平成12年1月6日 |
アサヒビール(株) 2000年の事業方針 「スーパードライのブランド価値をさらに高め、年間2億箱を超えるビッグブランドに」 さらに一歩踏み込んだ、お客様の飲用時点における品質“飲むとき品質”の向上策を展開 |
アサヒビール株式会社 | ||||||||||||||||||
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 福地茂雄)は、本年2000年、「スーパードライのブランド価値をさらに高めるために、お客様の飲用時点における品質 “飲むとき品質”の向上に取り組み、年間2億箱を超えるビッグブランドを目指す」ことを事業方針の柱として、ビール市場におけるいっそうのご支持拡大に取り組んでいきます。 |
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I.1999年のビール市場の総括と2000年の展望 | ||||||||||||||||||
1999年のビール市場全体は前年比7%程度のマイナスとなったものと見込まれます。ビールと発泡酒をあわせた市場でみても、前年並み程度となったものと推定されます。 その中で当社は、主力のスーパードライを中心にビール市場におけるご支持の拡大に特化した活動を進め、前年比2%超の増加となる過去最高の売上数量を達成することができました。ビール出荷量については業界で唯一前年を上回ったうえ、ビールに発泡酒を加えた出荷量で比較しても業界で最も大きな増加箱数を達成することができたものと推定されます。この結果、ビール課税出荷量における当社のシェアは、会社設立以来、年間で初めて4割を超えたものと見込まれ、「国内ビール市場で盤石な地位を築く」という99年の方針について、成果を上げることができたと考えます。 低価格を訴求してビールからの消費シフトを狙った発泡酒のシェアは、前年から6ポイント程度上昇し、年間で19%程度になったものと推定されます。しかし、年後半にかけて発泡酒の成長率は次第に鈍化し、カテゴリー内でのブランド間競争が激しくなるなど、ビールと発泡酒の棲み分け・消費の二分化構造がほぼ固定化してきたものとみられます。 2000年の市場状況を展望すると、ビールに発泡酒を含めた業界全体の出荷量は急激な変動はなく、ほぼ前年並みで推移するものとみられます。一方、これまで続いたビールから発泡酒への消費シフトも終息して、発泡酒シェアは年間で2割程度にとどまり、その結果、ビール市場は過去2年間のように大きく減少することはなく、2%程度の微減となるものと予測します。 こうした市場状況のもと、同業各社の事業計画においても、主力ビール・ブランドの活性化策やビール新商品の投入などビール販売強化を標榜する内容が盛り込まれてくるものと思われます。すなわち、ビール各社のマーケティング活動は再び主戦場をビールに戻して展開することとなり、本年2000年は“ビール復権の年”となるものと予測されます。 さらに、2000年はビール業界にとって、21世紀に向けてビールが新しい価値・機軸を提案し、もっとも国民に愛されるアルコール飲料としていっそうの存在感の拡大を図れるか否かの真価が問われる年であるといえます。 そうした中、アサヒビール(株)は、お客様にとってビールを“もっとおいしく、もっと楽しく”するような活動に取り組み、ビール総市場の活性化に努めることが、国内ビール市場をリードしていく企業としての課題であり使命であると考えています。 |
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II.2000年の事業方針について | ||||||||||||||||||
“ビール復権”の年といえる本年2000年、アサヒビール(株)では、現在ブランド単独でビール市場の4割を占めるスーパードライこそが、ビール市場活性化の旗頭を担えるブランドであるという考えから、このスーパードライに経営資源をいっそう集中させ、全社全部門の力を結集して、ブランド価値の向上とお客様のご満足拡大に注力していきます。 これにより、本年、スーパードライの売上目標は年間2億箱(前年比106%)とし、国内ビール市場において14年ぶりとなる単独で2億箱を超えるビッグブランド誕生を目指します。 アサヒビール全体のビール売上箱数については、アサヒスーパーモルトなど新市場を切り開く新商品や個性派商品を加え、年間で2億1200万箱(前年比107%)を目標とします。 |
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III.2000年の具体的な活動について 〜品質活動の次元を高める“飲むとき品質”への取り組み〜 |
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アサヒビール(株)は、2000年、スーパードライのブランド価値のいっそうの向上に取り組むにあたり、これまでにトータル・フレッシュマネジメント活動等によって築き上げてきたスーパードライの品質の良さを、さらに高い次元に高めていくことに特化していきます。 特に本年は、お客様がビールの品質に対して最も厳しい判断を下す、飲む瞬間の品質“飲むとき品質”にこだわって、その向上のためにできることはすべてやる方針で、お客様にとっての“おいしさ”“楽しさ”につながる具体的な行動を次々に展開していきます。 その第一弾として、以下の取り組みを実行していきます。また、現在検討を進めている施策についても、まとまり次第、次々と発表・実施していく予定です。
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IV.ビール事業の国際展開について | ||||||||||||||||||
アサヒビール(株)は、海外におけるビール事業を将来の収益の柱のひとつに育成することを目指して、積極的な海外展開を行っています。 1999年の海外におけるアサヒブランド全体のビール販売量は、当社が重点市場とする中国、北米、欧州の3エリアを中心に積極的な拡販を行った結果、トータルで前年比23%増の413万箱(現地実数合計)となりました。特に中国においては、6月より、青島ビール社等との合弁による深青島酒朝日有限公司の新工場が稼働を開始し、すでに98年からスーパードライを生産する山東省の煙台ビール社と合わせ、沿岸地域へ南北2拠点からスーパードライを供給する体制を固めました。 2000年は、欧州におけるスーパードライの現地生産を、1月下旬よりチェコ共和国・プラハビールのプラニク工場において開始します。あわせて、イギリス・ロンドンにおく現地法人アサヒビール・ヨーロッパは、1月より欧州でのアサヒビール製品の総販売元となり、各国における販売業者と組んだ拡販活動をいっそう強化していきます。 これにより、アサヒビール(株)がビール事業国際展開における重点3市場(中国、北米、欧州)すべてで現地生産体制が構築され、より新しいスーパードライを展開する基盤が整ったことになります。 さらに中国では、朝日ビールをリーズナブルな高品質ビールとして位置づけ、スーパードライ、朝日ビール、合弁ビール会社の地元ブランドを価格帯別に配置し、いっそうの販路拡大を進めます。 本年はこうした活動によって、中国、北米、欧州の3地域を中心に、海外市場でアサヒブランド全体で、前年比約2倍の894万箱(現地実数計)の販売を目指します。これにより、アサヒビール(株)のビール海外販売比率を約3%に引き上げる計画です。 |
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V.経営品質向上の取り組み | ||||||||||||||||||
いまや、お客様の選択の眼は、商品の品質のみにとどまらず、その商品やサービスを提供する企業自体の品質の吟味にも向けられています。アサヒビール(株)では、2000年を「経営革新仕上げの年」と位置づけ、本年からスタートする中期経営計画に従い、経営品質の向上への取り組みを各分野で進めていきます。
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アサヒビール 国内ビール売上とブランド別売上箱数 1999年の見込み速報値と2000年目標 |
1999年 (速報値) |
2000年 目標 |
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アサヒビール全体 売上箱数 |
1億9800万箱超 (前年比102%) |
2億1200万箱 (前年比107%) |
<ブランド別売上> アサヒスーパードライ アサヒスーパーモルト |
1億8900万箱超 (前年比103%) ―――― |
2億箱 (前年比106%) 500万箱 |
(特に記載のないものは、1箱=633ml×20本) |