平成12年12月19日 |
アサヒビール(株) 2001年 ビール・発泡酒 商品戦略 「総合酒類戦略の中核となる ビール・発泡酒市場での圧倒的な存在感を構築」 アサヒスーパードライを“選ばれ続けるパワーブランド”に 本格的な味感で発泡酒市場のど真ん中に挑戦し、新しい価値を築く |
アサヒビール株式会社 |
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 福地茂雄)は、2001年のビール・発泡酒市場における基本方針を「総合酒類戦略の中核となる、ビール・発泡酒市場での圧倒的な存在感を構築する」こととします。グループ経営の柱として取り組む総合酒類事業化において、ビール・発泡酒市場で確固たる地位を獲得し、他の酒類カテゴリーへ商品を展開する上での強力な基盤となるように、積極的な商品戦略・営業活動を展開します。 |
1.2000年のビール・発泡酒市場の総括と2001年の展望 |
2000年の国内ビール・発泡酒市場は、年間でビール市場が4%程度のマイナス、発泡酒を合わせた市場全体では前年並みか微減程度になるものと推定されます。 こうした状況の中で、当社は「スーパードライのブランド価値の向上を通じて、ビール市場における盤石な地位を築く」ことを方針に掲げ、ビール市場でのご支持拡大に特化し取り組んできました。その結果、ビール市場がマイナスする中で、当社の年間ビール売上箱数は前年実績を上回るものと見込まれ、年間最高出荷を更新するとともに、1996年から5年連続となるプラス成長を達成します。また、ビール市場における当社のシェアは年間で初めて45%を超えるものと推定され、「盤石な地位を築く」という方針に対して、大きな成果を得たと考えます。 主力のアサヒスーパードライは、他のビール銘柄の多くが前年実績を下回り苦戦を続ける中、堅調な売上を続け、年間で前年比101%程度となる見込みです。10年連続で売上箱数を拡大し、ビール市場で揺るぎない地位を獲得することができました。 また、新しい価値の提案として本年1月に発売したアサヒスーパーモルトは、年間売上箱数が320万箱程度となり、独自の価値をお客様に認めていただいたものと考えます。 発泡酒市場については、本年年間の前年比は16%程度のプラスとなり、ビール・発泡酒 市場における年間の構成比は22%程度と推定します。市場は成長していますが、ビールから発泡酒への消費シフトは緩やかになり、ビールと発泡酒のマーケットの棲み分けが顕在化しています。 こうした状況を踏まえ、2001年の市場動向を展望すると、ビール・発泡酒市場の規模は本年同様に横這い程度で推移するものと考えます。また、ビールと発泡酒の市場間の消費シフトが縮小し、ビール市場は微減、発泡酒市場は1ケタ台の増加となり、発泡酒構成比は大幅には拡大しないものと予測します。 一方、アルコール総市場の成熟化やお客様の嗜好の多様化、酒類流通の変化など、業界を取り巻く環境が激しく変わる中で、今後の業界の競争構造は、多様な酒類カテゴリーを巻き込んだ「総合アルコール市場」に軸足を移していきます。こうした総合酒類化の戦いにおいては、単なる品揃えの拡大ではなく、圧倒的な競争力で市場をリードするカテゴリーを幾つ持てるかが勝敗の鍵になると考えます。すなわち、総合化の中での「強みづくり」が、2001年以降の業界の新たな流れになると予測します。 |
2.2001年 アサヒビールのビール・発泡酒商品戦略 |
「総合化の中の強みづくり」として、総合酒類事業の中核となるのはビール・発泡酒の領域です。ワインや洋酒部門の強化、低アルコール飲料などへの新たな挑戦を推進するためにも、ビールと発泡酒の総市場でアサヒブランドの存在感を一段と高め、確固たる地位を獲得することを、2001年の最重要課題として取り組んでいきます。 具体的には、スーパードライのブランド価値のいっそうの向上に取り組み、比類ないパワーブランド化を目指すとともに、発泡酒市場においては、独自の素材・製法を用いた本格的な新商品を上市し、市場のど真ん中に挑戦していきます。 こうした取り組みを通じて、2001年は、ビール・発泡酒トータルで2億1500万箱(ビール2億箱、発泡酒1500万箱)の売上を目指します。 |
◇ 2001年のアサヒスーパードライについての取り組み |
2001年の商品戦略の柱となるのは、スーパードライのブランド価値を更に高め、「選ばれ続けるパワーブランド」に育てることです。すでにビール市場では盤石な地位をいただいていることを踏まえ、今後はブランドとしての個性(=コア価値)を一段と強化し、お客様との絆を深めることで、他とは代替できない永く愛されるブランドとなることを目指していきます。 そのためのスーパードライの商品戦略は、ブランドの世界観である「DRY & HARD」をコミュニケーションの軸において強く訴求するとともに、独自の味感特性である「辛口」の再認識、ブランドの品質イメージである「鮮度」の強化などに特化した取り組みを展開します。 コミュニケーションについては、「DRY & HARD」をコンセプトとして、スーパードライの支持層が強く共感するような、時代感とマッチした広告宣伝を展開します。 「辛口」の再認識については、辛口を実感していただける飲用提案を新しい切り口で展開していきます。まず年初の1月からビールの新しい楽しみ方を提案する消費者向けキャンペーン『アサヒスーパードライ“2001辛口実感キャンペーン”』を実施します。また、飲食店向け市場においては、提案型営業活動の強化と、アサヒ生ビールサービス2社を含めた品質活動の徹底によって、飲食店で飲む「辛口」のおいしさを充実させていきます。 こうしたスーパードライの独自性・ブランド価値を高める取り組みを通じて、来年は年間売上1億9400万箱を目標とします。 |
◇ 本格的新商品の発売による発泡酒市場への挑戦 |
発泡酒については、本格的な新商品『アサヒ本生』を来年2月21日(水)に発売します。 発泡酒市場は、ビール・発泡酒市場の2割を超える規模となる一方、ビールとは飲用価値の違う商品として棲み分けが進んでおり、市場内のブランド間競争はいっそう激しくなっています。こうした発泡酒市場に対して、アサヒビール独自の素材・製法を用いて実現した本格的な味感を提案する戦略商品として『アサヒ本生』を開発・上市します。 大胆でユニークな広告宣伝、販売促進活動を行い、最後発ながら発泡酒市場に向け最大限のインパクトを与えるとともに、当社独自の新しい価値を構築していきます。 なお、『アサヒ本生』の販売目標は、来年年間で1500万箱とします。 |
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2001年は、ビール・発泡酒市場で2億1500万箱の売上を達成し、この領域でアサヒブランドの圧倒的な存在感を築き、確固たる地位を獲得することを目指します。この存在感を基盤に、ニッカウヰスキー(株)との連携をはじめとする総合酒類事業の展開を積極的に推進し、洋酒、ワイン、リキュール・カクテル類などの市場へも個性的な商品提案を行っていきます。 (注)文中における箱数の単位はすべて「1箱は大びん20本」です。 |