとらわれないお客様の嗜好にマッチした市場創造型の新商品を開発していきます。

■焼 酎
 『大五郎』、『かのか』、『韓国焼酎』を中核ブランドと位置づけ、オリジナリティー溢れる幅広い品揃えとビール販売網を活用したマーケティング戦略で焼酎市場での磐石な地位の確立を目指し、金額ベースで約3倍の成長を目指します。

■洋 酒
 2002年の業界全体の国産ウイスキー出荷数量が前年比1割程度の減少が見込まれる中で、当社国産ウイスキーは、ニッカウヰスキー(株)との営業統合が着実に成果を上げ、前年比105%の成長を果たすことができました。
  2003年も、この成長基調を継続するために家庭用市場と業務用市場のセグメントを明確化した商品・営業戦略を展開していきます。
 国産洋酒では、『ブラックニッカ』、『竹鶴』を中核ブランドと位置づけ、“品質のニッカ”イメージの更なる強化を果たし、輸入洋酒の中核ブランドを『ジム・ビーム』、『レミーマルタン』とし、金額ベースで前年比15%増の売上を目標としていきます。

■ワイン
 輸入ワイン(『カリテラ』、『バロンフィリップ・ドゥ・ロスシルド』、『ルイラトゥール』)、国産ワイン(『無添加ワイン』、『梅ワイン』)を中核としたブランド戦略で、多様化する嗜好および売場の変化に対応し、金額ベースで前年比約40%増の売上を目標としていきます。

■営業戦略
広域営業体制の強化

 酒類販売免許の規制緩和により、販売拠点の更なる拡大が想定される量販業態に対する提案型営業体制を強化していきます。2002年9月に首都圏広域支社の設置など広域流通部門の強化を実施しましたが、2003年はこの体制をもとに、個々の量販店に合わせた質の高い提案活動を実施していきます。

グループ店頭販促フォロー会社の設立
 量販店を中心とした店頭におけるアサヒビール(株)とアサヒ飲料(株)の商品のマーチャンダイジング活動を主業務とする「スマイルサポート株式会社」(本社 東京、社長 田村守)を設立し、2003年1月から営業を開始しました。量販店での本部商談における企画提案力を拡充していく一方で、新体制確立により店舗ベースでの企画実行能力を高めていきます。

業務用提案力の強化
 M&Aで拡充した幅広い品揃えで、地域や業態に合わせた魅力溢れるご提案を推進していきます。業務用商材として中核となる樽生ビールについては更なる品質向上を目的とした取り組みを進め、お客様に“もっとうまい生”を実感いただきます。





[BACK]